戸建てを売却する際には、まずは査定を行いますが、できれば高く査定してもらいたいですよね。
しかし、査定時に見られるポイントや事前にどんな準備をしておけばいいのか知っている人は少ないと思います。
この記事では、戸建ての査定額に影響するポイントや査定前に準備すべきことを紹介していきます。
査定額を上げる方法や上手な活用の仕方を知ることが、売却成功の第一歩です。査定についての理解を深めて、戸建て売却の成功を目指しましょう。

- 監修逆瀬川 勇造
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。
【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士


あなたの不動産の


戸建て売却は査定を含めて約6カ月
戸建ての売却は約6カ月の期間を要します。もちろんもっと早く売却できる方もいますが、目安として覚えておきましょう。
その間に査定などを行っていきますが、査定をスムーズに行うことができないと売却期間をさらに伸ばしてしまうことも。
まずはざっくりとした売却の流れ、査定の流れを知りましょう。
しかし、プロの査定を受け査定価格を算出し、適切な売り出し価格を設定することは売却達成のスピードと売却金額の高さに通ずるのでしっかりと受けるようにしましょう。
戸建て売却の流れ
戸建て売却はまず査定を受けることから始まります。
複数の会社から査定を受けることが一般的で、その中から相性のいい不動産会社を選び媒介契約を結びます。
その後、実際に売却活動が始まります。
買主が決まったら売買契約を結び、引き渡しを行って完了です。
(不動産を売却し利益が発生した場合は翌年に確定申告を行います。確定申告については追い追い学んでいきましょう。)
戸建て査定の流れ
売却への一歩目。戸建て売却の肝となる「査定」の流れを理解していきましょう。
まずは不動産会社に査定依頼を行いますが、この際一社にだけ依頼することはやめましょう。
査定価格は会社によって異なるため、複数の会社から査定を受けてその結果を比較してみましょう。
訪問の日時を決め、実際に不動産会社からの現地調査を受けます。(現地調査は訪問査定を受ける場合です。次の章で解説します。)
現地調査から3~4日日後に査定結果が届きます。
売却を検討するなら訪問査定が必要
不動産会社に査定を依頼する際「机上査定」と「訪問査定」の2種類のいずれかを選ぶことになります。
最近では、ネットで個人情報を入れずに査定価格を算出する「匿名査定」という方法もあります
どの査定方法を選べばいいか迷われると思いますが、基本的に訪問査定を選択しましょう。
この後説明しますが机上査定や匿名査定は、現地の現況を盛り込んでいないので査定の精度が低くなります。
実際に売却することを検討している人は、最も精度の高い訪問査定を必ず受けてください。
ちゃんと売却を検討しているなら訪問査定を受けておかないと!
現地で調査をしてみないと気づかないことはたくさんあります。
例えば、設備の劣化具合や周辺の臭気は問題ないかなど様々…
売却することを前提としているなら、訪問査定は必ず受けましょう。
売却相場を知ることで3つのリスクを回避
売却を失敗させないためには、初めの査定前の段階が非常に重要になります。
査定前には必ず査定相場を知るようにしましょう。
査定相場を調べるだけのことですが、これにより3つのリスクを回避することができます。
- 売り出し価格の失敗をしなくなる
- 査定価格が適正でないことに気付ける
- 売却のタイミングがわかる
相場を知ることで失敗をしないとともに、思っていたよりも高額の売却を達成することもできます。
売り出し価格で失敗しない
不動産の売却において『売り出し価格』とても重要です。
周辺の売却相場より査定額が高ければ、売却までに長い時間が。低ければ、その分早く売却できます。
あなたの売却までの計画を考慮して決めましょう。
また遅くてもどれほどまで許容できるのか。
売却活動期間中も発生する家の維持費、固定資産税はどこまで考慮しているのか。
査定価格が適正でないことに気づける
