「失敗は成功の母」という言葉はありますが、家は一生のうちに何度も売却するものではありませんし、価格が大きいので何度も失敗なんてできませんよね。
そのために、あらかじめ「家の売却時にこれをしてはいけない」という知識をつけて、失敗を避けたいところです。
この記事では、家の売却でやってはいけない4つのポイントや、売却時の手段や手順、高く売るためのポイントなどを解説します。
ポイントを押さえて、後悔のない売却を進めましょう。
家を売るにはどうする?高く売却するためのたった3つの注意点を分かりやすく解説
家の売却でやってはいけない4つのこと
家の売却は、失敗しやすいポイントに気をつけることで「○○しておけばよかった」という後悔を避けられます。
ここではやってはいけない4つのポイントについてみていきます。
不動産査定を1社だけに依頼する
不動産会社もさまざまです。全国に展開しているような大手不動産会社もあれば、地元に根付いている小さな不動産会社もあります。
「大手だからよい」というわけではありません。それぞれに強みや特徴があるため、売却したい物件に適した不動産会社を選択しましょう。
査定額は相場こそあるものの、不動産会社によって変動します。
そのため1社のみに査定を依頼した場合、不動産会社が見積もった金額が妥当かどうか、売主は判断することができません。
売却予定物件の価値を把握するためにも、1社ではなく複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。複数の不動産会社の査定額を比較することで、売主も相場を把握できるからです。
注意しなければならないのは、「査定額が高い不動産会社=良い不動産会社」では「ない」ことです。
販売価格が高すぎても売却が難航してしまうため、査定時のやりとりを通して、不動産会社を見極めましょう。
詳しい不動産会社の選び方は『家売却はどこがいいのか』をご覧ください。
▼一括査定はすまいステップがおすすめ
不動産の一括査定サイトとは、入力した情報を元に、複数の不動産会社に一度にまとめて家の査定依頼ができるサイトです。
不動産一括査定サイトの「すまいステップ」は、東証スタンダード市場上場企業の株式会社Speeeが運営しています。
その他に、以下のような「安心して依頼できる特徴」があります。
- 長年「イエウール」を運営した経験あり
- 独自の基準で参加企業を審査
- 優秀な担当者がいる不動産会社のみを紹介
- 宅地建物取引士の資格保有者
- 不動産売買仲介営業歴5年以上
- 累計100件以上の売買仲介実績あり
- 申込み企業以外からの勧誘電話はかかってこない
査定結果を受けて、不動産会社への依頼を決めた後も「エース級の担当者」が売却をサポートしてくれます。



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内覧のときに掃除をしない
物件の購入希望者に、家の現状を見てもらうことを内覧といいます。購入希望者は実際に物件を見ることで実際に住むイメージや住み心地などを想像し、購入するかどうか決めます。
そのため、内覧の準備や当日の対応は非常に大切です。
すでに引っ越した後の家具や家電などのない状態の家ならば、掃除もしやすくきれいな状態の部屋を見せられます。注意が必要なのは、まだ住んでいる家を売却する場合です。
生活していれば、どうしても内覧者に生活感が伝わります。内覧に訪れた家が、薄汚れほこりだらけだったり、水回りにカビが生えていたりしたら購入希望者は購入をためらってしまうでしょう。
逆に掃除が行き届き整理整頓されたモデルルームのような部屋ならば、「こんな家に住んでみたい」と思われるかもしれません。
少しでも早めに売却したいのならば、徹底的に掃除をして、購入希望者が心地よいと感じるような丁寧な対応を行いましょう。
内覧のポイントはいくつかあります。できれば日中の明るい時間帯に内覧を行う、掃除はよく見るところだけでも徹底的に行っておく、水回りは清潔にしておく、臭い対策をする、スリッパを用意しておくなどです。
当日は買主の視点で、物件の長所を説明してください。また短所となりそうなことを質問された場合も、隠さずに明確に話します。押し売りにならない、適度な距離感も重要です。
相場とかけ離れた売り出し価格にする
