「戸建てからマンションへ住み替えたい!」
「戸建てからマンションへ住み替えるのはアリ?」
戸建てを購入したものの、近所付き合いや町内会などの付き合いなどに嫌気が差し、マンションに戻りたいと思っている方も少なくないでしょう。
この記事では、戸建てを売却して新たにマンションを購入するメリットや注意点などを詳しく解説します。
マンションへ住み替えを検討している方は、ぜひ参考にご覧ください。
戸建てを売却してマンションを購入するのはアリなのか
今住んでいる戸建てを売却してマンションを購入することに不安や疑問を抱いている方もいるでしょう。
ここでは、マンションを購入するのはアリかどうかを解説します。マンション価格の相場推移や将来性などを見据えて判断しましょう。
マンション価格は年々上昇傾向
マンションの価格は年々上昇しています。
以下は、国土交通省が公表している「不動産価格指数」を表したグラフです。
引用:国土交通省
マンションの数値は、2012年以降上昇し続けているのがわかります。2023年には195まで上昇しており、10年ほどで約2倍も価値が上昇しています。
このように不動産価格指数を見ると、いかにマンションの価値が上がってきているかわかるでしょう。
次に、実際の成約価格を見てみましょう。
以下はREINSが公表している「首都圏中古マンションの成約価格」を表したグラフです。
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」を参考にすまいステップ編集部が作成
2013年から成約価格が上昇し続けているのがわかります。
2023年の平均成約価格は4,500万円以上で、2013年と比べて約2,000万円も上昇しています。
これらの理由からマンションの価値や価格は実際に高騰しており、数年前と比べて買いにくい状況といえるでしょう。
マンションの売値と買値の差額
マンションの価値が上昇しているとお伝えしましたが、実際に購入した場合どれくらい損をするのか見てみましょう。
以下は、国土交通省が公表している「マンションの売却損益」を表したグラフです。
年度 | 取得価格(買値) | 売却価格(売値) | 売却損益(差額) |
2017年 | 3,451万円 | 2,579万円 | -872万円 |
2018年 | 3,574万円 | 3,117万円 | -457万円 |
2019年 | 3,953万円 | 3,108万円 | -845万円 |
2020年 | 4,000万円 | 2,841万円 | -1159万円 |
2021年 | 4,405万円 | 3,804万円 | -601万円 |
すべての年で損失が上回っており、その額は平均で約790万円です。
建物は築年数が経過するほど価値が低下していくため、購入価格よりも売却価格の方が安くなるのは仕方ないともいえます。
それでも、マンションの価格はエリアや利便性によって大きく異なるため、「買った価格より安く売れる」とは言い切れません。人気エリアや駅から近いマンションなどであれば、築年数の経過したマンションでも高額売却は十分に可能です。
上記の情報は参考程度に捉えましょう。
マイナス金利政策の解除により今後は価格下降の可能性
ここまで、マンションの価格が高騰しており、購入すると損する可能性が高いとお伝えしました。
それでも、今後はマンションの高騰状況が緩まる可能性があります。理由は、日銀が発表した「マイナス金利政策の解除と金利上昇」が関わっています。
ついに日銀が決断した。3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決めたのだ。
実に17年ぶりの利上げとなる。政策転換に踏み切った理由として日銀が挙げたのが、賃金と物価の好循環だ。ただ、この好循環は「実現」したわけではなく、「実現が見通せる状況に至った」段階だという。
引用:NHK
日銀は2024年3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除と金利上昇を決定しました。
これまでは超低金利時代と言われ、金利1%未満で住宅ローンを利用できる状況でした。そのため、自己資金の少ない人でも住宅ローンを簡単に組めるようになり、簡単に不動産を購入できました。
しかし、マイナス金利政策の解除と金利上昇が決定したため、今後は今までのような低金利で住宅ローンを組めなくなると予想されます。
これにより、需要と供給のバランスが改善され、マンション価格の高騰も緩くなっていくと想定できます。
ここまでをまとめると以下のような見解となります。
このような理由から、マンション購入を検討している方は、今購入するよりも数年待ってからの方が安い価格で購入できるかもしれません。
戸建てを売却してマンションを購入する魅力とは