不動産会社によって査定結果は異なります。
査定価格に数百万円の差が出ることだってあるのです。
中には、足元を見て相場よりも安い査定価格を提案してくる会社もありますし、契約してもらうために根拠のない高額の査定を行う会社もあります。
査定価格が相場より高い、安いと感じた際は必ず査定価格の根拠を聞くようにしましょう。
査定価格が高く、なおかつ査定の根拠が充実しているところが条件のいい不動産会社といえますね。
売却のタイミングがわかる
周辺の売却相場の推移をみていると地価が上昇しているタイミングがわかります。
地価が上昇しているということは、その分需要が上昇していることにつながります。
今が売り時なのかの判断には必要不可欠の要素となるので、しっかり確認しておきましょう。
戸建て査定を失敗しないための5つの準備
住宅査定の結果は変動しやすいものであり、工夫次第で高額査定を狙うことも可能です。
- 自分で周辺相場を調べる
- 住宅ローンの返済額や新居の頭金を調べておく
- アピールポイントを整理して伝える
- 最低限の掃除はしておく
- 複数の不動産会社に依頼する
どのようなポイントを意識すべきかを知り、5つの点を踏まえて高額査定を目指しましょう。
周辺相場を自分でも調べておく
査定の前に周辺の売却相場を調べておくと、不動産会社が提示する査定額を相場と比較して妥当性を判断できるので、相場より低く売り出し損するような失敗を防げます。
相場を正確に知るには、自宅と同じような条件の戸建ての成約価格を調べましょう。自分で周辺相場を調べる際はレインズ・マーケット・インフォメーションがオススメです。
レインズマーケットインフォメーションは不動産流通機構「レインズ」が運営しているデータベースサイトで、実際に不動産会社などの宅地兼業務を扱っている人間しか見れない情報を、個人情報などをふせた形で閲覧することが出来ます。
物件の取引情報だけでなく、過去2年間の市場の動きもグラフで表示されています。価格相場が直近の2年間で、どのように動いているのかも考慮すると、より戸建ての価値を正確に算出しやすくなります。
最新の成約事例を細かい条件(間取り、築年数、駅からの距離、成約時期など)で絞ることができるので、正確に相場を知りたい方に向いています。
住宅ローンの返済額や新居の頭金を調べておく
住宅ローンが残っている戸建てはローンを完済し抵当権を抹消しなければ売却できません。
査定額よりも住宅ローン残債の方が多いと、他の金融機関から借り入れをして返済したり、新居の住宅ローンに借り替える必要があります。
ローン残高と査定価格との差分を把握しておけば、戸建ての売却価格でローンを返済できなくても資金計画を立てることができます。
買い替えの際には残っている住宅ローンの返済や新居購入の初期費用など様々な費用がかかります。これらを査定額から差し引き、余った分を頭金に回すと考えるとよいでしょう。
住宅ローンが残っている家を売る場合は、買い替えの資金計画を立てるためにも査定前にローン残高を調べておきましょう。
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アピールポイントを整理して伝える
査定時には不動産会社の担当者に、戸建てのアピールポイントを余すことなく伝えることが大切です。念入りな調査によって細かい部分まで評価しますが、一度の調査だけでは分からないことも数多くあります。
物件の魅力や周辺環境のよさなど、データには現れない住んでいるからこそ分かる情報を伝えておくと、高額査定に繋がりやすいでしょう。
たとえば、風通しや日当たりが良い、周辺環境の良さも評価が高いポイントです。実際に生活してみて分かる使い勝手のよさ、動線のスムーズさもあれば、それらも的確に不動産会社に伝えられるようにまとめておきましょう。
これまでに修繕やリフォームをしたなら、いつどのような内容で行ったのかも伝えることが大切です。メンテナンスの履歴を伝えると物件状態のよさがアピールでき、これを査定価格に考慮してもらえる可能性があります。
最低限の整理整頓をする
