幸せなマイホーム生活をしている方たちもいる中で、「こんなことになるなら、家なんて買うんじゃなかった…」と後悔している方たちもいます。もしもマイホーム購入を検討しているのなら、実際の失敗談を聞いて失敗の原因を避けたいですね。
失敗談から学ぶことは、とても重要です。失敗の内容がわかれば、気になる物件を内覧したときや、物件の最終チェックの際にチェックできます。騒音や異臭などの問題がないかを確認できれば、後悔するポイントを避けられるでしょう。
この記事では、後悔した原因を「マンション編」「戸建編」「老後編」「売却編」にわけて紹介しています。また後悔しないために押さえておきたいポイントや、マイホームの住み替えについても解説していますので、マイホーム購入時の参考にしてみてください。
戸建て購入で後悔する人、しない人。後悔事例を参考に購入を考えよう
マイホーム後悔だらけ|マンション編
マンションを購入した方からよく耳にする後悔には、騒音や支払いなどの問題があります。ここではマンションを買った場合の「後悔」をみていきましょう。
騒音がうるさくて耐えられない
マンションの場合、壁・天井・床などを隔てただけで隣人と接しています。隣の人の会話や音楽、上の階の住人の足音など、生活音を気にしたらキリがありません。
「すこしくらいの音なら、気にならないわ」という方もいるでしょう。しかし騒音が原因で訴訟になったケースや、傷害事件も過去にあります。
あくまで訴訟となったひどいケースですが、訴訟に発展しなくても騒音が原因で、住人同士がもめることはよくあります。
子供と暮らしていれば、子供は走り回ったり、大声で泣いたり、大きな音を立ててドアを開閉したりします。「泣き声や足音が下の階に響いて、迷惑をかけていないだろうか」など、自分自身の生活音が気になるでしょう。神経質な近隣住民から「騒音がうるさい」と訴えられるかもしれません。
コロナ禍で外出を控えて、室内に滞在している方も多くいます。マンションを決めるときには、壁が厚く目覚まし時計くらいの音なら聞こえないか、近隣に騒音を出す方がいないかどうか確認するとよいでしょう。
住まいに関わる月々の支払いが辛い
マンションを購入した場合、毎月かかるのは住宅ローンの支払いだけではありません。戸建てを購入した場合には発生しない、管理費、駐車場代、修繕積立金が毎月かかります。それ以外に、年に一度固定資産税を支払います。
また修繕積立金は、毎年同じ金額ではありません。マンションの長期修繕計画により修繕積立金が変わってきますが、マンションの入居者数により金額が増減します。マンションの入居者数が少なければ、割り当てられる修繕積立金の負担も大きくなるので注意が必要です。不明な点があれば、事前に確認しておきましょう。
窓が少なくて風通しが悪く息苦しい
マンションは戸建てと比べると、窓の数が少なくて小さい傾向があります。「窓が小さいとオシャレに見える」「窓破りが難しくて、防犯性が高い」「冬に暖かい」などのメリットがありますが、デメリットも多いので気を付けなければなりません。
窓が少ないデメリットには、「風通しが悪い」「部屋を狭く感じやすい」ことなどがあげられます。
特に気を付けたいのが、風通しです。窓が少なめでも、風が通り抜ける家ならよいですが、風が抜けずに空気がこもるようなら注意が必要です。日本の気候、特に梅雨時から夏にかけて湿気と暑さがきつくなります。
梅雨時には、じめじめした空気が抜けずにカーテンや靴箱、クローゼットの中などがカビてしまう可能性があります。また夏は蒸し暑くなり、窓を開けたくらいでは暑さが部屋から抜けないでしょう。エアコンを使えばよいですが、電気代が高くつきます。
窓が二つしかない中住戸でも、風が抜ければ問題ありません。内覧の際には窓を開けてもらって、風通しを確認しましょう。
日当たりが悪く部屋が暗くて寒い
「日当たりのよい家に住みたい」と思う方は多いでしょう。
紫外線で家具が傷むかもしれませんが、それ以上に日当たりのよい部屋には、「明るい部屋のほうが、気持ちも明るくなる」「気分がいい」などのメリットがあります。
一方、日当たりが悪いことによるデメリットには「冬に寒く、部屋全体が暗くなり光熱費もあがる」「湿度が上がり、カビが発生しやすい」ことなどがあります。
