2つのローンを同時に利用することをダブルローンといいます。
ローンは住宅ローンに限らず、車のローンや教育ローン、事業者ローンなど様々です。
ダブルローンをして住み替えを行うことは可能ですがリスクもあるため、ダブルローンがどういうものか、利用するべきか慎重に決めていきましょう。
ダブルローンで住み替えを行うには
今住んでいる家のローンを払いつつ、さらに住み替え先のローン融資を受ける。
ダブルローンは、月々の返済額が大きくなってしまう利用者の負担もありますが、金融機関側も確実に完済してもらえるか不安があります。
そのため住み替え時のダブルローンは通常よりも審査を厳しくしています。
下記は、通常の住宅ローンを組む際に基準となる項目の一例です。
- 年齢制限
- 勤務先
- 勤続年数
- 年収
- 過去の返済状況
- 現在の借入状況
- 健康状態
車のローンやカードローンなど、調べられる限りの債務返済状況と、借入状況なども確認されます。
年収や完済時の年齢、2つのローンを支払ったときの返済比率などを考慮しながら審査が行われるため、最初の家の購入時より審査の条件は厳しくなることがほとんどです。
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ダブルローンで住み替えするメリット
ダブルローンと聞くと支払いが大変だと感じる人がほとんどではないでしょうか。ここでは、住み替えダブルローンにはどのようなメリットがあるかを見てみましょう。
1.住宅の売りと買いのタイミング合わせが要らない
売却が決まってから新居の購入を行えば、複数のローンを同時に支払うこともなく、心理的負担も少なくなるでしょう。
しかし、必ずしも家がスムーズに売却できるとは限りません。新居が見つかっても、家が売れないというケースもあります。
二重でのローンの支払いが負担にならないなら、家の売却の時期に関係なく、見つけた家をすぐに購入できます。
それぞれのタイミングを調整する必要がないので、スムーズに手続きが進められるというメリットがあります。
また、見つけた家を旧居が売れないために諦めるということも避けられます。
2.仮住まいしなくていい
家の売却と購入を同時に進める場合、すぐに買主が現れる場合があります。
この場合、買い手が決まると、引き渡しの期限には、家を出なくてはなりません。そのため、仮住まいを用意して引っ越しする必要があります。
仮住まいには家賃がかかりますし、旧居から仮住まい、仮住まいから新居へと2度の引っ越し費用がかかります。
ダブルローンなら先に新居が決まっているので、引っ越しも新居が決まり次第できます。そのため、仮住まいや余計な引っ越し費用が発生しないというメリットがあります。
3.空き家になってから売却できる
家の購入者は、購入を決める前に内覧を行います。
居住中に内覧を行う場合、日程の調整を行ったり、部屋を掃除したりと内覧前に準備が必要です。
また、あまり人に見られたくない収納庫の中や寝室などもすみずみまで見られるのでストレスを感じる人も少なくありません。
それに対して、引っ越しが済んでからであれば空き家の状態で内覧が行えます。空き家になっていると、日程の調整も必要ありません。
また、内覧を行う人も住んでいる人に遠慮しながら見学しなくてすむので、気が済むまでゆっくりと内覧が行えます。
4.新居へ速やかに住み替えができる
旧居の売却と新居の購入を同時に行っている場合、売却と購入のタイミングを合わせるため、引っ越しのスケジュールがタイトになり慌ただしくなる場合があります。
しかし、すでに新居が購入できていると、好きな時期に引っ越しが可能です。先に新居を確保できるので、引っ越しの準備や手続きも余裕を持って行えます。
5.内覧に手間がかからない
一般的に、売却を目的に引っ越しを行うときには退去の際に部屋をきれいに清掃します。この清掃は業者にも依頼できます。
そして、引っ越し後は清掃されて人が住んでいない状態なので、きれいに保たれており内覧前に掃除の必要がありません。
居住中に内覧を行う場合には、内覧が予定されるたびに掃除が必要ですが、退去後だとこれがないので手間がかからず売却活動が進められます。
マンション住み替えの流れを詳しく解説!住み替えに適した時期や失敗しない方法
ダブルローンで住み替えするデメリット
新旧の借入額を合わせると返済金額が大きくなり、審査に通りにくいというデメリットがあります。ダブルローンを利用するときには、このようなデメリットをしっかりと理解した上で利用を検討しましょう。
1.ローン審査が通りにくい
ローンを二重で支払う場合には、その支払いが可能かどうかの審査が行われます。
すでに支払い中のローンの残額も考慮して審査が行われるため、支払い中の住宅ローンと新たな住宅ローンを払い続けられるだけの年収があるかを見ています。
2度目の住宅の購入の際には、年齢が上がっているぶん、返済期間が短くなり、月々の返済額が大きくなる可能性があります。そして、その額を制限された年齢までに完済できるかも見ています。
このように、融資を受ける条件は1回目の住宅ローンを組んだときよりも厳しくなり、審査に通りにくくなります。
2.ローンの負担が大きい
住宅ローンが2つに増えると、支払いも2つに増えます。これは、旧居が売れない限り2つのローンの支払いが続きます。このように支払いが大きな負担になるというデメリットがあります。
短期間の支払いであれば、たとえ2倍の支払いになっても事前にある程度準備していれば対応できるでしょう。
