家の住み替えをするときに、最も気になるのがローンの支払いではないでしょうか。居住中の家が売れていなくても金融機関に借入ができるかや、その際の条件が気になる人も多いでしょう。
住み替えを検討する際には2つの方法から選べます。
新居と旧居の住宅ローンを同時に支払うダブルローンと旧居の住宅ローンの残債と新居の住宅ローンをまとめて支払う住み替えローンがあります。
どちらにもメリットデメリットがあり、その人の収入や売却状況などで選べる方法が変わります。
この記事では、住み替えの際のダブルローンにはどのような条件があるのかや、利用の際の注意点も解説しているので、利用を検討する際の参考にして下さい。
「家族が増えて今よりも広い家に住みたい……!」「お金に余裕ができたから、新築住宅に引っ越したい……!」このような理由でマンションの買い替えを考えることがあると思います。でも、一度は高いお金を出して購入したマンションを[…]
「もっと広い家に住みたい!」「マンションから戸建てに引っ越したい!」さまざまな理由で家の買い替えを検討することがあると思います。買い替えは物件の購入と売却を同時並行しなければならないので、購入のみ・売却のみのケースよりも難し[…]


あなたの不動産の


住宅ローンの審査基準
金融機関で住宅購入の際にお金を借りる場合、金融機関は、住宅ローンを組む人が確実に返済が行われるかのチェックをします。
チェックの基準には、以下のようなものがあります。
- 年齢制限
- 勤務先
- 勤続年数
- 年収
- 返済状況
- 健康状態
金融機関は、融資したお金を確実に返してもらえるように、その人が健康で働いて返済できる年齢までしか返済期間を設定できません。
そして、もちろん返済するには安定した仕事について、返済が可能なだけの収入を得ているかのチェックもあります。
また、車のローンを組んだり、クレジットカードを利用している人は、それらの返済が滞りなく行われているかのチェックもあります。
住み替えの際に住宅ローンを組む場合にもこのような基準で審査が行われています。
家を購入するときに、多くの人が利用する住宅ローン。住宅ローンを借りるときに、重要になるポイントが金利です。その理由は金利の上下によって、返済総額が大きく異なってくるためです。また、月々の住宅ローンの返済額も変わってきます。そのため、住宅[…]
住み替えダブルローンの概要と条件
条件が厳しいダブルローンですが、どのような条件があるのでしょうか。
条件を確認して、利用できるかを確認してみましょう。
住み替えダブルローンとは
既存の住宅ローンと一緒に新居の住宅ローンを支払うことをダブルローンと言います。
返済中の住宅ローンがある時点で、新居を購入し、新居の住宅ローンを組んで支払いが重なる状態です。
借入する金額にもよりますが、もともと支払っていた住宅ローンに加えて、新な住宅ローンが加わるので返済額が大きくなることが特徴です。
ダブルローンが組めるなら、好きなタイミングで新居を購入できます。
そのため、気に入った住居を旧居が売れるのを待っている間に逃してしまうという可能性が低くなります。
住み替えダブルローンの条件
住み替えのときに既存の住宅ローンの支払いがあるので、以前の住宅ローンの審査はより厳しくなります。
借入済みの金額も考慮して審査が行われます。
また、住み替えの場合には、最初の家の購入時よりも年齢が上がっているため、返済までの期間が短くなり返済額が大きくなる可能性があります。
このように年収や完済時の年齢、2つのローンを支払ったときの返済比率などを考慮しながら審査が行われるため、最初の家の購入時より審査の条件は厳しくなることがほとんどです。
住み替えダブルローンを契約する流れ
ここではどのような順序で手続きを進めるとよいか見てみましょう。普通に新居を購入するときと流れは変わりません。
- 購入する物件を探す
- 購入申し込みを行う
- 金融機関に住宅ローンを申し込む
- 審査に通ると、引き渡しが行われて引っ越しする
ダブルローンを利用する場合には、旧居の売却を待たずに新居の購入ができます。
初めに新居を探して申し込みを行い、金融機関に住宅ローンの申し込みを行うとよいでしょう。
審査に通れば、購入手続きのステップへと進めます。
このとき、新居を探すのと同時に、支払いが増える期間を減らすために、旧居の売却の手配も進めておくとよいでしょう。
売却が完了していなくても、新居が購入できると引っ越しが可能です。
住み替えダブルローンのメリット
ダブルローンと聞くと支払いが大変だと感じる人がほとんどではないでしょうか。ここでは、住み替えダブルローンにはどのようなメリットがあるかを見てみましょう。
住宅の売りと買いのタイミング合わせが要らない