多少の日当たりの悪さならば、健康被害の心配はありません。しかしマンションの中住戸で窓なしの部屋やお風呂がある場合、光源が電気のみで風通しも悪いので注意が必要です。もしも引き戸でリビングと続きになるような部屋ならば、窓がなくてもリビング窓から光をとれるかもしれません。
気に入った家に窓のない部屋や日当たりの悪い部屋があった場合は、物置部屋や書斎(紫外線で本が傷まない)にするなど、用途を工夫しましょう。
マイホーム後悔だらけ|戸建て編
戸建てには、戸建て特有のセキュリティやプライバシーなどの失敗例があります。ここでは実際に戸建てを購入した方が、どのような点を後悔したのか紹介します。
セキュリティが不十分で不安になる
マンションやアパートに住む場合、「防犯の面が心配だから、2階以上に住もう」と考える方は多いでしょう。マンションの場合は階数が高いほど侵入が難しく、人の目も複数あるので窃盗に入る難易度は上がります。また防犯カメラやオートロックが設置してあるマンションなら、さらに侵入が難しくなります。
戸建ての場合は、一度人目に付きにくい敷地内に入ってしまえば、家の中に侵入するのは難しくありません。セキュリティを高めるために工事を行うと多額の費用がかかるので、多くの家がセキュリティ面を強化していないのです。
戸建てに住むなら、防犯性の高い門扉やフェンスにしたり、センサー付きライトや防犯砂利を用い、侵入されにくい環境を整えましょう。
外からうちの中が丸見えで恥ずかしい
家を購入する前は、どうしても間取りや内装、外観などが気になってしまいがちです。「リビングの窓は大きめの掃き出し窓で、南向きがいい」「日当たりをよくしたいから、窓は多め」「玄関は広く取りたい」などの希望をかなえ、いざ住んでみると家の中が丸見えだったというのはよくあります。
快適な家に住みたいと思ったら、プライバシーの問題はとても重要です。間取りやデザインだけではなく、「外側からの見え方」にも注意しましょう。せっかく芝生の庭を整えて友人とバーベキューパーティーを開こうと思っても、通行人から丸見えだったら人目が気になって楽しめません。
また隣家と接している場合、窓を開けたら隣の家が丸見えというケースもあります。それぞれの家にいながら目が合ってしまうと、気まずくて仕方ないでしょう。見ないために、カーテンを閉めっぱなしということもあるかもしれません。
マイホーム購入後でも、外構工事をしてプライバシーを保護することはできます。しかし外構工事の費用は高く、数十万から数百万円かかる可能性があります。
駅から遠く何をするにも不便を感じる
駅近のマンションやアパートで暮らしていた方が駅から離れた戸建てに移り住むと、不便さを感じるでしょう。郊外はさまざまな店が点在していることが多く、車がないと移動が大変です。
また通勤で駅を利用するなら、徒歩、自転車、バス、車など駅までの通勤手段を考えなければなりません。徒歩や自転車で駅まで行けるならよいですが、梅雨の時期や台風の際などには通勤が困難になります。またバスの場合、なかなか時刻表通りに来ません。雨の日などはバスが満員になることも多く、バス停に止まらずに素通りしてしまうこともあるでしょう。
郊外に住むデメリットは、ほかにもあります。今はよくても、老後に体が弱ったとき、生活利便性の悪い場所だと買い物や病院に行くのに苦労します。いつかは免許証も、返納しなければなりません。老後も日常生活に困らず生活できるか、家を持つときには考えておきたい問題です。
庭のメンテナンスが想像以上に大変だった
家の購入前は新居の中で生活するイメージをしやすく、庭にあまり意識が向きません。しかし多くの戸建て所有者が、庭で悩んでいます。
「雑草の生える時期になったね、いい除草剤知らない?」「猫がふんをして困っている」「ムカデやアリが大量発生した」などの会話は、隣人同士やママ友の間でよく話される内容です。庭をコンクリートなどで固めていない限り、土があれば自然に雑草は生えてきます。きれいな庭を維持しようと思ったら、春や夏は毎日が雑草との戦いです。
また花壇があるなら、木や花を植えるかもしれません。多年草ならよいですが、期間の短い花を植えるなら、そのたびにホームセンターに肥料や除草剤を買いに行く必要があります。時間、手間、費用のすべてが庭に費やされます。