「○○円で購入したのだから、同じくらいかもっと高く売りたい」というのは、売主の心境です。しかし購入時と同額、もしくはそれ以上で売却できることはほとんどありません。
販売価格を決定する際に重要なのは、売りたい金額ではなく「相場価格を基準にする」ことです。高すぎる販売価格を提示していても、購入希望者の目にとまりません。どうしても高めに価格を設定したいのならば、相場よりもちょっと上くらいを販売価格としてスタートするのがよいでしょう。
一括査定サービスを活用したときなど、査定額の高い不動産会社に依頼しがちです。しかし重要なのは、「売れる」ことです。
ほかの不動産会社が提示する査定額よりもかけ離れた額を提示してくる不動産会社の場合、売れ残ってしまう可能性があります。やりとりの中で信頼できる不動産会社かどうか見極め、相場か相場の少し上くらいの価格で売却を成功させることを目標としましょう。
売却前に家をリフォームする
よくありがちな失敗の一つに「家を事前にリフォームしてしまうこと」が挙げられます。
「きれいにしておけば売れやすいだろう」という安易なリフォームをしても、リフォーム費用を回収するのは難しいかもしれません。リフォーム費用を販売価格に上乗せした場合、相場よりも販売価格が高くなり購入希望者の目にとまらない可能性が出てくるからです。
壁紙やフローリングのデザインは、人によって好みが異なります。購入後に自分好みにリフォームしたいと考えている人が多いことは、念頭に置いておきましょう。
しかしリフォームが悪いとは一概にいえません。類似物件が多数出ている場合には、リフォームすることで差別化を図れます。また「購入後にリフォームするのが面倒くさい」「リフォーム費用で予算オーバーしたくない」と考えている人もいます。
一番よいのは、リフォームを進める前に不動産会社の信頼の置ける担当者に相談することです。経験豊富な担当者ならば、その物件にとってベストなアドバイスをしてくれるでしょう。
他にも、家売却経験者の体験談をまとめた記事や、家売却のよくある失敗事例をまとめた記事も参考になります。
家を売却する2つの方法
家を売却する方法には、「仲介」と「買取」があります。ここではその2つについて解説します。
不動産会社に仲介を依頼する
一般的な方法に「仲介」があります。これは不動産会社に物件の情報を渡し、購入希望者を探してもらう方法です。
売主が販売価格を決められるので、相場に近い価格で販売できるのがメリットです。また買主と交渉もできるので、引き渡し日や、売却に関する細かい調整事項も融通が利きます。
仲介のデメリットは、売却までの時間が長く、買取と比較して時間がかかることです。また不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
「古い家を売却して、新しい家の購入費用に充てたい」「少しでも早く処分したい」という人は買取を検討するとよいかもしれません。「時間がかかっても、高く売りたい」のならば、仲介を選びましょう。
不動産会社に買取を依頼する
仲介ではないもう一つの方法に、「買取」があります。仲介の売却相手は個人ですが、買取の売却相手は不動産会社です。買主を探す必要がないためスピーディーに売却を進めることができ、仲介手数料も必要ありません。しかし売却額は、相場の7割から8割程度の価格になってしまいます。
「多少安くても、早く売りたい」のならば、買取を選択しましょう。
また買取の場合、すべての物件を不動産会社が引き受けてくれるわけではありません。買取可能なのは、リフォームやハウスクリーニングをしたら購入客を見つけられそうだと不動産会社が判断した物件だけです。そのため家の立地や状態によっては、買取できないケースもあります。
「買取」の場合、1週間程度で売却を終わらせ現金化することが可能です。少しでも早く物件を現金化したい場合には、買取が可能かどうか不動産会社に尋ねてみましょう。
家を売却するときの手順
家の売却を決めたら、あとは手順に従ってやるべきことを進めていくだけです。ここでは売却時にやるべきことを、順を追って解説します。
不動産会社に査定を依頼する