査定時にくまなく見てもらえるように整理整頓をしておきましょう。部屋に物があふれていたり、水回りが汚れているとそれだけで印象が悪くなるので査定額に悪影響を及ぼすかもしれません。
最低限の掃除をして室内を清潔な状態を保つことも大切です。特に水回りは汚れや臭い、劣化が見えやすいため、念入に掃除をしておきましょう。庭木があるなら整備が必要で、伸びっぱなしの印象を与えないように剪定しておくのも成功のポイントです。
査定前にどこを掃除すべきか詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
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複数の不動産会社に依頼する
戸建ての査定を受ける際は必ず複数社に依頼することが大切です。不動産会社によって同じ物件でも査定価格が大きく異なることが良くあるからです。
不動産会社の中には、契約を得るために意図的に高い査定価格を出して、売り出した後に値下げの提案をする企も会社もいます。
1社にしか査定していなければ、その会社が出した査定価格が高いか低いか判断できず、相場とかけ離れた価格で売り出し損につながるかもしれません
複数社からの査定結果を比較することで、戸建ての相場価格を判断でき、よりよい条件を提示する不動産会社を見つけやすいです。
戸建てを査定するなら不動産一括査定サイトを利用しよう
不動産一括査定サイトとは、Web上で複数の不動産会社にまとめて無料で査定依頼ができるサービスです。
これまで不動産会社に査定を依頼する場合、一社一社に足を運んだり、電話で査定してほしい物件情報を何度も説明する必要がありました。
不動産一括査定サイトを利用すればこのような面倒な作業が不要です。
Web上で簡単な項目を入力すれば、提携している不動産会社の中からあなたのマンションを高く売ってくれる会社に自動で査定依頼でき、査定結果をメールや電話で受け取れます。
一括査定サイトでオススメのサービスはすまいステップです。すまいステップは2~3分程度の査定依頼ができ、しかも無料で利用できます。
査定結果も一度に最大4社まで表示できるため、不動産会社の条件を比較しやすいです。机上査定の結果から気になる不動産会社にコンタクトを取ることも可能であり、スムーズに訪問査定に移行しやすいのも魅力的なポイントです。
「戸建てを高く売りたい」「不動産会社を探すのが手間」という人は是非一括査定を使ってみましょう。
戸建ての査定価格を左右する9つのポイント
戸建ては建物と土地に分けて査定が行われるので、それぞれどんなポイントが査定額に影響するか知ることが大切です。査定時にチェックされやすいのは次の9つです。
チェック箇所 | 影響度 | |
---|---|---|
建物 | 築年数 | ★★★★★ |
外装(屋根、傾き) | ★★★ | |
内装(間取り、生活動線、雨漏り、異臭有無) | ★★★ | |
設備(水回り、破損状況) | ★★ | |
付加機能の有無 | ★ | |
土地 | 交通の便などの立地条件 | ★★★ |
土地の面積・形状 | ★★ | |
日照・眺望 | ★ | |
接道道路との関係 | ★★ |
査定額への影響度が大きいポイントの評価が高いと高額査定も期待できます。
建物のチェックポイント
築年数
戸建ての査定でまず見られるポイントは築年数です。当たり前ですが、築年数が古い家ほど査定価格が低くなります。
建物部分には法定耐用年数という指標が定められており査定の評価基準となります。
法定耐用年数は住宅構造によって異なり、例えば居住用の木造建築は22年、鉄筋コンクリート造なら47年と定められています。一般的には木造の戸建てが多いので築20年を超えた戸建ての査定価格はゼロになることも珍しくありません。
下のグラフは国土交通省が調査した「戸建て売却価格と築年数の関係」をまとめたものです。木造戸建ては築15年で急激に価値が下がり、築20年を超えると新築購入時の1割程度になると発表されています。
参照情報:国土交通省HP
築年数と売却相場を関係をまとめると下記のようになります。