もちろん、庭仕事を楽しめる方ならよいでしょう。きれいな花が咲いたり、自家製の野菜や果物が採れればうれしいです。しかしそうでないならば、庭のメンテナンスが大変なことを知った上で、庭の広さやタイプを決めましょう。
マイホーム後悔だらけ|老後編
今はよくても、老後に後悔するケースもあります。老後に後悔するポイントを知り、将来の不安を取り除きましょう。
寒くてヒートショックのリスクがある
断熱性の高くない戸建ては、部屋によって温度差が激しいことがあります。特に注意したいのは、トイレやお風呂場、洗面所です。窓が小さく日が差し込みにくい場所に設置されることが多く、冬は家の中でも特に冷え込みます。
ヒートショックとは、急激な温度差により体がダメージを受けることですが、冬の冷え込んだ場所はヒートショックの可能性があるので、高齢者にはとても危険です。
血圧は寒い場所だと上昇し、暑いと低下します。暖かいリビングで安定していた血圧が寒い洗面所や浴室で上昇し、熱いお風呂に入ることで今度は血圧が急降下します。
この血圧の乱れは、体に非常に負担をかけます。高齢者が冬場のお風呂で心臓発作や心筋梗塞で亡くなりやすいのは、ヒートショックが原因です。
またヒートショックを防ぐために家の温度を均一に保とうとすれば、光熱費がかさみ収入の少ない高齢者にとっては負担になります。
段差があって生活しづらい
最初から平屋の家ならよいですが、家を購入する世代の多くが子育て中であり、部屋数を必要としています。そのため2階建て以上だったり、スキップフロアが設置されている家が多いでしょう。
若いうちはよいですが、年をとると足腰を痛めることも多く、階段の上り下りに負担を感じやすくなります。また段差が多いと、転倒の可能性も高まります。高齢者になってから骨折すると若いころよりも怪我が治りにくく、車いす生活や寝たきりになる可能性もあるので注意しなければなりません。
段差をなくしたりバリアフリーにするには、費用がかかり高齢者の負担になります。
不動産を巡ってすでに子どもが仲違いしている
不動産の所有者が亡くなった後、その不動産をめぐって親族が仲違いをするケースがあります。不動産は、単純に分けることができません。
分ける方法としては次のようなの方法があります。
- 売却して売却額を分ける
- 不動産を相続した方が、相続しなかった兄弟姉妹に代償金を払う
- 分筆して相続する
最も簡単で平等に分けられるのは、売却して売却額を分ける方法です。金額が平等なので誰もが納得しやすい方法ですが、デメリットもあります。その不動産に同居して一緒に住んでいた方は、売却により住まいを失ってしまうでしょう。
また遺言状や、生前贈与という方法があります。遺言状はもめにくい有効な方法です。しかし不動産を相続して必ずしも喜ぶとは限りません。売却しにくい不動産の場合、売りたくても売れずに相続人は維持管理費や税金の負担をしなくてはならない可能性があります。
もめないためにも相続の問題について、家族で生前から話し合っておきましょう。
マイホーム後悔だらけ|売却編
所有している不動産をなんらかの事情で、手放すこともあるでしょう。その時に「家を買わなければよかった」と、後悔するかもしれません。ここでは売却時に後悔するポイントをみていきます。
すぐに資産価値が下がってしまった
日本には、「新築プレミアム」という言葉があります。日本人の多少高くても新築を手に入れたがる傾向から、この言葉は生まれました。
築1年以上売却できなかった未入居物件、1日でも入居した物件はすべて中古と呼ばれます。物件自体は新築同様ですが、売却しようと思ったときに「新築」か「中古」かで大きく売却額が変わります。
特に木造戸建住宅の価値は、築15年までに急速に下落します。築年数とともに資産価値が下落し、築20年でほぼ資産価値はなくなります。
そのため「もっと高く売れると思ったのに」と、売却時に後悔する方が多くいます。売却額に築年数が大きく影響するため、売却を決めたら少しでも早く売却準備を進めましょう。
売却するのに多額の費用がかかった
不動産購入にもさまざまな費用がかかりますが、売却する際も同様に諸費用が発生します。何にいくらくらいかかるのか知らないと、売却後の手元に残る金額目算を誤ってしまいます。
売却時にかかる基本的な費用には、以下のものがあります。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用(抵当権抹消費用、司法書士報酬など)
