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住み替えに税金はいくらかかるのか。節税対策をして出費を軽減

  • 更新日:2024年1月12日
住み替えに税金はいくらかかるのか。節税対策をして出費を軽減

転勤で遠方に引っ越しをすることになったり、子どもが独立して家族のサイズが小さくなり今までの家では広すぎるようになったりといった理由で、住み替えを検討する方もいます。

住み替えでは、前の家を売却して新居へ引っ越しますが、家の売却でも購入でも税金が発生します。住み替えの資金計画を立てる上では、税金についてもしっかりと考えて計画に組み込まなければいけません。

この記事では、住み替えで課税される税金の種類と節税方法について詳しく解説します。

住み替えの売却と購入の両方でかかる税金

家を住み替えるときには、家の売却と家の購入のそれぞれに税金が発生します。売却にも購入にもどちらにも、同じような種類の税金がそれぞれかかります。家の住み替えで必要になる3種類の税金の詳細について解説します。

売却や購入の契約書に印紙税

家を住み替えるときに、家の売却にも購入にも必要になる税金には、契約書に収入印紙を貼り付けて納税する印紙税があります。印紙税とは、日常の経済活動に伴って作成される書類に収入印紙を貼り付けることで国へ納税する税金です。領収書や契約書、株券などの証券が課税対象になります。

不動産を売買するときの売買契約書も、印紙税の課税対象になります。家を住み替えるときには、前の家を売却するときも、新居を購入するときも売買契約書には定められた金額の収入印紙を貼り付けることが求められます。

印紙税の金額は売買契約書に記載される金額によって定められています。不動産売買の印紙税の金額は次の表のとおりです。

契約金額本則税額軽減税額
10万円超から50万円以下400円200円
50万円超から100万円以下1,000円500円
100万円超から500万円以下2,000円1,000円
500万円超から1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超から5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超から1億円以下6万円3万円
1億円超から5億円以下10万円6万円
5億円超から10億円以下20万円16万円
10億円超から50億円以下40万円32万円
50億円超60万円48万円

参考:国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

令和4年3月31日まで軽減税率が適用されています。

収入印紙を販売している場所は郵便局や法務局、金券ショップです。額面の低いものなら切手が買えるコンビニなどの商店でも購入できます。

家の登記手続きで登録免許税

家の売買を行うと名義変更などの登記の手続きが必要になります。登記の手続きを法務局で行うと、登録免許税という税金が必要になります。家の住み替えで必要になる登記手続きは所有権移転登記と、ローンを利用した場合の抵当権に関する登記です。

所有権移転登記とは、不動産の名義を変更するための登記手続きです。所有権移転登記の登録免許税はほとんどの場合購入者側が負担します。売却する側が負担することはめったにありません。所有権移転登記の登録免許税の税率は土地も建物も固定資産税評価額の2%です。

ローンの抵当権に関する登録免許税には、前の家を売却時に完済した場合の抵当権抹消登記と、新居をローンを組んで購入した場合の抵当権設定登記があります。ローンを借り入れたときには、金融機関が万が一の場合に家や土地を差し押さえして競売できる抵当権を設定します。

前の家のローンを売却したお金で完済した場合には抵当権抹消登記で抵当権を外します。抵当権抹消時の税額は登記手続き1件につき1,000円です。家1棟と土地1筆の場合には合計2,000円になります。

新居の購入に新しい住宅ローンを借り入れた場合には、抵当権設定登記が必要です。抵当権設定登記の登録免許税の税率は借り入れた金額の0.4%です。

各種手続きや物件にかかる消費税

住み替えによる家の手続きの中には、消費税が発生するものと発生しないものがあります。消費税が発生しないものとは次のとおりです。

  • 土地
  • マイホームを個人が売却するときの建物の価格

土地はもともと消費税の対象外です。消費税とは事業者が行う経済活動が対象なので、不動産会社による仲介が入ってもマイホームの個人からの売却の場合には対象外になります。