戸建てからマンションへ住み替えを検討する方は、戸建てに対して何らかの不便を感じている方も多いのではないでしょうか。
この章では、マンションに住み替えることで戸建てとはどのような点が異なるのか、その魅力やメリットについて解説します。
- 利便性の高いエリアで生活しやすくなる
- 維持や管理を管理会社に任せられる
- バリアフリーで生活しやすい
- セキュリティ対策がある
マンションへ住み替えるには、まずは戸建ての売却を成功させましょう。
戸建ての売却は、一括査定を利用して複数の不動産会社に査定依頼して、提示される査定額を比較することが大切です。
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利便性の高いエリアで生活しやすくなる
マンションは生活環境が整ったエリア、つまり、駅や繁華街に近い場所に建てられていることが多いです。
そのため、車での移動が必要な郊外の戸建てよりも、利便性が高いエリアで生活できるというメリットがあります。
繁華街に近ければ商店街やスーパーへのアクセスもより便利になり、車を使わずに普段の買い物を済ませられることもあるでしょう。
また、年を重ねると病院に通う機会も増えます。利便性の高いエリアには病院も複数あることが多いため、自分が通いやすい病院を選べるといった、生活における便利な面が増えることもマンションで生活する1つのメリットと言えます。
維持や管理を管理会社に任せられる
マンションの維持・管理は管理会社が手掛けるため、自分たちで庭の手入れやゴミ当番をする必要がなくなります。
エレベーターや玄関、廊下などの共用部は管理会社が掃除してくれることも多いため、常に綺麗な共用部が使えることはマンションならではの魅力です。
また、戸建ての場合は自分たちでリフォームの手配を行う必要があります。
しかし、マンションの場合は修繕計画に基づき管理会社やオーナー側で工事を行います。修繕のための積立金が月々の出費としてかかるものの、設備や外壁などの修繕をお任せできるのは大きなメリットとなるでしょう。
バリアフリーで生活しやすい
マンションは、床の段差がほとんどないフラットな室内であることが多いため、高齢者や幼児が安全に暮らしやすいという魅力があります。
エレベーターやスロープが完備されたマンションをであれば、日常生活で階段の上り下りをする必要はほとんどありません。
また、段差がないことで将来的にバリアフリー化を行う際も、対応がより簡単です。平屋に近い感覚で暮らせるのも、マンションならではの魅力と言えるでしょう。
セキュリティ対策がある
マンションではオートロックや防犯カメラの設置、管理人の常駐など、戸建てよりもセキュリティ対策が充実しているという特徴があります。
また、マンションの場合、戸建てと比較しても高層にある階で生活できる点がメリットです。
以下のグラフは、警視庁の住まいる防犯110番が公表する「侵入窃盗の発生場所別の認知件数」です。
(参考:警視庁住まいる防犯110番「侵入窃盗データ」)
データによれば、令和4年は戸建て住宅が33.0%と最も多くなっており、その他、一般事務所と続きます。
一方、共同住宅の場合は3階建て以下は8.1%、4階建て以上は4.3%です。侵入窃盗が絶対に起こらないわけではありませんが、マンションは戸建てに比べると侵入経路が少ないとされます。
実際に戸建てを売却してマンションを購入した人の割合
実際に戸建てからマンションへ住み替えた人の割合をご紹介します。
すまいステップのアンケートによると実際に戸建てから住み替えた人の36%以上がマンションへ住み替えたと回答しています。
割合を見ると戸建てからマンションへの住み替えは少なく、戸建てから戸建てへの住み替えの方が多いようです。
実際に住み替えた人の感想も見てみましょう。
東京都:20代女性
建物ごと売却をすることにより、建物を自分たちで更地にするなどの手間も省けた。手間暇を考えれば上物ごと売却したほうが面倒ごとはないと思った。
値段が少し低いとは感じたが、古い家だし、土地も狭いし、区画整理などで少し不利な位置にあるためそれが妥当だと感じた。上物を取り壊すにしてもお金がかかるので上物ごと引き取ってもらえるのは助かった。
このように、実際に戸建てからマンションへ住み替える人は一定数いるため、住み替えを検討している方は検討してもよいのではないでしょうか。
住宅ローンが残っていても戸建てからマンションへ住み替える方法
「ローンが残っているけど売れるの?」と不安に思っている方に向けて、ローンが残っていても売る方法を解説します。
ローンが残っている状態で売った人の実際の割合もご紹介するので参考にしてみてください。
戸建ての売却資金をローン返済に充てる
最も一般的な方法は、戸建ての売却資金をローン返済に充てる方法です。
