相続した土地を売却する場合、「登録免許税」「印紙税」「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が発生します。
この記事では、それぞれの費用の計算方法や簡単に税金が算出できるシミュレーションをご紹介します。
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相続した土地の売却にかかる税金の計算式
本章では相続した土地を売却にかかる税金の種類と計算式を解説します。
相続した土地を売却する場合、「登録免許税」「印紙税」「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が発生します。
▼相続した土地の売却にかかる税金の種類
種類 | 概要 | 計算式 |
---|---|---|
登録免許税 | 相続による土地の名義人の変更をする際に支払う税金 | 土地の固定資産税評価額 × 0.4% |
印紙税 | 土地の売買契約で発生する税金 | 1万~5万(売却代金に応じて異なる) |
所得税 | 売却益に対してかかる税金 |
|
住民税 |
| |
復興特別所得税 | 平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生ずる所得にかかる税金 | 所得税の2.1%相当額 |
登録免許税の計算式
登録免許税とは、相続登記の手続き時に支払いが必要になる税金です。
原則として、土地は名義人本人でなければ売却できません。相続登記がまだの場合は売り出し前に必ず相続登記を完了させるようにしましょう。
登録免許税の計算式は以下の通りです。
登録免許税 = 固定資産税評価額×0.4%
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の土地の相続登記にかかる登録免許税は「1,000万×0.4%」で4万円になります。
印紙税の計算式
印紙税とは、売買契約手続きにかかる税金のことです。具体的には、売買契約書や領収書を作成する際に課せられます。
印紙税は計算式で算出せず、契約金額(土地の売却価格)に応じて税額が決まります。
契約金額(土地の売却価格) | 本来の税率の税額 | 軽減税率の税額 |
---|---|---|
100万円を超え 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
※平成26年4月1日~令和6年3月31日の売買契約では、軽減税率が適用されます(右端の欄をご参照)
参考|国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」より、一部抜粋して作成
所得税・住民税・復興特別所得税の計算式
土地の売却で出た利益は譲渡所得と呼ばれます。
譲渡所得には「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が課せられ、これらはまとめて「譲渡所得税」と呼ばれます。
譲渡所得税の計算式は以下の通りです。なお、譲渡所得税の計算式は理解するためには「譲渡所得」と「税率」の決まり方をそれぞれおさえておくことが大切です。
譲渡所得税 =①譲渡所得×②税率
譲渡所得=売却代金 – (譲渡費用 + 取得費)
②税率の決まり方
税率 | 所有期間5年以下 (短期譲渡所得) | 所有期間5年超 (長期譲渡所得) |
---|---|---|
所得税率 | 30.63% | 15.315% |
住民税率 | 9% | 5% |
合計税率 | 39.63% | 20.315% |
【譲渡所得税の計算例①】
例えば、親が10年所有した取得費1,000万円の土地を子供が相続から1年後に3,000万円で売却したとします。譲渡費用が150万円なら譲渡所得税の計算式は以下の通りになります。
- 売却価格:3,000万円
- 取得費:1,000万円
- 譲渡費用:150万円
- 所有期間:11年(親10年+子供1年)
譲渡所得税:1,850万円×20.315%(長期譲渡所得の合計税率)=375.8275万円
【譲渡所得税の計算例②】
次に、取得費が不明の土地を売却する際の計算例を解説します。
例えば、10年所有した取得費不明の土地を売却する場合の譲渡所得税の計算式は次のようになります。
- 売却価格:2,000万円
- 取得費:不明
- 譲渡費用:300万円
- 所有期間:10年
まず、取得費が不明なので概算取得費で計算します。
また、所有期間が5年超えなので「長期譲渡所得」の合計税率20.315%を用います。
譲渡所得:2,000万円ー100万円ー300万円=1,600万円
譲渡所得税:1,600万円×20.315%=325.04万円
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費用総額シミュレーターで売却にかかる費用を算出してみよう
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
「相続空き家の3,000万円控除」を利用する際の税金シミュレーション
相続した土地を売却する場合に使える代表的な特別控除のひとつに「相続空き家の3,000万円控除」があります。
「相続空き家の3,000万円控除」では、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
ただし、被相続人が一人で住んでいた建物及び敷地を相続開始から3年以内に売ること、また、相続から売却までの間に事業または居住のために利用していないことが適用要件です。
相続空き家の3,000万円控除を利用する場合の税金の計算式
「3,000万円特別控除」を利用した場合の譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
▼3,000万円特別控除を適用したときの譲渡所得の計算式
=売却価格-取得費-譲渡費用-3,000万円(控除額)