家の住み替えで消費税が発生するものとは次のとおりです。

  • 新居を業者から購入した場合の建物代金
  • 不動産会社へ支払う仲介手数料
  • 登記手続きを司法書士へ依頼した場合の報酬
  • ローンの手続きで発生する手数料

これらの代金は、不動産会社や金融機関、司法書士事務所といった事業者へ支払うものなので消費税の対象となります。

住み替えの状況によってかかる税金

上記の税金は、ほぼすべての住み替えで発生するものです。一方で、住み替えの状況によっては発生する税金もあります。住み替えの状況によって課税される3つの税金について解説します。

売却で利益が出たときに譲渡所得税

売却によって譲渡所得(利益)が出た場合には譲渡所得税がかかります。譲渡所得とは、売却した金額から売却にかかった手数料と、その不動産を取得したときの購入金額と購入に掛かった手数料などを差し引いた金額です。売却金額が購入金額を下回ったときには譲渡所得はマイナスになるので譲渡所得税は発生しません。

譲渡所得がプラスになったときには、所得税、住民税、復興特別所得税が課税されます。この3つを合わせて譲渡所得税と呼びます。譲渡所得税は所有期間によって、税率が異なります。所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得です。

  • 短期譲渡所得=所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%=39.63%
  • 長期譲渡所得=所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%=20.315%

住み替え先の譲渡で不動産取得税

住み替え先の新居が新たに他の人から譲渡されて取得した不動産だった場合に、新たに取得した人に対して課税されるのが不動産取得税です。購入であっても無償譲渡であっても、一律に課税されます。相続で取得した家の場合には課税されません。

不動産取得税の税率は固定資産税評価額に対して、土地が3%、住宅の建物が3%、非住宅の建物が4%です。不動産を取得した日から60日以内に市町村役場か県税事務所へ不動産取得申告を行って納税します。

一定金額が控除される軽減措置や特別措置を受けられる場合がありますが、60日以内に申告しないと適用外となるので注意しましょう。

住み替え先をもらったときに贈与税

住み替え先の新居が贈与された不動産であった場合には、贈与税が課税されます。贈与税とは、個人から個人へ財産を譲り渡したときに課される税金です。不動産が贈与される場合にも課税対象になります。

贈与税は贈与される財産の評価額から基礎控除の110万円を控除した残りの金額によって次の表のように変わります。

基礎控除を差し引いたあとの贈与額税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円以上55%400万円

参考:国税庁|贈与税の計算と税率
不動産の評価額は土地は相続税評価額で計算します。建物は固定資産税評価額で計算します。

贈与で新居を取得した場合も、不動産取得税の対象なので両方の納税が必要です。

住み替えの税金に使える5つの特例・控除

住み替えでは前の家の売却だけでなく新居の準備も必要です。新居を購入する場合には購入代金の準備が、生前贈与や相続で入手する場合には、贈与税や相続税の支払いが必要になる場合があります。

前の家の売却がスムーズにいったとしても、もしも購入時よりも大幅に土地の価格が上昇している地域などでは多額の譲渡所得税が課税される可能性があります。譲渡所得が1,000万円だった場合には、長期譲渡所得でも203万1,500円、短期譲渡所得なら396万3,000円もの譲渡所得税が課税されます。

しかし、売却した家が自分の住宅として利用していたマイホームであった場合には、譲渡所得に対して控除や軽減がされる特例が用意されています。また、その他にも節税できる方法があります。

ここからは、住み替えで発生する税金を節税できる6つの方法を解説します。

売却の譲渡所得税を3,000万円まで控除

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を申請すれば、マイホームを売却した場合には、3,000万円までの譲渡所得が控除されます。

東京都などの大都市圏以外の地方では、マンションの売却価格の相場は2,000万円前後、一戸建ても3,000万円に届かないところが多いので、この特例を利用すれば譲渡所得が発生してもほとんどのケースで譲渡所得税は課税されません。