- 築10年の家の価値は、新築物件の半分ほど
- 築15年の家の価値は、新築物件の3割
- 築20年の家の価値は、新築物件の1割程度
戸建てが古くなると価値が下がるのはイメージできると思いますが、注意しなければいけないのは築20年を過ぎると戸建ての価値が急激に下がってしまうということです。築30年を超えた物件は「古家付きの土地」として土地のみの価格で取引されるのが一般的です。
「親から古い家を相続したけど、管理や維持費の負担が大きく家を手放したい。」「でも、どうやって売ればいいか分からない・・。」このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか?日本では相変わらず新築の人気が高く、築40年を過ぎた古い家を売る[…]
法定耐用年数を迎えている物件は、経年劣化が進行しているとみなされ査定額が下がる傾向です。しかし、法定耐用年数はあくまで税務上の考えかたであり、実際の建物の寿命とイコールではありません。
外装(屋根・外壁・建物の傾きなど)
屋根や外壁の塗装剥がれ、破損個所がないかを確認します。築年数が経った戸建ては、木部が腐食している箇所も出てくるので査定額に大きく影響します。
また、水平器等を使って建物の傾きも確認します。建物の傾きは、窓や扉の開閉に影響するので、傾きが明らかな物件は売却できないことすらあります。
内装(間取り、生活動線、雨漏り、異臭有無)
部屋がきれいな状態であるか、異臭はしないか、生活しやすいかもポイントになります。使いやすい間取り、家具を配置しやすい、生活導線がすっきりしているなどが考慮されます。
床下や屋根裏の点検口や押し入れ、クローゼットなどの天井部に雨漏り跡や木部腐食がないかも確認されます。
特に日当たり悪い箇所はシロアリ被害が発生している可能性もあるので、念入りに査定でチェックされます。
雨漏りやシロアリ被害が発生している場合は、修繕が求められる場合もあります。
また、壁紙やフローリングの劣化状況も査定時のチェックポイントです。
設備状況(水回り)
キッチン、お風呂場、洗面化粧台などの水回りの設備のグレードや保存状況を確認します。
高級システムキッチンや大型の給湯質があれば、査定額が上がる可能性は高いでしょう。一方で、長年生活していれば水回り設備は劣化があります。清潔が保たれにくい場所でもありますから普段からのメンテナンスが大切です。お風呂やトイレ、独立洗面台が汚いと査定額に影響しますので、綺麗にしておくと良いでしょう。
また、キッチンやお風呂場の水圧が弱い場合も査定額に影響します。
付加機能
次のような付加的機能が付いている戸建てほど高く査定してもらえます。
付加機能 | 加点項目 |
---|---|
ホームオートメーション機能 | ・遠隔操作設備 ・自動点灯証明 ・モニターTVシステム |
自然エネルギーの利用 | ・太陽熱温水器設置 ・太陽光発電機設置 |
冷暖房の設備 | ・セントラル冷暖房 ・床暖房設備 |
土地のチェックポイント
交通の便などの立地条件
戸建て住宅の査定では、その物件がある場所も評価のポイントです。
交通の便に関しては最寄り駅までの距離/分数、近くの公共交通機関がバスしかない場合は、バスの運行便数・バス停までの距離/分数などがを基準に交通利便性が高ければ評価が上がります。
また、家の周辺にスーパーや商店街などの商業施設・学校や保育園などの教育施設、病院などの医療機関があるかも評価のポイントとなります。
これらの施設から徒歩10分が相場の目安となり、それ以上近いとプラス、遠いとマイナスになります。
エリアによって市街化調整区域に指定され建物の再建築ができない土地もあり、このような土地は査定価格に大きなマイナスとなります。
土地の面積や形状
土地の査定額は面積や形状によって変化し、広くて使いやすい形をしているものほど、高額査定を得られます。
反対に、土地の形状がいびつ過ぎて整っておらず使い勝手が悪い場合や、土地が狭すぎて新たに敷地内に物を置けない場合など、購入希望者にとって使い勝手が悪い土地の場合は査定額が下がる要因になります。