売却価格がある程度あればそのままローン返済に充てられるため、追加で費用を賄う必要もありません。
最も一般的でスムーズに住み替えできる方法といえます。
住み替えローンを利用する
住み替えローンを利用することで、現在のローン残債分と住み替え先購入資金の両方を金融機関から借りられます。
そのため、売却資金でローン返済できない場合でも住み替えが可能です。
これまでのローン返済よりも厳しくなる可能性が高いため、毎月の収入と支出のバランスを見てから判断するのがよいでしょう。
ローンが残っている状態で売却できた人は50%以上もいる
ローンが残っている状態で売った人の割合をご紹介します。
以下は、実際に住み替えた人に対して「売却時にローンは残っていたかどうか」のアンケート結果です。
引用:すまいステップアンケート
売却時にローンが残っていた割合は51%で、そのうち84.3%が売却資金で完済できたと回答しています。
ただし、約15%の人は売却資金のみで完済できない「オーバーローン状態」だったようです。
このように、不動産を売却する人の半数がローン残債のある状態で売却しているため、現在ローンが残っている方でも十分に売却できるといえるでしょう。
戸建てを売却してマンションを購入する時の注意点
戸建てでの生活に慣れている人にとっては、マンションならではの注意点につまずいてしまうことがあります。
住み替え前に知っておきたい注意点は以下の3つです。
どのように備えておけばよいのか、注意点ごとに解説します。
マンションは管理費や修繕積立金などが必要
マンション所有者になると、管理費や修繕積立金が必要となります。
- 管理費:管理組合と管理会社がマンションの維持管理をするため
- 修繕積立金:将来的に行われる大規模修繕の費用に充てるため
国土交通省が行った平成30年度マンション総合調査結果によると、月当たりの修繕積立金の平均は11,243円です。
年度 | 修繕積立金 |
---|---|
平成11年 | 7,378円 |
平成15年 | 9,066円 |
平成20年 | 10,898円 |
平成25年 | 10,783円 |
平成30年 | 11,243円 |
引用:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」
しかし、マンションによっては建物の老朽化などを理由にさらに高額となる場合もあります。
管理費と修繕積立金がいくらかかりそうか事前に調べておき、毎月の出費に含めても無理なく支払えるか計算しておきましょう。
マンションのリフォーム・リノベーションには制限がある
中古マンションであっても自由にリフォームやリノベーションを行えるとは限りません。理由として、次の3つが挙げられます。
- マンションの構造上撤去できない壁や配管があるから
- 管理規約上リフォーム・リノベーションを認めていないことがあるから
- 専有部分以外のリフォーム・リノベーションが認められないことがあるから
築年数の経過しているマンションでは排水管の位置が住戸の床下にあり、簡単にずらせず、水回りやキッチンのリフォームが難しい場合があります。
マンションを建てる際の工法によっては、壁をずらすことで耐久性に影響が及んでしまうため、間取りの変更ができないことも珍しくありません。
また、マンションは多くの人が生活するため、管理規約が設けられています。
たとえば階下の住人へ騒音が響く可能性を考慮し、吸音性の高い床材のみが規約で認められている場合は、床をフローリングに取り換えるといった一般的なリフォームも難しいことがあります。
また、一般的にリフォーム・リノベーションが行えるのは専有部分に限られるため、共有部分となるドアやベランダ、窓などは変更できません。
中古マンションだからリフォーム・リノベーションを行える、とは考えずに、マンションごとに自分たちが想定するリフォーム・リノベーションを行えるのかどうか調べておくとよいでしょう。
区分所有者となるので規約に縛られる
マンションを購入すると区分所有者となるため、区分所有法の規制に従う必要があります。
- エレベーター
- ゴミ出し場
- 駐車場・駐輪場
戸建てを売却してマンションを購入する時のポイント
戸建てを売却してマンションを購入する時、どんなマンションを購入すればよいか迷う方もいると思います。
マンションの購入に迷ったら、以下4つのポイントを押さえるとよいでしょう。
駅や病院・利便施設が近いか
先にも述べているように、マンションは立地が良い場所に建てられていることが多く、利便性が高いことが特徴です。
しかし、全てのマンションの利便性が高いわけではないので、購入するマンションは駅や病院が近いか、スーパーやコンビニ・商業施設が近くにあるかどうかを確認して選びましょう。
戸建てからマンションへの住み替えは、老後に向けて検討する方も多いです。