まずは不動産会社を選択するところから、家の売却はスタートします。売却が成功するかどうかは不動産会社選びにかかっています。家の近くだからという安易な理由で、最初から1社に絞り込んではいけません。自分自身が売却予定物件の価値や市場の動向を知るためにも、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定方法には「簡易査定」とよばれる現地調査なしで迅速に算出する方法と、現地調査を行って正確な査定額を出す「訪問査定」があります。現地で家の状態をみないとわからないことも多いため、正確な査定額を知るには訪問査定をする必要があります。しかし日程を調整しながら複数の不動産会社の対応をするのは、時間も手間もかかるでしょう。
そのため一括査定サービスを通じて複数の不動産会社とやりとりを行い、信頼できる不動産会社をいくつか絞り込むとよいです。気に入った2つから3つくらいの不動産会社に訪問査定をしてもらい、最終的に媒介契約を結ぶ不動産会社を選択します。
また高い査定額をつけるからといって、良い不動産会社ではありません。相場を把握し売却を成功させてくれそうな、経験豊富な不動産会社や担当を選ぶことが成功の秘訣です。
媒介契約を結んだ後に売却活動がスタート
不動産会社を決めたら、その不動産会社と「媒介契約」を結びます。媒介契約とは、不動産会社がどのような条件で物件販売のための営業活動を行うのか、また成約した際に報酬金額をどのようにするかを定めた契約です。
不動産売買は個人が売主を探しづらいため、ほとんどの場合不動産会社に仲介を依頼して買主を探してもらいます。売主にとって不利にならないために宅地建物取引業法による売買契約の締結が義務づけられているので、自分自身を守るためにも契約の中身をしっかり確認しておきましょう。
特に、以下の点を確認しておきましょう。
- 希望する売却の条件を含んでいるか
- 成約の際の仲介手数料はいくらか
- 複数の不動産会社と媒介契約を結べるか
- 自分で見つけた買主と仲介なしで売買できるか
- 契約期間は何ヶ月か
- 指定流通機構(レインズ)へ登録するのか
- 販売状況報告の頻度はどのくらいか
希望の条件があるのならば、あらかじめ不動産会社の担当者に相談しておきましょう。
媒介契約を結んだら、売却活動がスタートします。販売広告を見て内覧も始まるので、いつ購入希望者が訪れてもよいように家の状態を整えておいてください。
購入希望者と売買契約を締結する
広告内容を見て興味を持った購入希望者が、物件の内覧にやってきます。
インターネット媒体への掲載やレインズへの登録などの販売活動は不動産会社が行ってくれますが、実際に内覧にきた購入希望者の対応は売主が行います。
少しでも売却時期を早めたいのならば、行き届いた掃除や丁寧な来客対応を心がけましょう。
家の購入希望者があらわれ条件面で合意したら、売買契約を結びます。売主と買主が不動産会社に集まって、売買契約の内容を読み合わせることが多いです。
売買契約には、物件の引き渡し時期や代金などの重要な情報が記載されています。一度契約を締結するとやり直しはきかないので、トラブルを避けるためにも不明点がないようにしておきましょう。
売買契約時には、金銭のやりとりもあります。買主が売主に手付金を支払い、売主は仲介手数料の半分を不動産会社に支払います。また物件にローンが残っている場合には、引き渡し前に抵当権抹消登記を行っておいてください。
引き渡し当日には、金融機関などに売主や買主、不動産会社、司法書士などが集まり、売買代金の精算と不動産の引き渡し、登記申請をその日のうちに行います。すべてが終われば、売却完了です。
家を高く売るためのポイント
同じ物件でも、売却方法が変われば価格も大きく変わってきます。ここでは少しでも物件を高く売るポイントを解説します。
自分でも相場を調べる
家の売却が初めてだと、不動産会社の知識豊富な担当者が言ったことを鵜呑みにしがちです。最初から不動産会社を一社に限定してしまった場合など、査定額の比較もできないので担当者の意見に反論もできません。
「販売価格は○円にしましょう」と言われればその金額で売りに出してしまうでしょう。販売価格が相場よりも大幅に安かったと売却後に気づいても、あとの祭りです。
売却の検討を始めたら、人任せにしないことが重要です。自分でも家の売却についての知識をつけてください。特に家がどれくらいの価格で売れるのか相場観を身につけておくことは、適正な売り出し価格を設定するためにも重要です。
簡単に相場観を身につけたいならば、複数の不動産会社に査定を依頼するとよいです。もし複数の不動産会社に足を運びたくないならば、在宅で複数の不動産会社に査定依頼ができる不動産一括査定サービスを活用しましょう。