エリアごとの地価によっても変動はしますが、土地そのものの使い勝手も考慮されることは覚えておきましょう。
日当たり・眺望
快適な生活空間を決める要素として日当たりや眺望も査定時にチェックされます。
日当たりは道路に面している方角がどちらに向いているか確認されます。評価が高いのは日当たりのよい南向きで、次に東向きの部屋が好まれます。
評価が下がりやすいのは夕日がきつくなりやすい西向きの方角や、日当たりが悪い北向きです。また、仮に南向きの部屋だったとしても、周辺環境によって日当たりが悪い場合は評価が下がってしまうこともあります。
また、少し高台にあって見晴らしが良い場合には眺望の良さが加味され、逆に建物に囲まれているような土地はマイナス査定の要因となります。
接道道路との関係
道路に面している間口が車が十分には入れる程の幅(4m)があるか、接面道路との高低差が生活の利便性に影響する程ないかなど、隣接している道路と土地の関係も査定で確認されます。
また、隣接している道路がアスファルトで舗装されているかもチェックポイントの1つです。道路と接している間口が広いほど高額査定を得やすいです。
所有している土地の相場を知りたい場合、実際の売買価格や税金など、調べる目的によって参考にする価格に差が生じます。また、不動産業者に査定を依頼する場合も、不動産業者によって査定額に差があるのが現状です。なぜ、このように同じ土地に対して[…]
その他査定に影響するポイント
戸建ての査定を受ける際、不動産会社の目視で分からない部分に関しては売主が説明を求められる場合もあります。
また、査定額は市況感や近隣の売り出し状況によって変動します。
権利関係
査定時には登記簿謄本の所有者と売主が同一人物かの確認が行われます。例えば、相続した戸建てを売る場合に、たまに売主と登記簿謄本の所有者が異なる場合があります。
このような場合は登記簿謄本の所有者でないと物件の売買ができないため、直ちに登記上の名義を変更しなければいけません。
境界や越境の状況
土地の境界が確定されているかどうか確認が行われます。境界に関しては確定測量図があれば境界が確定している証となります。確定測量図があれば、査定時に不動産会社に写しを提示して下さい。
また、屋根、ブロック塀、エアコン室外機などの越境がないかの確認があります。特に相続や中古で戸建てを購入した方は認識があいまいになっている場合があるので注意が必要です。
周辺物件の売り出し状況
周辺の物件の売り出し状況、特に売りたい戸建てと似た条件の物件の売り出し価格が査定価格に影響します。
競合となる戸建てが安く売りだされている場合は査定価格が安くなる場合が多いです。
例えば、相場4000万円の似た条件の戸建てが3000万円で売り出されている場合、もちろん3000万円の方に買い手が集まりますよね。
仲介業者としては「売れる価格」を査定価格として提示しなければいけないので、周辺の売り出し状況を見ながら査定価格を決定します。
株価やローンの金利などの景気動向
景気も戸建ての査定価格に深く影響を与えます。
日経平均株価が下がっているなど、日本経済が低迷していると戸建てを含む不動産の購買需要も減り、価格も減少していきます。(もちろん逆も然りです)
以下のグラフでも日経平均株価とマンションの売却額(成約価格)との相関性が分かると思います。
以上が戸建て査定で見られるポイントです。
「土地売却を検討しているけどまずは査定をしてもらいたい!」そのように考えている方も多いのではないでしょうか。査定は売却を検討する上で非常に大切な工程です。この工程をおろそかにしてしまうと、売却までの過程の中でトラブルや不満に[…]
査定で失敗しないための注意点
戸建て査定を上手に活用するには、次の3つの注意点も把握しておかなければなりません。注意点を知った上で、失敗しないように売却活動に繋げていきましょう。
有料のハウスクリーニングは査定時に不要
高額査定を狙って、査定前に業者にハウスクリーニングを依頼する方もいらっしゃいますが、査定価格を上げることにあまり寄与はしません。
不動産会社は売り出し前にハウスクリーニングをする前提で査定してくれるので、査定前にハウスクリーニングをして査定価格が上がることはほとんどありません。
