戸建ての購入から10年。長い人であれば20年、30年。同じ家に住んでいたら、「新しい戸建てに住み替えたい」と考えるのは自然なことです。
ただし、過去には「一生に一度の買い物」とまで言われたマイホーム。
考えなしに住み替えを進めていけば、後悔しかねません。
この記事では、住み替えの方法、かかる費用、注意点までを解説します。
住み替えの手順や基礎知識を知りたい方は、あわせてこちらもご覧ください。

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戸建てから戸建てに住み替える主な理由

SUUMOが行った調査によると、「現在の住宅に不満はないが、もっと良い住環境を求めて住み替えたい」と考えている人が一定数いることがわかっています。
特に戸建てから戸建てへの住み替えは、マンションよりもライフスタイルの影響を受けやすく、世代ごとに異なる理由が見られるのが特徴です。
また、国土交通省の『住生活基本計画(全国計画)』では、バリアフリーや省エネルギー性能の高い住宅のニーズが今後ますます高まるとされており、住み替え需要の背景にもなっています。
この章では、戸建てから戸建てに住み替える代表的な理由を5つ紹介します。
家族構成の変化(子育て・独立・同居など)
子どもが生まれたことで部屋数が足りなくなったり、逆に子どもが独立して家が広すぎたりと、家族の人数やライフスタイルに応じて住まいのサイズや間取りを見直す方が多いです。
LIFULLの調査によると、住み替えを検討した理由として「子どもの誕生・成長」が21.9%、「自分や家族の介護・高齢化」が18.0%を占めており、ライフステージの変化が大きな要因であることがわかります。
静岡県:30代・男性
子供が二人から三人に増え、家が手狭になってきたことが一番の理由です。元々お風呂場が狭く、リフォームにお金が掛かることや、車が2台必要になりましたが敷地内には1台しか停められなかったことも検討のきっかけとなりましたが、住み替えの本格検討を始める最大のキッカケは希望する地域に手頃な値段の土地が売りに出されたことになります。
参考:すまいステップ「『住み替え』アンケートの調査結果」
立地や周辺環境を変えたい
「もっと駅に近い場所に引っ越したい」「今の環境が自分たちに合わない」など、生活環境をより良くしたいという理由もよくあります。職場へのアクセス、買い物の便利さ、学校区なども見直しのきっかけになります。
LIFULLの同調査でも、「交通の利便性を改善したい(19.7%)」や「周辺環境を変えたい(12.4%)」といった理由が上位に挙げられています。
静岡県:30代・女性
住んでいた場所は湿気が多いため、家の中がカビだらけになってしまうことや、辺り一面山ということもあり、家族全員がアレルギーになってしまいました。湿気によるカビ、アレルゲン等このままでは人体に良くないと思っていました。その他マダニやムカデなども多く、室内にまで侵入してくるので、何かあってからでは遅いと思い引っ越すことを決断しました。
参考:すまいステップ「『住み替え』アンケートの調査結果」
老後を見据えてバリアフリーな家へ
将来を見越して、階段の少ない平屋や、段差のない設計の家に住み替える方も増えています。年齢を重ねたときの暮らしやすさを重視する動きです。
三井住友信託銀行の調査によれば、高齢者層の住み替えでは「バリアフリー住宅」や「駅近」など、利便性と安全性を重視した住宅への関心が高まっていると報告されています。
建物の老朽化・メンテナンスの負担
築年数が経過している家は、修繕やリフォームが必要になり、費用も手間もかかるようになります。大規模な修繕を機に、思い切って住み替えるケースも少なくありません。
実際に、不動産会社のメックハウスのコラムでも「老朽化した家に高額な修繕費をかけるより、住み替えた方が合理的」とする提案がなされています。
大阪府:30代・男性
住んでいた住宅が築40年を超えており、老朽化が目立つようになりました。修繕を繰り返しながら住むとランニングコストがかかると思いました。また、耐震性にも心配があったため新しい家に住み替えたいと思うようになりました。間取りも古く、現代の暮らしに合わなくなってきたという点もあります。和室メインから洋室メインの住宅に住み替えたいと思いました。