しかし、家はいつ売却できるかはわかりません。条件によっては、半年以上売却できない場合もあります。長期間売却ができないと、支払いが難しくなり家計にも影響を与えかねません。
二重にローンを組む場合には、売却の予定が立っている場合や、資金的に余裕がある場合など、二重に支払いを行っても余裕を持って生活できるかの確認が必要です。
ダブルローンの利用シーンと危険なケース
ダブルローンを使用するのは、どのようなときなのでしょうか。ここでは、ダブルローンが使用されるケースを見てみましょう。
ダブルローンの利用シーン
1.買い先行で進めている場合
家はとても高額でじっくりと気に入ったものを選びたいと考える人がほとんどでしょう。
住み替えローンの場合、売却と購入の決済を同時に行う必要があり、時間をかけて物件を探せないというデメリットがあります。
また、早く新居に早く引っ越しがしたい人の場合には、新居を先に探します。
そのため、早く新しい家に引っ越したい人や、気に入った家を確実に手に入れたい場合には、先に購入して後から売却という形になります。
このように買い先行になる場合には、売却は後になるためダブルローンを利用することになります。
2.セカンドハウスを購入する場合
自身が居住する住居とは別にセカンドハウスを購入したり、親族が居住するための家を購入する際にもダブルローンが利用されます。
この場合、自身が居住するための家は必要なので、引き続き住宅ローンの支払いが続きます。そして、新たに購入した家の住宅ローンの支払いも必要です。
このように2つの住宅ローンを組む必要があるときにもダブルローンが利用できます。
「毎月1日以上居住する」など、セカンドハウスと認められるには条件も…
ダブルローンの利用が危険なケース
1.十分な貯蓄・資産がない/売却価格でローンが賄えない
ダブルローンでの住み替えは、今のマイホームを売却する前に行動できる点が大きな利点です。
逆を言えば、今のマイホームがいくらで売却できるかわからない状態でローンを組むことになります。
思ったより安い価格で売れてしまうと、先のローンを完済することができず今後の生活を圧迫することとなります。
貯蓄や資産がある場合はそちらで賄うことができますが、そうでない場合は家を売り、ローンを完済してから新たに新居を購入する方が安全です。
2.今後大きく収入が上がる見込みがない
今の家を売却することを前提としていたとしても、家がすぐに売却できる確証はありません。
又、家を売らずに残しておくことを考えている方もいらっしゃるでしょう。
いずれの場合も、一時的に月々の返済額が膨らむためその期間の家計を圧迫します。
貯蓄もなく、生活を圧迫することになった場合、そこから回復を図るのはなかなか難しいことです。
中にはカードローンなどで急場をしのぐ人も現れるでしょう。
例えば、出世や副業での収入増が見込める場合は希望が持てますが、そうでないとリスクは高まります。
3.他のローンを隠してダブルローンを借りる
審査の際には、他のローン状況も見られます。
金融機関側が調査するので早々起こりえないですが、万が一他にローン(借入)があることを伏せたままダブルローンをしてしまうととても危険です。
万が一融資後に発覚した場合は、一括返済を迫られる場合もあるのです。
ダブルローンで住み替える注意点
ダブルローンの利用時には、注意すべき点がいつくかあります。ここでは、ダブルローンを組んだ後に困らないように事前に注意点を確認しましょう。
旧居の売却が終わらないと住宅ローン控除の適用がない
家を購入するときには、住宅ローンを利用する人がほとんどでしょう。そして、住宅ローン控除は、住宅ローンの残額の1%が所得税から控除されるので、住宅ローンを組んだ人の多くが利用しているでしょう。
この住宅ローン控除を適用するためには条件があり、居住用の住居である必要があります。
そのため、旧居の売却が終わっていないと、新しい住宅ローンに住宅ローン控除を適用できません。
余裕がない場合は『住み替えローン』の方が安全
住み替えを行うときには二重の支払いが避けられる「住み替えローン」を利用してみてはいかがでしょうか。
住み替えローンは、売るタイミングと買うタイミングが同じなので、売却時に住宅ローンが完済できなくても残額を新居の住宅ローンに上乗せして支払いできる方法です。
この方法だと、二重にローンを支払うよりも負担が少なくできる可能性があります。
購入と売却のタイミングを合わせなければならないというデメリットはありますが、支払いの負担を軽減できるメリットがあります。
ダブルローンで住み替えをする前に査定をしよう
住み替えを検討するときには、まず、居住中の物件がどれくらいで売却できるかの確認が必要です。
どれくらいの金額かを確認することで、住み替え先の物件を探すときの参考にもできますし、事前に資金計画が立てられます。
ダブルローンの場合には、返済金額に無理があると家計にも影響し、生活しづらくなる可能性があります。
家の価格を調べるときには、一括査定が便利です。無料で利用できるサイトがたくさんあるので利用してみるとよいでしょう。
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査定結果を比較することで、おおよその価格がわかるのでダブルローンを検討する際に利用できます。
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