売却が決まってから新居の購入を行えば、複数のローンを同時に支払うこともなく、心理的負担も少なくなるでしょう。
しかし、必ずしも家がスムーズに売却できるとは限りません。新居が見つかっても、家が売れないというケースもあります。
二重でのローンの支払いが負担にならないなら、家の売却の時期に関係なく、見つけた家をすぐに購入できます。
それぞれのタイミングを調整する必要がないので、スムーズに手続きが進められるというメリットがあります。
また、見つけた家を旧居が売れないために諦めるということも避けられます。
仮住まいしなくていい
家の売却と購入を同時に進める場合、すぐに買主が現れる場合があります。
この場合、買い手が決まると、引き渡しの期限には、家を出なくてはなりません。そのため、仮住まいを用意して引っ越しする必要があります。
仮住まいには家賃がかかりますし、旧居から仮住まい、仮住まいから新居へと2度の引っ越し費用がかかります。
ダブルローンなら先に新居が決まっているので、引っ越しも新居が決まり次第できます。そのため、仮住まいや余計な引っ越し費用が発生しないというメリットがあります。
空き家になってから売却できる
家の購入者は、購入を決める前に内覧を行います。
居住中に内覧を行う場合、日程の調整を行ったり、部屋を掃除したりと内覧前に準備が必要です。
また、あまり人に見られたくない収納庫の中や寝室などもすみずみまで見られるのでストレスを感じる人も少なくありません。
それに対して、引っ越しが済んでからであれば空き家の状態で内覧が行えます。空き家になっていると、日程の調整も必要ありません。
また、内覧を行う人も住んでいる人に遠慮しながら見学しなくてすむので、気が済むまでゆっくりと内覧が行えます。
新居へ速やかに住み替えができる
旧居の売却と新居の購入を同時に行っている場合、売却と購入のタイミングを合わせるため、引っ越しのスケジュールがタイトになり慌ただしくなる場合があります。
しかし、すでに新居が購入できていると、好きな時期に引っ越しが可能です。先に新居を確保できるので、引っ越しの準備や手続きも余裕を持って行えます。
内覧に手間がかからない
一般的に、売却を目的に引っ越しを行うときには退去の際に部屋をきれいに清掃します。この清掃は業者にも依頼できます。
そして、引っ越し後は清掃されて人が住んでいない状態なので、きれいに保たれており内覧前に掃除の必要がありません。
居住中に内覧を行う場合には、内覧が予定されるたびに掃除が必要ですが、退去後だとこれがないので手間がかからず売却活動が進められます。
住み替えダブルローンのデメリット
新旧の借入額を合わせると返済金額が大きくなり、審査に通りにくいというデメリットがあります。ダブルローンを利用するときには、このようなデメリットをしっかりと理解した上で利用を検討しましょう。
ローン審査が通りにくい
ローンを二重で支払う場合には、その支払いが可能かどうかの審査が行われます。
すでに支払い中のローンの残額も考慮して審査が行われるため、支払い中の住宅ローンと新たな住宅ローンを払い続けられるだけの年収があるかを見ています。
2度目の住宅の購入の際には、年齢が上がっているぶん、返済期間が短くなり、月々の返済額が大きくなる可能性があります。そして、その額を制限された年齢までに完済できるかも見ています。
このように、融資を受ける条件は1回目の住宅ローンを組んだときよりも厳しくなり、審査に通りにくくなります。
ローンの負担が大きい
住宅ローンが2つに増えると、支払いも2つに増えます。これは、旧居が売れない限り2つのローンの支払いが続きます。このように支払いが大きな負担になるというデメリットがあります。
短期間の支払いであれば、たとえ2倍の支払いになっても事前にある程度準備していれば対応できるでしょう。
しかし、家はいつ売却できるかはわかりません。条件によっては、半年以上売却できない場合もあります。長期間売却ができないと、支払いが難しくなり家計にも影響を与えかねません。
二重にローンを組む場合には、売却の予定が立っている場合や、資金的に余裕がある場合など、二重に支払いを行っても余裕を持って生活できるかの確認が必要です。
住み替えダブルローンを使用するケース
ダブルローンを使用するのは、どのようなときなのでしょうか。ここでは、ダブルローンが使用されるケースを見てみましょう。
買い先行で進めている場合
家はとても高額でじっくりと気に入ったものを選びたいと考える人がほとんどでしょう。
住み替えローンの場合、売却と購入の決済を同時に行う必要があり、時間をかけて物件を探せないというデメリットがあります。
また、早く新居に早く引っ越しがしたい人の場合には、新居を先に探します。
そのため、早く新しい家に引っ越したい人や、気に入った家を確実に手に入れたい場合には、先に購入して後から売却という形になります。
