戸建て売却では、事前にシミュレーションしておくことで資金計画を立てることに役立ちます。
- 戸建て売却では事前のシミュレーションが大切
- シミュレーターを使えばおおよその査定額がすぐに分かる
- 査定額が分かれば、売却にかかる費用や税金も算出できる
- より正確な査定額は不動産会社に査定依頼する必要がある
戸建てを売却する時、「手取り額はいくら?」「費用や税金はいくら発生するの?」と感じる方は多くいるのではないでしょうか。
そんな時は、自動シミュレーションツールを使って実際に計算してみましょう。
まだ査定額を知らない方は、2章の簡易査定シミュレーションをご利用ください。
必要項目を選択・入力すれば、30秒程度でページの移動もなくその場で査定額が算出されます。
査定額をすでにご存じの方は、3章の手取り額・費用・税金シミュレーションにお進みください。
戸建て売却のお金の動きをシミュレーションしよう
すまいステップでは、査定額から売却にかかる費用・税金、手取り額を無料でシミュレーションできます。
以下の2つのシミュレーションツールを使って、戸建て売却のお金の流れを掴みましょう。
戸建て売却の査定額シミュレーション
シミュレーションツールでは、手取り額の他にも税金や費用を自動で算出することができます。
より正確な価格をシミュレーションするには、査定額(おおよその売却価格)を知る必要があります。
不動産会社が行う査定が最も精度の高い査定額を算出することができますが、簡易的にシミュレーションしたい方は、以下の簡易査定シミュレーションツールをご利用ください。
簡易査定シミュレーションツールでは、膨大な数の売却データを解析し、入力した情報に応じた査定額を算出します。
戸建て売却の手取り額・費用シミュレーション
以下では、手取り額の計算方法や、シミュレーションで表示された費用や税金を解説しています。
戸建て売却の手取り額の計算方法を確認
査定額がいくらか分かれば、おおよその費用や税金を算出することができるため、手取り額(手元に残る金額)まで調べられます。
計算式は以下の通りです。
手取り額(手元に残る金額)=売却価格-住宅ローン残債-売却費用-税金
売却価格から住宅ローン残債や想定される売却費用(仲介手数料等)、税金を差し引くと手取り額となります。
この章では、シミュレーターを使わずに手取り額を計算する方法を、以下の4つのステップごとに解説していきます。
- 戸建ての売却相場を調べる
- 戸建ての売却にかかる費用を算出する
- 戸建ての売却にかかる税金を算出する
- 売却予想額から差し引く
①戸建ての売却相場を調べる
まずは、戸建てがいくらで売却できそうなのか、売却予想価格(査定額)を算出する必要があります。
売却予想価格は、シミュレーターを使わなくても以下の方法で調べることができます。
調べる方法 | 概要 |
---|---|
レインズマーケットインフォメーションを使う |
|
土地総合情報システムを使う |
|
すまいステップの戸建てデータベースを使う | |
不動産物件情報サイトを使う |
|
詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。
②戸建ての売却にかかる費用を算出する
戸建ての売却にかかる費用は以下の通りです。
費用
- 仲介手数料
- 抵当権抹消費用※
- 住宅ローン一括返済手数料※
※今回のシミュレーションには含まれていない費用です。
上記の費用の他にも、場合によっては解体費用や測量費用、ハウスクリーニング費用などがかかります。
ただし、必ずかかる費用ではないので、今回は解説を省略します。
仲介手数料
仲介手数料は、売買が成立した際に、仲介した不動産会社に支払う手数料です。
不動産会社が請求できる仲介手数料には、法律で決められた上限額があります。
上限額は、売却価格に応じて一定の割合をかけることで求められます。
売却価格 | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格×5%(+消費税) |
200万円を超え400万円以下の部分 | 売却価格×4%(+消費税) |
400万円を超える部分 | 売却価格×3%(+消費税) |
例:売却価格2,000万円の場合
(0~200万円部分)200万円×5%=10万円
(200万超~400万円部分)200万円×4%=8万円
(400万円超~2,0000万円部分)1,600万円×3%=48万円
⇒66万円(税込:72万6,000円)
ほとんどの不動産会社が仲介手数料を上限額で請求します。
冒頭のシミュレーションでも仲介手数料の上限額を算出し、売却価格から差し引いて手取り額を求めています。
抵当権抹消費用
住宅ローンを借りて購入した家には、金融機関が設定する抵当権がつけられており、不動産を売却するには抵当権抹消の手続きが必要です。
抵当権抹消にかかる費用は不動産1つにつき1,000円なので、一般的な戸建ては土地と建物の2つで2,000円かかります。
抵当権を抹消する手続きを司法書士に代行してもらう際は、相場として1万円~2万円程の報酬を支払う必要があります。
住宅ローン一括返済手数料