3,000万円の特別控除は売却した翌年の確定申告で申告すると適用されます。ただし、住宅ローン控除とは併用できないので注意しましょう。

所有期間で変わる軽減税率の特例

譲渡所得が3,000万円を超えても、売却したマイホームを10年以上所有していた場合には、マイホームを売ったときの軽減税率の特例を適用できます。

この特例は、譲渡所得が3,000万円を超えるときに、3,000万円の特別控除を適用した残りの金額の6,000万円以下の部分に軽減税率が適用されるというものです。

長期譲渡所得での譲渡所得税率の合計が20.315%のところ、この特例を適用すれば合計税率が14.21%に軽減されます。

この特例を適用するためには、売却した翌年の確定申告で申告します。こちらも住宅ローン控除との併用はできません。

利益が出ない家の売却で損益通算

住み替えのために、前の家の売却と新居の購入をした場合に、5年超所有していた前の家を売却したことで譲渡所得がマイナスになると、マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を適用できます。

この特例では、マイナスになった譲渡所得を給与所得や事業所得と損益通算できます。1年で控除しきれなかった分は3年間繰り越すことができます。

また、売却した金額でローンを完済できないオーバーローンの場合にも、売却後に残るローンの残高を損益通算できます。この場合にも、3年間の繰越が可能です。

納税を先送りするため買い替え特例

マイホームを売却して、新しいマイホームに買い替えた場合には、特定のマイホームを買い替えたときの特例を適用することができます。この特例では、本来支払うべき譲渡所得税を、将来、今回買い替えた新居を売却するときまで繰り延べることができます。

税金が控除されるわけではないので、新居を将来売却するときには、前に売却した家の譲渡所得税も同時に課税されます。しかし、新居を売却しない可能性が高いのであれば、税金の支払いは一切発生しません。

この特例は、10年以上住んでいた家を売却することが条件です。また、売却金額が1億円以下の場合に適用できます。3,000万円の特別控除との併用はできないので、どちらの適用が有利かよくシミュレーションしましょう。

新居の購入に住宅ローン控除

住み替えで新しい家の購入に住宅ローンを借り入れる場合には、住宅ローン控除の適用を受けることができます。住宅ローン控除とは、新居への入居開始から10年間、住宅ローンの残債の1%が所得税から控除されるものです。所得税だけで控除しきれない場合には、住民税からも控除されます。

住宅ローン控除の条件は、控除を受ける年の総収入が3,000万円以下であること、借入期間が10年以上であることと、取得した新居の床面積が50平米以上であることです。3,000万円の特別控除などの特例との併用はできない点に注意しましょう。

購入する家によって不動産所得税の軽減措置

住み替えた新居によっては、不動産取得税の軽減措置を受けることができます。不動産取得税の軽減措置は土地と建物のそれぞれ受けることができます。

土地は住宅用の敷地を購入した場合には次のいずれかの条件のうち高額な方が控除されます。

  • 45,000円
  • 1平米あたりの価格×住宅の床面積の2倍×3%

住宅の床面積は200平米までを限度とします。

建物の場合には、新築物件であれば1,200万円が控除されます。長期優良住宅の場合には更に100万円追加されます。中古住宅であれば、昭和57年1月1日以降に建築されたか、新耐震基準に適合している住宅であれば最大1,200万円から100万円が控除されます。

みんなの不動産売却体験談

北海道滝川市 / 30代

査定価格2,300万円売却価格2,210万円

不動産会社の決め手
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査定価格1,952万円売却価格1,952万円

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不動産会社の決め手
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住み替えの手続きで可能な2つの節税対策

上記の6つの節税方法の他に、住み替えの手続きをすすめる中でできる2つの節税対策があります。自分で工夫することでできる節税対策について見ていきましょう。

印紙税を書類のコピーで半減

前の家を売却して新しい家を購入する住み替えの場合には、通常は売却するときの契約書と購入するときの契約書を2通作成します。そのために、印紙税が2回分必要になってしまいます。3,000万円で家を売買した場合には、軽減税率が適用されても1万円の印紙税が必要です。売買の2回分では2万円になります。

不動産の売買契約書は売主側と買主側のそれぞれが持つものを2通作成するのが一般的です。しかし、原本の所持が必要なのは買主側だけで、売主側は買主側の契約書をコピーしてもらっても構いません。