参考:すまいステップ「『住み替え』アンケートの調査結果」
より快適な住宅設備・省エネ性能を求めて
最新の住宅は断熱性・省エネ性・耐震性などの性能が向上しています。古い住宅に不便さを感じ、より快適な住まいを求めて住み替えを検討する方もいます。
特にZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの高性能住宅は、国の補助制度もあり注目を集めており、住環境の快適さとランニングコストの削減を両立できるとして選ばれています。
戸建てへ住み替える方法
住み替えをする際は、自分に合った住み替え方法を選ぶことが重要です。
住み替えの方法は大きく分けて2つで「売り先行」と「買い先行」に分かれます。
- 売り先行:現在の住まいを売ってから新居を購入する
- 買い先行:新居を買ってから現在の住まいを売る
以下では、売り先行と買い先行について詳しく解説しますが、どちらの方法をとるかを最終的に決める際は、不動産会社のアドバイスも聞くようにしましょう。
売り先行と買い先行
売り先行と買い先行をそれぞれ解説する前に、まず2つの方法の手順の違いを見てみましょう。
売り先行は、売却活動を先に行い、買い先行は新居探しを先に行います。

上図では、青の「売却」と赤の「購入」を明確に分けていますが、それぞれ同時並行で行う場合もあります。
例えば、売り先行でも「売却活動中に新居を探し、売却代金を受け取るタイミングと新居の決済を合わせる」といった方法がとれます。
ただし、不動産はいつ売れるか分からないので、売却と購入の決済タイミングを合わせるのは難しく、売りか買いのどちらかが先行してしまう場合がよくあります。
それぞれのメリット・デメリットの一覧表は以下の通りです。
| 比較項目 | 売り先行 | 買い先行 |
|---|---|---|
| お金の計画 | 【安心】資金計画が立てやすい | 【注意】多くの自己資金が必要 |
| 売却活動 | 【じっくり】高値売却を狙いやすい | 【焦りがち】値下げのリスクあり |
| 新居探し | 【期間に制約】急ぐ必要 or 仮住まい | 【じっくり】納得いくまで探せる |
| 住まい・引越し | 【手間がかかる】引越しが2回になることも | 【スムーズ】引越しは1回で済む |
| 最大のリスク | 仮住まいの費用と手間 | 二重ローンの支払い |
| おすすめな人 | ・ローンが残っている人・堅実に進めたい人 | ・自己資金が豊富な人・理想の家を逃したくない人 |
それではこれから詳しく見ていきましょう
売り先行メリット・デメリット
メリット
売却活動中は新居の購入費用(毎月のローンや頭金)が発生しないため、ゆとりをもって売却活動を行えます。
一戸建ての売却は平均的に6カ月以上かかるので、早く売ろうとすると値下げをしなければいけません。
デメリット
仮住まいを間に挟むため、引っ越しが2回必要になり、費用がかさみます。
売り先行では、仮住まいの必要性が最もの懸念点となるでしょう。
仮住まいにが必要な場合は引っ越し費用が2倍かかりますが、売却期間に余裕をもつことで高額で売却可能性が高まるため、結果的には得をする場合もあります。
買い先行のメリットデメリット
メリット
売却との兼ね合いを考える必要もないので、欲しい物件が他の誰かに買われてしまう心配もありません。
デメリット
また、現在の住まいが売れるまでの間、新居と2重ローン状態になる場合もあります。
買い先行は、資金に十分な余裕がある方以外はリスクが高いと言えます。
売却中の物件は買主が見つかるまで売れません。
新居の頭金に使う資金と、2重ローン状態を半年以上耐えられるほどの資金がある方は、買い先行でも安心して住み替えができるでしょう。
【状況別】おすすめの住み替え方法
どういった場合なら「買い先行」また「売り先行」を選ぶべきか。その判断材料として、いくつかの状況事におすすめできる住み替え方法を提案します。
住宅ローンが残っている
現在の住まいの住宅ローンが残っている場合は売り先行がおすすめです。
