ここ数年の短期的なスパンで見ても、日本国内のマンション価格は一定の幅で上下を繰り返しています。一般に、マンション価格を左右する要素としては路線価、周辺地価、立地条件などが挙げられますが、時代とともに考慮すべき条件は変化しつづけており、購入する側も臨機応変にデータ解析手法を変えていく必要があります。
マンション価格に影響を与える要素を具体的に理解することによりエリアごとの土地需要が見えやすくなり、不動産取引において損をしにくい投資プランを組み立てることが容易になります。
【2025年版】マンション売却相場はいくら?主要エリア・築年数別の価格相場を解説



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マンションを売る際に考慮すべき価格推移の要素
マンション価格が気になるのはやはり、売却時ではないでしょうか。せっかくの不動産物件ですからできるかぎり高い価格で売り、利益を最大化させたいところですが、予備知識が不充分な状態で売却したのではタイミングを見誤る可能性があり、本来得られるはずの利益を大幅に減らしてしまうことになりかねません、
マンションを売る際に考慮すべき価格変動の要素と今後の動向について、個々のデータや時代背景をまじえて詳しく解説していきます。
周辺地価
マンションの価格推移において、周辺地価はきわめて重要な意味をもちます。ごくシンプルな図式で言えば、「ベースの地価が安定しているエリアの不動産物件は比較的高い価格で売れる」という関係が成り立っており、地価を優先してリサーチすることが不動産投資の基本と言われています。
一般的に、周辺地価については「都市部のほうが上昇傾向にある」と考えることができ、地方分権時代と言われながらもまだまだ東京、大阪といった都市部に不動産需要が集中しているという現状があります。
ただ、ここ数年は郊外エリアでも不動産ブームが起こっており、大都市圏の地価高騰が波及するかたちで郊外の周辺地価もゆるやかに上昇に転じている、という現状がデータからも読み取れます。
路線価
地価とならんで不動産投資において重視すべき要素として、路線価があります。路線価は毎年7月1日に国税庁によって発表される指標で、その年の1月1日時点での基準の路線価を表しています。
路線価の把握が必要になるのは、確定申告の場面です。不動産物件を売却した場合、その利益を確定申告によって記録する必要がありますが、その際に路線価を基準にして所得税額を算出することになり、国税庁はそのことを考慮したうえで申告期限よりも早いタイミングで路線価を公表しています。基準路線価の算出式は以下の通りです。
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立地条件
不動産物件の購買需要は、直接的には周辺の立地条件によって左右されます。一般的に「立地が良い土地」とされるのはコンビニが近くにある、最寄駅やバス停が徒歩圏内、といったエリアを指し、その意味では郊外エリアよりも都市部のほうがベースの地価および路線価が底上げされることになります。
ただ、立地条件にはさらに広い意味があり、過疎化が進む地方都市ではコンビニよりも病院やスーパーのほうが需要があるなど、エリアの特性によって優先される条件は変わってきます。
また、かつてはマイナス要素とされていた条件が時代の流れとともにポジティブに評価されるようになっており、たとえば閑静なエリアなどでは駅から距離のある物件のほうが売れやすいなど、時間軸を含めた地価の動向予測がますます重要になってきています。
利益率
賃貸物件への投資では、物件の利益率も考慮しなくてはなりません。賃貸物件の利益率を左右する要素としては、
- 空室率
- 修繕コスト
- 耐用年数
などがあります。まず、空室率についてはおよそ1年に1室~2室程度のペースで生じるのが通常とされており、マンション経営者としてはあらかじめ空室リスクについて具体的にシミュレーションしておく必要があります。
不動産物件の資産価値を具体的にシミュレーションする方法として「収益還元法」があります。アパート経営での物件査定によく用いられる計算方式で、この方式では「賃料」をベースにした資産価値のシミュレーションが行われるため、より実用的なデータを導き出すことができます。
なお、収益還元法によって算出される住宅の資産価値は「リセールバリュー」ともよばれ、住宅を今の状態のままで売却した場合いくらで売れるか、ということを数値的に表しています。
リセールバリューは主に住宅の立地によって決められ、郊外よりも都市部、都市部よりも山手エリアという風に、人口が密集している地域のほうがより高い値段で売れるという法則があります。
ただ、郊外エリアでも自然が豊かであったり、周辺施設が充実したりしていれば自然とリセールバリューが底上げされる可能性がありますので、まずは不動産業者に査定を依頼しましょう。
隣接地に目をむけるというのも、資産価値アップのための有効な方法です。たとえば、活用法が難しい北向きの道路に面した土地をもともと所有していた場合、南側の土地をあわせて買い上げて更地にし、駐車場などに改装することによって物件としての資産価値がアップします。
アパート経営などでは基本テクニックとして知られていますので、マンションや一戸建てを再利用したい、という方はぜひとも視野に入れておきましょう。マンションの価値というと、一般には「都市部のほうが無条件に高い」と思われがちですが、必ずしもその通りではなく、むしろ郊外エリアの一軒家のほうがリフォームの柔軟性などの面で根強い需要があり、都市部のマンションよりも安定した査定がつけられる場合があります。
地価や路線価がマンション相場に与える影響
マンション価格が地価や路線価によって左右されるのは、不動産投資における基礎知識ですが、なぜ地価や路線価に注目することでマンション価格を類推することができるのでしょうか。地価と路線価からマンション価格を予測するテクニックと今後の動向について詳しく見ていきましょう。