収入印紙の貼り付けは原本だけでよく、コピーには必要ありません。売却するときの契約書を作成せずにコピーしてもらうことで、印紙税を半分節約できます。

何らかの理由で契約書の提示が必要になった場合には、コピーでも原本と同じ効力があります。ただし、トラブルによって裁判になった場合には、コピーでは証拠能力は認められない可能性がある点だけは理解しておきましょう。

消費税を節税するため自力の登記手続き

登記手続きは司法書士へ依頼することが多いのですが、司法書士へ依頼しなくても自分で書類を作成して、法務局へ提出して手続きをすることもできます。司法書士へ依頼せずに自分で登記手続きした場合には、司法書士への報酬と消費税を節約できます

登記手続きを自分で行う場合には、まずは最寄りの法務局へ電話をして必要な書類を確認します。手続きする上で不明な点があったら相談窓口での相談を予約しましょう。

書類をそろえたら、法務局のウェブサイトから申請書類をダウンロードして必要事項を記入します。

書類と申請書の準備ができたら法務局へ出向いて提出します。万が一不備があったら再提出となりますが、相談窓口や提出窓口での書類のチェックはしてもらえません。

住み替えでお金を残すなら売却でも工夫

節税をする方法はいくつもありますが、登記手続きを自分で行うといった方法は手間がとてもかかります。申請書の記入も複雑で、自分でやったことで何度もやり直しが必要になってしまうこともあります。

手元に残るお金を多くしたいために節税を考えるのなら、売却する前の家をより高額で売却することも検討しましょう。節税方法も併用すれば、高額売却と合わせてお金を残すことができます。売却する家をより高額で売却するための3つの工夫について解説します。

適正価格は一括査定で調査

家を売却するときには、適正な相場を理解した上で売却活動を始めることが大切です。不動産会社に査定してもらうときには、必ず複数の会社に依頼するようにしましょう。複数の不動産会社の査定を比較することで、適正価格を把握できます。

不動産売却一括査定サイトのすまいステップなら、厳正な審査を通過した優良な不動産会社最大4社から査定を一度に取り寄せることができます。仲介を依頼する不動産会社を見つけることもできるので、ぜひすまいステップを利用してみましょう。

値引き交渉を想定して売り出し価格を決定

適正価格を把握しても、その価格で売り出さないように気をつけましょう。購入希望者の大半が値引き交渉を求めてきます。値引き交渉した結果が設定した適正価格に落ち着くように売り出し価格を設定しましょう。

ただし、購入希望者も周辺地域の不動産相場を調べてから物件探しをしています。相手が違和感を感じない範囲で売り出し価格を設定しましょう。

また、普段のお買い物でも1,000円よりも980円の方がたった20円の違いでもお買い得感があります。不動産売却でもこの端数の価格設定は効果的なので、ぜひ活用しましょう。

対策をして値引きは安易に応じない

購入希望者の中には、強引な値引き交渉をしようとする人もいます。しかし、値引きをしすぎると手元に残るお金が少なくなってしまいます。住み替えでは新居の購入にも影響する可能性があります。強引な値引きには応じないように心がけましょう。

売り出し価格を設定するときには、値引きに応じる下限の価格も決めておきます。最初に決めた下限の価格以上の値引きには応じてはいけません。

また、強引な値引き交渉だと感じたら、即答せずに後日回答にしましょう。不動産会社の担当者を通して断ることも必要です。

住み替えにかかる税金を把握し、可能な限り節税をしよう

住み替えではいろいろな税金が必要になることを理解していただけたことでしょう。家を売却したお金で新居を用意すればそれでいいというわけではありません。

譲渡所得が発生したり損益通算したり、節税のために控除の特例などを利用したりする場合には、確定申告が必要になります。確定申告は確定申告期間中でなければ、控除の特例の適用や損益通算できないので注意しましょう。

ぜひ住み替えにかかる税金をすべて把握して、節税できるところは節税するように心がけましょう。

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