ハウスクリーニングが効果を発揮するタイミングは購入検討者が見つかって内覧してもらう時です。購入検討者は見た目の印象悪いと購入意欲が低くなるので、内覧直前にハウスクリーニングをしましょう。
査定前のリフォームも不要
中古の戸建てを購入される方は「安く買って、自分好みにリフォームしたい」という人が多いです。購入者を限定してしまう可能性もあるので査定前のリフォームオススメできません。
リフォーム履歴があるとメンテナンス状況がよいとされて査定価格の向上に繋がることはありますが、だからといって売却のためだけにリフォームをする必要はありません。
リフォームによって売却価格が上昇するのは僅かであり、かけた費用分を回収できずにマイナスになることがほとんどです。居住のために行うリフォームはなんら問題ありませんが、売却のために行うのは避けて、どうしても修繕が必要なら簡単な修理だけに留めましょう。
リフォーム費用分を差し引いて売り出した方が結果的に戸建てが売れやすくなるでしょう。
マイナスポイントを隠すことはNG
物件にマイナスポイントがあると査定価格は下がりますが、問題を隠してはいけません。物件のマイナスポイントを隠し売却してしまうと、物件を引き渡し後に問題点が発覚し、トラブルになることも多いです。
事前に通知していない問題点が引き渡し後に見つかると、瑕疵担保責任を追及され、損害賠償責任を問われたり、契約の解消を求められたりすることも少なくありません。
事前に不動産会社に伝えておき買主にも説明し、納得の上での売却なら責任を追及され、不動産会社のないので、担当者には隠し事はせずに正直に伝えることが大切です。
土地に埋没物がある、シロアリや雨漏りの被害がある、周辺環境が悪いなどのマイナスポイントも正直に伝え、その上で正確な査定価格を算出してもらいましょう。
なお、瑕疵担保責任は2020年4月の改正民法施行により契約不適合責任となりましたが、基本的な内容は同じと考えて問題ないでしょう。
査定価格通りの金額で売却できるわけではない
売却時には査定価格を参考に資金計画を立てたり、売り出し価格を決めますが、この金額は絶対的な指標ではありません。査定価格は変動性の高いものであり、売却時の予想価格です。
そのため、査定額がそのまま売却価格になるとは限らず、実際に売りに出すと売却価格が下がる可能性があることは理解しておきましょう。
もちろん、査定価格通りに売却できないのは反対のケースもあり、売り出し価格を査定価格より高くすれば、査定価格よりも高額で売れることもあります。実際の売却価格は買主との交渉次第で変化することは、頭に入れておく必要があります。資金計画を立てる際には、変動分も考慮して余裕を持って考えることが大切です。
まとめ
戸建て売却は、何より始めに査定が必要です。
売却完了までは約6カ月ほどと長い時間を要すので、最初の査定の段階をなんとなくで終わらせないよう注意しましょう。
3ヶ月経った頃から、査定結果に不満を覚えまた査定からやり直すなんてことになったら大変です。
戸建て査定の一番のコツは「複数の会社から査定をうけること」です。
査定結果を比較し、担当者の売却への意欲や誠実さ、信頼度を比較し、やっと不動産会社を決定する。
最初手間に感じるかもしれませんが、満足のいく査定結果、後悔のない戸建て売却を達成するには必要不可欠です。
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すまいステップ戸建て査定は土地やマンションの査定と比べて個別性が高く、難度が高いですし、査定担当者によって大きく変動することも珍しくありません。
特に、建物を解体して更地で売却することを考えている担当者と、古家のまま売却できると考える担当者とでは、査定額にも大きな差が出るでしょう。
もちろん、高い査定額をつけたところで売却できなければ意味はありません。
ある程度売却期間がかかってでも高値で売りたい場合には、古家のまま売却することに強みを持つ不動産会社に依頼するなど、状況に応じて仲介先を変えることも考えるとよいでしょう。