- 引っ越し費用
まず仲介手数料ですが、宅地建物取引業法によって上限が定められています。取引額によって異なりますが、仲介手数料の上限額は取引額の3%から5%程度です。印紙税は1,000万円超え5,000万円以下の場合、令和6年まで軽減措置が適応され1万円です。
他に登記費用、引っ越し代、必要に応じて廃棄物の処分費や敷地の測量費、建物の解体費などが加算されます。売却には意外に諸費用がかかります。最終的に手元に残る額を、売却前に計算しておくとよいでしょう。
マイホームで後悔しないためのポイント
後悔しないためには、マイホームを購入する前にポイントを押さえておく必要があります。ここでは後悔しないためのコツについて解説します。
戸建てかマンションか慎重に選ぶ
「家を買って、失敗した…」と嘆く方の多くは、マイホームを持って後悔しているというよりも、家選びを失敗している可能性があります。マンションにはマンションの良さが、戸建てには戸建ての良さがあります。
マンションが向いているのは、以下の条件に当てはまる方です。
- 駅近物件を希望している
- 利便性を重視している
- 防犯やセキュリティを重視している
- 建物部分の修繕やメンテナンスについて悩みたくない
- 高層階に住んでみたい(見晴らしを重視したい)
戸建てが向いているのは、以下の条件に当てはまる方です。
- 管理費や駐車場代など、毎月払いをしたくない
- 増改築やリフォームを自由にしたい
- プライバシーを重視したい
- ペットを飼いたい
- 学校の近くや、公園の近くなど気に入った場所に住みたい
- 移動手段が車でもよい
どちらが良い悪いではなく、好みやライフスタイルにより向いている物件が決まります。内装や外装だけではなく、その家で生活している自分を具体的にイメージしながら、購入する家を決めましょう。
無理のない返済計画を立てる
住宅ローンで苦しむ方もいます。幸せなマイホームを夢見て購入したはずなのに、お金の悩みが発生したら元も子もありません。購入前から、無理のない返済計画を立てる必要があります。
借金が嫌いな方は「早くローンの返済を終わらせたい」と、繰り上げ返済するために無理をしがちです。しかし今は低金利で、支払いトータル額を減らすための繰り上げ返済にはあまり効果がありません。
貯金に余裕がない場合は、病気や解雇など想定しない支出が発生したときに備えて、手元に余剰資金を残しておいたほうがよいかもしれません。繰り上げ返済をしたいならば、金利が高いときや、住宅ローン減税適用期間が終了した後がよいでしょう。
またすでに住宅ローンを組んでしまって返済が苦しい場合は、金融機関への相談をおすすめします。ボーナス返済の見直しや、「中ゆとり」という返済がしばらく苦しい間だけ返済額を変更する特例措置などが受けられます。
賃貸に住み替えるのも選択のひとつ
「マイホームは、いいよ」という話を聞いても、それはその方のライフスタイルにあっていたからです。自分や自分の家族も、同じように感じるとは限りません。
家を購入して後悔する理由の多くが、戸建て購入、マンション購入、賃貸などの選択を誤った結果です。もしもマイホームに住んでみて不安や不満があるなら、住み替えを検討するのもよいでしょう。
家の売却を検討するなら、まずは相場の調査が必要です。複数の不動産会社に査定してもらえば、おおよその相場がわかります。もしも複数の不動産会社を回る手間や時間が惜しいならば、無料の不動産一括査定サービスが便利です。
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参考:すまいステップ
後悔しないように住まい選びは慎重に行う
人生にあるかないかの不動産購入は、ライフイベントの中でも重要です。自分だけではなく家族の幸せにもかかわるため、後悔したくありません。
実際に家を購入した方たちが、どのような点を後悔したか知れば、同様の失敗を避けられます。マンション、戸建てなど家のタイプによってメリット・デメリットも変わってくるので、自分や家族の向き不向きを考えたうえで、慎重にマイホームを選択するとよいでしょう。
またすでに購入したマイホームに対して後悔をしている場合は、住み替えという選択肢もあります。