将来車を手放すことを考えると、周辺環境が整った場所を選ぶべきだと言えます。
部屋の数や間取りは適切か
マンションを購入する時は、必要最低限の部屋数と間取りを選択しましょう。
管理費や修繕費は安いか
マンションを購入すると、管理費や修繕費を支払っていくことになります。
購入するマンションの管理費や修繕費はいくらなのか確認しましょう。
以下のようなマンションは、管理費や修繕費が比較的安いとされています。
- 戸数が多い
- 築年数が浅い
- タワーマンション(高層マンション)ではない
戸数が多ければ所有者1人あたりの負担が軽減されるため、安くなりやすいです。
築年数の浅いマンションは、まだ劣化や損傷が大きくない可能性が高いため、修繕費がかかりにくい特徴があります。
タワーマンションに関しては、共用部分や設備が豪華なケースが多いので管理費が高額になる傾向にあります。
このように、マンションのタイプによって管理費や修繕費は大きく異なるため、事前にどれくらいかかるのか調べておくのがよいでしょう。
将来売却しやすいか
マンションの購入は、将来売却しやすいマンションかどうかも視野に入れておくようにしましょう。
マンションは、戸建てと違って簡単に建て替えたり更地にして土地活用できません。
いずれ相続する子どもの立場からすると、売却も選択できるマンションであれば相続することも検討できます。
そのため、マンションを購入する時は、「将来的に売却できるかどうか」も考えておく必要があります。
なお、売却しやすいマンションは以下のとおりです。
- 駅から徒歩5分圏内
- 周辺に利便施設が多い
- 開発が予定されているエリア
- 管理費や修繕費が安い
築年数の経過した古いマンションでも、これらの条件を満たしていれば十分に売却可能です。
子どもに相続するときのことを考えて購入しましょう。
戸建てを売却してマンションを購入した人の体験談
戸建てを売却してマンションを購入した人は、どのくらいの期間をかけて住み替えているのでしょうか?
ここでは、実際に戸建てからマンションへ住み替えた人の体験談をご紹介します。
年齢によってはローンが組めない
77歳の義父が戸建てからマンションに住み替えをしたいらしいんだけど、年齢が年齢なので自分でローンを組めないらしく旦那にローンを組んで欲しいとのこと。ローン分のお金は義父が我が家に支払うから赤字にはならないとか言われたんだけど、おかしいよな?払いきれないからローンなんだよね?
— もげもげみ☺︎3y 🚅+0y🚙 (@mogemogepe_) October 10, 2023
住み替えに伴う整理が大変
住み替えで戸建てからマンションにかわることになったんだけど、引越しに向けて何が大変って私のオタク部屋と部屋に入りきらず溢れているグッズ等々の整理😱捨てるものなんてないから‼️でもこの機会にやっぱり断捨離?悩ましすぎて寝込みそう〜。12年分の思い出の品はすてられまへん…😢
— くまきち (@kumakichi212) November 24, 2023
この方は、マンションへの住み替えに伴う、グッズ等の整理が大変だと投稿しています。
間取りによりますが、マンションは戸建てよりも収納性で劣る可能性が高く、物が多い場合は引っ越し時に大変な思いをすることになります。
マンションへの住み替えを検討している方は、事前に断捨離をしておくのがよいでしょう。
子どもが独立した後はマンションの方が住みやすい
お隣の市内の戸建てにお住まいのご夫婦らしく。
子供もひとり立ちを機にさいたま市のマンションに住み替え希望だとか。
子育て最中は良いけど50過ぎてからはマンションの方が住みやすいよね…2階をほぼ使わなくなる💧— 教授 (@modoridama2) March 27, 2023
子どもがいる間は戸建ての方が便利ですが、子どもが独立すると夫婦二人で生活するため、広すぎる状態となります。
2階や3階建ての場合、徐々に使用しなくなることも考えられます。また、老後は階段の昇り降りが億劫となり、さらに必要なくなるでしょう。
このように、子どもの独立のタイミングでマンションへ住み替える人も一定数います。
戸建ての売却とマンションの購入は計画的に進めよう
戸建てを売却しマンションへ住み替えをスムーズに完了させるには、計画的に進めていくことが重要です。
売却まで半年以上の時間がかかるだけでなく、マンションならではのランニングコストの発生や、戸建て売却時に依頼する不動産会社を調べておくなど、さまざまな用意が必要となります。
住み替えを具体的に考えるために、いくらくらいで戸建てを売却できそうか、信頼できる不動産会社探しから始めるのもおすすめです。戸建てからマンションへの住み替えを後悔することがないよう、注意点をおさえ、計画的な住み替えを目指しましょう。