例えば、譲渡所得が2,500万円の場合に本特例を利用する場合、3,000万円を控除すると課税譲渡所得はマイナス500万円となるため、税金は発生しません。
相続空き家の3,000万円控除の適用要件
最大3,000万円と控除額が大きな特例ですが、利用するのは適用要件を満たしている必要があります。
満たすべき適用要件として、具体的には以下の内容があります。
▼特例を受けるための条件(一部)
- 被相続人が生前一人で住んでいた家屋や土地であること
- 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
- 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
- 相続の開始があった日から3年を経過する日に属する年の12月31日までに売却すること
- 相続から売却までのあいだに(建物を取り壊している場合は相続から取り壊しまでのあいだに)事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと
参考|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
注意したいのは、昭和56年5月31日以前に建築された建物に限定されることと、相続から売却まで、居住用や事業用に利用されていない土地であるということです。
新しい建物が建っていた土地や、一度でも住んだりしてしまうと、特例はうけられないため気をつけましょう。
相続空き家の3,000万円控除を適用する場合の節税効果
- 売却価格4,000万円
- 取得費150万円
- 譲渡費用100万円
- 譲渡所得3,750万円
- 控除額3,000万円
内訳 | 控除を利用しない場合 | 控除を利用する場合 |
---|---|---|
譲渡所得 | 3,750万円 | 3,750万円 |
控除額 | 0円 | 3,000万円 |
課税譲渡所得 | 3,750万円 | 750万円 |
税額(長期譲渡所得の場合) | 761万円 | 2.3万円 |
「取得費加算の特例」を利用する際の税金シミュレーション
相続した土地を売却する場合、「相続空き家の3,000万円控除」以外に「取得費加算の特例」を利用できる可能性があります。
「取得費加算の特例」とは、譲渡所得を計算する際の取得費に、土地にかかった相続税を加算することができる特例です。
取得費加算の特例を利用する場合の税金の計算式
「取得費加算の特例」を利用した場合の譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
▼取得費加算の特例を適用したときの譲渡所得の計算式
=売却価格-取得費-譲渡費用-取得費に加算する相続税額
また、取得費に加算する相続税額は、以下の計算式で求めます。
=売却した土地の相続税課税価格 / 相続税全体の課税価格 × 納めた相続税額
取得費加算の特例の適用要件
「取得費加算の特例」の適用要件は、具体的に以下の内容があります。
▼特例を受けるための条件(一部)
- 相続や遺贈によって財産を取得した者であること
- その財産を取得した者に相続税が課税されていること
- 相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)から3年を経過する日までに売却すること
ポイントは、相続税の納税者でなければ利用ができないということです。また、利用するには「相続税の申告期限から3年を経過する日まで(=相続開始から3年10か月以内)に売却」する必要があります。
相続税の申告期限は相続開始(被相続人が死去した日)から10か月以内です。つまり、特例を利用するためには「相続開始から3年10か月以内」に土地を売却することになります。
取得費加算の特例を適用する場合の節税効果
- 売却価格4,000万円
- 取得費150万円
- 譲渡費用100万円
- 譲渡所得3,750万円
- 取得費に加算する相続税額(控除額)300万円
内訳 | 控除を利用しない場合 | 控除を利用する場合 |
---|---|---|
譲渡所得 | 3,750万円 | 3,750万円 |
控除額 | 0円 | 300万円 |
課税譲渡所得 | 3,750万円 | 3,450万円 |
税額(長期譲渡所得の場合) | 761万円 | 10.8.万円 |
相続した土地を売却して譲渡所得が出たら確定申告
譲渡所得の計算方法がわかったら、売却後に確定申告が必要かどうかも予想できるようになります。
確定申告とは、1月1日~12月31日までの所得をもとに税金を申告・納税するための手続きです。
確定申告は毎年2月16日~3月15日までの1か月間に実施するのが原則です。申告が必須な場合は、必ず実施するようにしましょう。
譲渡所得が出たら確定申告が必須
土地売却で出た譲渡所得は、確定申告で申告する所得の対象となります。
譲渡所得がプラスであれば確定申告は必須、ゼロ以下であれば確定申告は不要です。
譲渡所得税は給与所得とは別に課税される(分離課税)ため、譲渡所得がプラスの場合、サラリーマンでも確定申告が必須の点に注意しましょう。
特別控除を利用する場合も確定申告は必須
特別控除を利用する場合も、確定申告は必須です。
特例を利用して譲渡所得がゼロ以下になる場合でも、特例を利用する旨を確定申告時に申告しなければ、適用されないので注意してください。
相続した土地の売却にかかる税金を計算しよう
本記事では相続した土地の売却にかかる税金の計算方法を解説しました。
税金の計算方法をおさえておくことで、税金はいくらになるのか、いくら節税できそうか算出できるようになります。
相続した土地の場合、特別控除を利用することで大きく節税ができるため、特例制度を積極的に利用するようにしましょう。
売却活動だけでなく、売却後に税金がいくらかかるのかや、税金の支払い方法についての相談も承ります。
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