住宅ローンが残っている場合、売却金額と合わせて一括返済をする必要があります。
一括返済には手数料がかかり、高くて3万円以上かかる場合があります。
最近では、ネットバンキングでも返済でき、この方法では手数料が15,000円程度と安く設定されています。
③戸建ての売却にかかる税金を算出する
次に売却にかかる税金を算出します。
戸建ての売却には、以下のような税金がかかります。
税金
- 譲渡所得税
- 印紙税
譲渡所得税
不動産を売却したことによって譲渡所得(利益)が発生した場合は、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税には、所得税と住民税が含まれます。
所有期間によって税率が異なります。
項目 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得(所有期間5年以下の場合) | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得(所有期間5年超の場合) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
譲渡所得税を計算する場合は、先に譲渡所得(利益)を計算し、その譲渡所得に対して税率をかけていきます。
譲渡所得=
売却価格 -(取得費 – 譲渡費用)- 控除額
取得費とは
例えば、家の購入代金(減価償却相当額を差し引いた金額)や購入にかかった税金・費用等が該当します。取得費を証明する書類がない場合は、売却金額の5%を取得費として計算します。
譲渡費用とは
例えば、不動産会社へ支払う仲介手数料や印紙税が該当します。
控除額とは
控除額とは、各種特別控除を利用した際に、譲渡所得から差し引かれる金額です。マイホームを売却した際に最大3,000万円を控除できる特例等が用意されています。
冒頭のシミュレーションでは、『現在住宅として住んでいますか?』の質問に対して『はい』と答えた場合に、3,000万円の控除を適用しています。
印紙税
不動産を売買する際、買主と売買契約を結びます。
印紙税は、売買契約を結ぶ際に作成する契約書にかかる税金です。
契約書に記載されている売却金額に応じて、以下のように印紙税額が決定します。
売却金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超える~50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円を超える~100万円以下 | 1千円 | 500円 |
100万円を超える~500万円以下 | 2千円 | 1千円 |
500万円を超える~1千万円以下 | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超える~5千万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超える~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
例:売却価格2,000万円の場合
1万円(令和6年3月31日までは軽減税率が適用される)
④売却予想価格から差し引く
最後に、算出された売却費用や税金を、売却予想価格から差し引きます。
より分かりやすくシミュレーションするために、以下の条件で計算してみます。
- 売却予想価格(査定額):2,000万円
- 住宅ローン残債:800万円
- 仲介手数料:73万6,000円
- 印紙税:1万円
- 所有期間:5年以上
- 現在居住中
以上の条件で当てはめて計算すると、手取り額は以下の通りです。
売却予想価格(査定額)2,000万円-住宅ローン残債800万円-売却費用73万6,000円(72万6,000円+1万円)-税金0円※
=手取り額約1126万4,000円
※居住中のマイホームを売却する場合は、3,000万円の特別控除の特例が適用されます。
戸建て売却のシミュレーション後は不動産会社に査定依頼しよう
戸建ての売却には様々な費用や税金がかかるので、事前にしっかりシミュレーションしておくことは大切です。
「思っていた以上に費用がかかった」「予想外の出費が重なった」といったことにならないように、シミュレーションして資金計画を立てておきましょう。
そもそも費用や税金がいくらかかるものなのか知らずに売却してしまうと、気付かぬうちに損していたというトラブルも起きてしまうかもしれません。
シミュレーターを使えば、その場で簡単に手取り額や査定額が分かるので、積極的に活用していきましょう。
以下のグラフは、すまいステップが2023年12月28日から2024年1月10日にかけて独自に収集したアンケートをもとに作成したものです。
アンケートの結果から、半数以上が「匿名・AI査定で出た査定額と実際の査定額に5%以上の乖離率があった」ことが分かります。
実際に戸建てを売却するとなったら、より正確な査定額を算出する必要があります。
そのため、戸建て売却のシミュレーション後は不動産会社に査定依頼しましょう。
「すまいステップ」では、一度の申し込みで最大4社まで査定依頼できて便利です。