前項で解説したように、買い先行は2重ローン状態になる可能性があるため、相当な余剰資金がないと危険です。
戸建ての売却期間は、物件や売り方によってさまざまですが、1年以上かかる方もいます。
2重ローン状態が長期化する最悪の場合を想定するなら、売り先行を選ぶべきと言えます。
住宅ローンが残りわずかで、「数カ月で完済できる」「手持ち資金で完済」できる状態の方は買い先行を考えてみてもいいでしょう。
注文住宅への住み替え
注文住宅は、契約してから引渡し日までに3~6カ月かかります。
そのため、売却と購入の決済日を同日にするのは難しいでしょう。
現在の住まいの売却決済日(引渡し日)は、売主と買主が合意すればある程度柔軟に設定できます。
売るのが早すぎて仮住まい期間が長引かないよう、売却のタイミングを調整し、できる限り購入側の決済に近くなるようにしましょう。
建売住宅への住み替え
建売住宅の場合、注文住宅に比べて契約から決済までの期間が短くなります。
完成物件の場合は、契約から決済までおよそ3週間以内が一般的です。
「先に誰かに買われてしまう」と焦る気持ちで購入を先に進めてしまう方も多いですが、住宅ローンが残っている場合は売り先行で2重ローンのリスクを抑えましょう。
売却時の売買契約から引渡しまでは1カ月が目安ですので、売買契約完了後に新居の契約を結ぶのがオススメです。
売却の引渡し日を調整して、同日に決済できるとなおよいでしょう。
中古戸建てへの住み替え
新築物件の取引に比べて、中古物件は決済日の融通をきかせやすい傾向にあります。
そのため、最も同日決済を行いやすいと言えます。
買いを先行させると2重ローンのリスクがあるため、基本的には売却活動を先に始め、進捗に応じて購入の契約を勧めましょう。
売却活動を進めていくので、購入希望者の内覧が行われます。
同じぐらいの時期に新居の内覧も行い、現在の住まいの購入が決まったら、すぐに新居を購入できる状態にしておきましょう。
住み替えの計画を立てるには、売りたい戸建てが「いくらで」「およそどれくらいの期間」で売れそうかを知っておく必要があります。
住み替えを考え始めたら、まずは不動産会社に査定を依頼してみましょう。
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戸建ての住み替えにかかる費用
住み替えにかかる費用は、購入費用だけではありません。
戸建ての売却には、不動産会社への手数料や税金などがかかることに注意しましょう。
以下では、購入にかかる費用と売却にかかる費用をそれぞれ解説いたします。
戸建ての購入にかかる費用
戸建ての購入にかかる費用は以下の通りです。
| 費用 | 費用の目安 |
|---|---|
| 手付金(購入代金の一部) | 購入価格の5~10%程度が一般的 |
| 頭金(購入代金の一部) | 物件購入価格の10%~20%が目安 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額×3% |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額 × 税率(軽減措置あり) |
| 不動産会社への仲介手数料 | 物件購入価格のおよそ3% |
| 住宅ローンの事務手数料 | 3万円~5万円、もしくは融資額の1~2%ほど |
| 火災保険料・地震保険料 | 5~10万円程度 |
| 印紙税 | 1000円~6万円 |
購入金額の一部は、手付金や頭金といった名目で先だって支払う必要があります。
不動産取得税は、購入した不動産の固定資産税評価額に応じて3%が課税されます。
固定資産税評価額は、新築物件の場合定まっていない場合もありますが、中古物件の場合は不動産会社や売主に確認できます。
仲介手数料も高額で、売却金額のおよそ3%ほどかかります。また消費税もかかります。
戸建ての売却にかかる費用
戸建ての売却には、売却代金の5~7%の費用がかかります。
主にかかる費用は以下の通りです。
| 費用 | 費用の目安 |
|---|---|
| 不動産会社への仲介手数料 | 物件売却価格のおよそ3% |
| 譲渡所得税 | 所有期間5年以下の場合 ・売却益×39.69% 所有期間5年超の場合 ・売却益×20.315% |