このように買い先行になる場合には、売却は後になるためダブルローンを利用することになります。
セカンドハウスを購入する場合
自身が居住する住居とは別にセカンドハウスを購入したり、親族が居住するための家を購入する際にもダブルローンが利用されます。
この場合、自身が居住するための家は必要なので、引き続き住宅ローンの支払いが続きます。そして、新たに購入した家の住宅ローンの支払いも必要です。
このように2つの住宅ローンを組む必要があるときにもダブルローンが利用できます。
住み替えダブルローンの注意点
ダブルローンの利用時には、注意すべき点がいつくかあります。ここでは、ダブルローンを組んだ後に困らないように事前に注意点を確認しましょう。
旧居の売却が終わらないと住宅ローン控除の適用がない
家を購入するときには、住宅ローンを利用する人がほとんどでしょう。そして、住宅ローン控除は、住宅ローンの残額の1%が所得税から控除されるので、住宅ローンを組んだ人の多くが利用しているでしょう。
この住宅ローン控除を適用するためには条件があり、居住用の住居である必要があります。
そのため、旧居の売却が終わっていないと、新しい住宅ローンに住宅ローン控除を適用できません。
旧居は賃貸にはできない
新居に住み替えをして、旧居の売却を進めているときになかなか売れなくて焦る人も多いのではないでしょうか。そのようなときに、旧居を賃貸にして住宅ローンの支払いにしたいと考える人は少なくないでしょう。
しかし、住宅ローンは本人が居住するためという条件があります。そのため、売却までの期間、賃貸にすることはできません。
ダブルローン利用時は、先に買手を見つけておく方法がおすすめです。できるだけ二重に支払う期間を少なくして、確実に支払いできるように事前の計画が重要です。
抵当権抹消の必要がある
抵当権とは、住宅ローンの支払いが滞った際に金融機関がその物件を抑えて売却できる権利のことです。この抵当権は金融機関への住宅ローンの支払いが完済できないと抹消できません。
そして、売却には抵当権の抹消が必要です。
そのため、家の売却を行うためにまずは住み替え前の住居の住宅ローンの支払いを優先しましょう。そして、完済できたら、すぐに抵当権抹消の手続きを行いましょう。
完済できる目途がつかなければ、売却をスムーズに行うことができないので注意が必要です。
余裕がない場合は住み替えローンの方がおすすめ
住み替えを行うときには二重の支払いが避けられる「住み替えローン」を利用してみてはいかがでしょうか。
住み替えローンは、売るタイミングと買うタイミングが同じなので、売却時に住宅ローンが完済できなくても残額を新居の住宅ローンに上乗せして支払いできる方法です。
この方法だと、二重にローンを支払うよりも負担が少なくできる可能性があります。
購入と売却のタイミングを合わせなければならないというデメリットはありますが、支払いの負担を軽減できるメリットがあります。
住み替えダブルローンを借りる前に査定をしよう
住み替えを検討するときには、まず、居住中の物件がどれくらいで売却できるかの確認が必要です。
どれくらいの金額かを確認することで、住み替え先の物件を探すときの参考にもできますし、事前に資金計画が立てられます。
ダブルローンの場合には、返済金額に無理があると家計にも影響し、生活しづらくなる可能性があります。
家の価格を調べるときには、一括査定が便利です。無料で利用できるサイトがたくさんあるので利用してみるとよいでしょう。
「すまいステップ」なら無料で査定が依頼できます。一括で最大4社まで同時に依頼できるので、査定結果を比較して、自身の家の売却に合った不動産会社が選べます。
査定結果を比較することで、おおよその価格がわかるのでダブルローンを検討する際に利用できます。
無料で気軽に利用できる「すまいステップ」を利用して、住み替えを成功させましょう。
一括査定をして早めの売却をしよう
ローンの支払いは、余裕をもって行えるように計画することが大切です。
それには、事前にどれくらいの金額で家が売れるかを確認することが重要です。家の価格は、一括査定サイトを利用すると、簡単にすぐに結果が得られます。
一括査定を依頼したからと言って、必ず売却しなければならないということはありません。家の価格の予測が事前にできていると、将来の住み替えを検討している場合にも安心です。
住み替えを検討しているなら、一括査定を利用して早めに売却の手続きを進めましょう。
住み替えは不動産の購入と売却の両方の取引が必要になり、一見すると非常に複雑そうですが、今多くの人が理想の老後生活を送るために住み替えを検討していたり、転職・転勤のために住み替えをしています。この記事では住み替えの不動産購入と売却の流れから実[…]