実力のある不動産会社を選ぶ
不動産会社にも「マンションの売却に強い」「土地の売却に強い」といった向き不向きがあります。まずは家の売却において実力のある不動産会社を選びましょう。豊富な経験がある担当者がついてくれれば、高く売れる可能性が高まります。
実力のある不動産会社や担当者かどうか見極めるためには、提案内容を比較するのがよいです。少なくとも3社以上に査定依頼を出し、査定価格だけではなく提案してくるサービスも確認します。
買取保証、一時的に荷物を預かるサービス、プロのカメラマンによる物件の写真撮影など、不動産会社によって提案してくる内容は異なります。自分のニーズに合った提案かどうか見極めてください。
また囲い込みをしないかどうかも重要です。囲い込みとは売主と買主の両方から仲介手数料を取る方法です。囲い込みを受けると、ほかの不動産会社経由の購入希望者が成約までたどり着けないため、売主が知らないまま物件が長期間売れない状態となってしまいます。
不動産会社選びは慎重に、そして心から信頼できる不動産会社を見極めましょう。
売り出し価格を高めに設定する
売主は、売り出し価格を設定することができます。急ぎで売却をする必要がないのならば、売り出し価格を相場よりも少し高めに設定するのがおすすめです。
気に入った物件が見つかった際に、値下げ交渉から入る買主も多くいます。あらかじめ希望売却額よりも販売価格を少し高めにしておけば、値引きをしても希望価格に近い価格で売却できます。
また高めに設定するのはよいですが、高すぎないように注意が必要です。相場とかけ離れた価格を設定してしまうと、購入希望者の目に留まらず売却できません。悩んだ場合には、信頼の置ける担当者にどれくらい販売価格に上乗せしておけばよいのか尋ねるとよいでしょう。
売却のコツについて詳しくは『家売却を成功させるコツ』をご覧ください。
家の売却に関するQ&A
家の売却に関して、よくある質問を2つ取り上げます。売却までにかかる期間と、費用についてみていきましょう。
売却にかかる期間は?
売却活動を開始してから、売れるまで戸建ては早くて3カ月、遅いと1年以上かかります。売却の期間を3つのステップに分け、それぞれにかかる期間をみていきます。
売り出し前にやらなければならないことは、相場を調べ査定を受け、媒介契約を結ぶことです。次のステップは販売です。内覧対応や条件交渉を行い、売買契約を結びます。これには1カ月から3カ月か、売れなければそれ以上の期間がかかります。
売買契約を結んだ後も決算や引き渡しの手続きがあります。手付金や残金の精算もあり、引き渡しには金融機関に売主、買主、司法書士などが集合して行わなければなりません。日程を合わせたり、準備が必要なため売買契約を結んだ後、1カ月程度間を空けてから行います。
戸建ての売却活動から、引き渡しまでトータルして早くて3カ月、遅くて1年以上かかることを見越しておきましょう。またマンションよりも戸建ての売却の方が時間がかかります。
売却にかかる費用は?
家の売却には諸費用や手数料、税金がかかります。詳細は以下の通りです。
<売却にかかる手数料と諸費用>
- 仲介手数料:仲介した不動産会社に支払う手数料
- 登記費用:家の所有者変更や、抵当権抹消といった不動産登記に関わる費用。登記は法務局にて行う
- 司法書士に支払う費用:司法書士への報酬(司法書士に依頼した場合のみ)
<売却にかかる税金>
- 印紙税:売買契約書に貼る印紙の代金。印紙代は売却の金額によって異なる
- 譲渡所得税:家の売却で利益が出た際にかかる税金。家の所有期間によって税額は異なる
注意点を理解して家の売却を成功させよう
家の売却は、少しでも高く少しでも早く行いたいものです。売却を成功させるためには、自分でも相場観をつかむこと、そして信頼の置ける不動産会社やその担当者と出会うことが重要です。
一括査定サービスを活用するなど複数の不動産会社に査定をしてもらい、提案力や信頼できそうな人や会社か判断してください。販売価格は売主がつけることができますが、豊富な経験を持つエース級の担当者なら適格なアドバイスをしてくれます。
売却が成功するかどうかは、不動産会社を選ぶところからスタートします。後悔がないように、信頼できるパートナーを見つけましょう。