| 住宅ローン一括返済手数料 | 1~3万円 |
| 印紙税 | 1000円~6万円 ※3 |
| 登録免許税 | 不動産1個につき1000円 |
売却金額の多くは仲介手数料が占めます。
仲介手数料は売却金額のおよそ3%で消費税も加わります。
仲介手数料について詳しくはこちらをご覧ください。
譲渡所得税は、売却で得た利益(譲渡所得という)に対し最大で39.69%が課税されます。
マイホームを売却する場合は、譲渡所得を最大3,000万円まで控除できる特例を利用できるので、多くの場合で税金が発生しません。
参考:国税庁『No,3302 マイホームを売った時の特例』
その他、およそ10万円以下程度の費用が掛かります。
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
売却費用は売却価格に応じて決まる部分が多いため、査定額をしっておくと、ある程度明確な金額が分かります。
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戸建て住み替えを考える上での4つの注意点
戸建ての住み替えは、売却と購入の2つの作業を行うため注意すべきポイントがさまざまあります。
ここからは、戸建ての住み替えを考える上で注意すべき4つのポイントを解説いたします。
戸建て住み替えの4つの注意点
- 査定額通りに売れるとは限らない
- 戸建てを売却するには時間がかかる
- 新居の購入予算を高めすぎない
- つなぎ融資や住み替えローンは慎重に判断する
査定額通りに売れるとは限らない
査定額は、その価格通りに売れることを保証する価格ではありません。
査定額は、あくまでも売り出し開始時の価格を決める参考程度に考えましょう。
査定額を基準に新居購入の予算を考えてしまうと、思った以上に安く売れてしまい、今後の支払いが困難になる場合もあります。
中には、高い査定額を出して契約してもらおうと考える不動産会社もあるため、いかに正確な査定額を出している不動産会社を選べるかが重要になります。
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戸建てを売却するには時間がかかる
不動産会社に相談したら、すぐに売却が決まるわけではありません。
戸建ての売却では、諸々の準備や査定、購入希望者の内覧を経てやっと売買契約へと進みます。
大まかに、以下の手順で売却活動を勧めますが、売却できるまで平均で6カ月。長いと1年近くかかることを念頭に住み替えを考えましょう。

新居の購入予算を高めすぎない
初めて戸建てを購入する時に比べて、売却でまとまったお金が入るため、予算上限を緩めてしまいやすくなります。
たくさんの物件を見ているうちに目移りしてしまい、「100万円くらいは」「500万円くらいは」と徐々に購入金額の許容範囲が大きくなってしまう場合もあります。
住み替えを始める前に資金計画をたて、家族で共有しておき、高すぎる物件に手を出さないよう注意しましょう。
つなぎ融資や住み替えローンは慎重に判断する
「つなぎ融資」とは、住み替えのタイミングで一時的な融資を受けることです。
「住み替えローン」とは、現在の住まいの住宅ローン残債と、新居の購入費用を合わせて借り入れるローンです。
いずれも、借入金額が高額になるため、例えば、仕事に支障をきたし収入が減ると返済が厳しくなる可能性があります。
また、住み替えローンは、売却と購入の決済日を同日にしなければいけないため、使えるシーンが限られている点にも注意が必要です。
記事のおさらい
住み替えには資金計画やスケジュール管理、適切な住み替え方法の選択が重要です。
住み替えたい戸建てのイメージがついたら、まずは資金的に現実的か考えていきましょう。
購入費用を考えるためには、現在の住まいがいくらで売れるかを知っておく必要があります。
査定額通りで売れるとは限りませんが、まずは目安となる価格を知り、頼れる不動産会社を見つけましょう。
下のフォームより3分で査定依頼ができます。

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