地価と売却価格は比例する
地価とマンションの売却価格が比例関係にあることは、不動産投資における鉄則です。つまり、地価はそのエリアの需要を表していると考えることができ、その水準に見合った売却価格を設定することによってマンションを売れやすくすることができます。
売却価格の設定は実際には不動産業者との間で取り決められることになりますので、まずは売却活動のスキルが高い不動産業者をピックアップすることが重要になります。
「郊外=相場が低い」わけではない
一般的には、「郊外エリアになるほど不動産需要が低くなる」と考えられているかもしれませんが、周辺路線価と公示地価をデータとしてチェックしてみると、必ずしもそのイメージ通りには動いていないことがわかります。
もちろん、全体として立地が良い大都市圏や地方都市については長期的に地価が安定していますが、だからといって郊外エリアのニーズが奪われているわけではなく、むしろ、「リタイア後は閑静なエリアでのんびり過ごしたい」と考えるシニア世代にとっては都市部から距離のある郊外エリアのほうが魅力的に映る場合もあります。
将来的に需要が高まるエリアとして注目されているのが「半都市エリア」です。かつてはベッドタウンに住宅地が集中したように、今後は都市部から片道1時間圏内で通うことができる郊外エリアの地価が上昇していくだろうと見られています。
詳細データはウェブサイトからチェックできる
マンション価格のベースとなる地価や路線価などのデータは、自治体の窓口でも入手可能ですが、最近ではウェブサイト上から手軽にダウンロードできるようになっており、公示地価などの情報についてもリアルタイムでチェックすることができるようになっています。
公示地価は毎年1回、7月1日付で公開され、国税庁のウェブサイトから誰でも無料で閲覧することが可能ですので、マンションの売買を控えている方はこまめにチェックしておきましょう。
・地域格差は縮小傾向
・郊外エリアでも地価高騰
・データをこまめにチェック
地域差によるマンション価格の違い
いつの時代も、エリアごとの特性によって不動産需要が変わってくるものですが、ここ数年は特に地域によるマンション価格のばらつきが大きくなっており、なおかつ「都市部=地価安定」という図式が根底からくずれつつあります。
マンション価格の地域差が生じるおもな要因と現状について具体的にお伝えしていきますので、将来的な不動産売買を検討している方はぜひとも参考になさってください。
郊外でも強みがあれば地価高騰
マンション需要は周辺の人口比や人口密度と密接な関係があり、かつては「都市部のほうが物件は売れやすい」というのが不動産業界の常識のようになっていました。
しかしながら、リーマンショック以降は周辺地価から見たエリアごとのパワーバランスが大きく変わりつつあり、郊外エリアであってもはっきりとしたセールスポイントがあれば地価が上昇し、マンション価格も高騰しやすいという状況が見られるようになりました。
郊外エリアの物件において魅力となり得るポイントは、「日常的な利便性」です。都市部では駅やコンビニなどが近くにあるほど住みやすいと思われますが、郊外エリアでは小規模なコンビニよりも比較的大規模なスーパーやショッピングモールなどが魅力とされ、また自動車の保有率も高いため、駅やバス停から距離が離れているエリアの物件でも高価格で買い手が見つかりやすい、という傾向があります。
現在は高層化より低層化
2000年以降、都市部を中心にタワーマンションがブームとなり、30階、50階建てを超える超高層マンションの建設ラッシュが起きましたが、リーマンショックを境にトレンドが一変し、ここ数年はむしろ低層マンションの需要が高まっていると言われています。
トレンドが変化する要因のひとつには2011年の東日本大震災があり、震度7クラスの大規模な災害にそなえるという意味では高層マンションよりも低層マンションのほうがリスクが低いという認識が広がったことが高層マンションブームの収束につながりました。
より興味深いのは、東日本大震災の影響を直接受けていない西日本から九州エリアでも同様の傾向が見られることで、首都直下型地震のリスクが高いとされる関東近郊では今後も長期的な動向として低層マンションの需要が高まっていくだろうと予測されています。
マンション経営も多様化
不動産物件のトレンドと同様に、不動産経営の在り方も多様化しています。特にここ数年で注目されているのがサブリース契約で、「低リスクではじめられる安全なマンション経営」として宣伝されることもあります。
サブリースとは、マンションの経営者がサブリース会社と直接契約を結び、得られた賃料収入のなかから毎月一定の金額を給与のようなかたちで還元する方式の契約で、空室があっても経営者側の収入が減ることはないため収入の見通しが立てやすい、というメリットがあります。
サブリース契約などの新しい発想の賃貸経営が今後全国的に定着すればエリアごとの地価バランスも大きく変わり、都市部と郊外の格差がますます均質になっていくことが予想されます。
マンション価格が大幅に変動したタイミング
時代の流れとともに、日本全国のマンション価格は変動してきました。地価の高騰を引き起こしたイベントとしては、第一次東京オリンピック景気、高度経済成長、不動産バブルなどが挙げられます。
一方、地価を下落させた要因には、リーマンショックやバブル崩壊などがあり、大まかに見ると1990年をひとつの境として不動産価格の潮目が変わったという流れがあります。
割安にならないうちに効率よくマンションを売却
不動産物件も大きく見れば消耗品であり、長期間にわたって放置していると必ず資産価値が目減りしていきます。不動産投資ではまず優良な不動産業者をピックアップし、長い視点で売却プランを経て、必要に応じてこまめにメンテナンスを行う、ということが重要になります。