2024年1月現在、前年に比べて中古マンションを売りに出す人は増加しています。
以下は、2023年1月と2月に新規に売りに出されたマンション件数を、前年同月の件数と比較した表です。
マンション新規登録件数 | 1月度 | 2月度 |
---|---|---|
2023年 | 16.588件 | 16,343件 |
2022年 | 12,597件 | 12,951件 |
前年比率 | +31.7% | +26.2% |
(東日本不動産流通機構「月例速報Market Watchサマリーレポート2023年1月度」と「月例速報Market Watchサマリーレポート2023年2月度」を参考にすまいステップ編集部が表を作成)
コロナ禍以降、新規に売りに出される中古マンションの件数は減少傾向にありました。しかし、2022年には売り出し件数が再び増加し、2024年も増加傾向が続いています。
本記事では分譲マンションを売る人が続出している理由や今後のマンション市場につて解説。記事後半では、分譲マンションの売却を成功させる方法について明します。
分譲マンションを売る人が続出している理由
1章では分譲マンションを売る人が続出している理由を詳しく解説します。
分譲マンションを売る人が続出している理由
- 中古マンションの価格は高騰している
- マイナス金利解除で今後金利が上がる
- 在宅ワーク増加による住宅需要の変化
- テレワークによる住宅需要の変化
中古マンションの価格が毎年上昇してる
分譲マンションの売る人が続出している一番の理由は、「高く売れるから」です。
中古マンションの価格は2013年から10年連続で上昇しています。
2020年を100とした場合、2025年現在はマンションの価格が約2倍にもなっています。
つまり10年前に購入し、10年住み続けたマンションでも買ったときよりも高く売れる状態です。
参考:レインズ「国土交通省、不動産価格指数(2024-01-31))」
マイナス金利解除で今後金利が上がる
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除することを決定しました。
今後は徐々に金利が上がるため、住宅ローンを組んでマンションを購入する人が減ると想定されます。
そのため、金利が上がる前の駆け込み需要として、現在中古マンション市場はバブルを迎えています。
在宅ワークの増加による需要の変化
マンションを売る人が増えた理由として、より広い家や自分好みな家を求め住替えをする人が増加したことです。
新型コロナウイルス感染症の影響により、企業でテレワークが普及、その結果自宅にいる時間が増えたことにより住宅の需要が変化しました。
自宅時間が増えた結果、仕事をする部屋をもう少し快適にしたいと感じたり、自宅時間を快適にするために自分好みに部屋をカスタマイズしたいと住替えをした方が増加しました。
中古マンションはエリアや間取りの選択肢が多い
下記の画像は、エリアからの新築マンションと中古マンションの売り出し数です。
参考:SUUMO
希望エリアにおける新築マンションは、中古マンションに比べて数が少なく、選べるマンションの数が限られています。
また、検索数が多いほど、物件のレパートリーも増えます。以下の画像は新築マンションと中古マンションの間取り数の差です。
参考:SUUMO
上記の画像のように中古マンションだと、新築よりも間取りが広かったりレパートリーが多いです。ということは、買主はニーズに合ったマンションを探しやすいという事です。
このように現状、中古マンションは、新築マンションよりも多く流通しており、レパートリーも多いので売却しやすくあります。
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分譲マンションの高騰はいつまで?マンション市場の今後
分譲マンションを売る人が続出している背景に、新規共に中古マンション価格の高騰があります。
ですが、今後もマンションの価格が高騰していくとは限りません。この章では今後のマンション市場について考えていきます。
都心部では今後も高騰する
近年、インバウンドの回復や円安の影響で、日本の不動産を購入する海外投資家が増えています。今後さらに円安が進めば、日本の不動産需要が高まるため、価格も増々高騰します。
そして、新築価格に連動して、中古マンションの価格も上昇していくので、都市部などの人気エリアのマンションは新築、中古共に高騰するとされています。
郊外では下落の可能性も
人口減少が進むとされる地方や郊外では、人口減少に伴い、新たにマンションの購入を検討する人が少なくなるとされています。
マンションを買いたいと思う人が少なくなれば、当然、価格の下落が進みます。よって、都市部とは異なり、人口減少が進む地域では、今後マンション価格が大幅に下落する可能性があります。
金利の上昇で需要減
日本銀行は2024年3月19日にマイナス金利政策の解除を決めました。これにより、今後は徐々に金利が引き上げられます。
金利の引き上げは、マンションの購入を考える人に大きな影響を与えます。金利が引き上げられることで、住宅ローンの利息が増えるため、最終的に支払う額が増えます。
そのため、金利が高いと住宅ローンを組んで、マンションを買う人が減ります。マンションの需要が減ると価格が引き下げられるため、今後は金利の引き上げに伴い、マンションの価格も下がっていくと予想できます。
分譲マンションの売却でよくある失敗
2章では、分譲マンションの売却でよくある失敗を紹介します。
失敗例を事前に知っておくことで、実際に自分がマンションを売却する際に、備えることができるでしょう。
相場よりも安く売却してしまった
市場価格より安く売ってしまった。(50代・男性) もっと高く売れそうだったけど、相場が分からなかったので、売ってしまった。(60代・男性) |
引用:日本トレンドリサーチとタクシエ(TAQSIE)による調査
分譲マンションの売却でよくある失敗の1つが「相場よりも安く売却してしまう」ことです。こうした失敗の背景には、売却に関する知識不足が挙げられます。
手順や期間がわからないと、売却期間に余裕がなくなり、早く売却を成立させるために安値で売ってしまったり、マンションが売れにくい時期に売り出してしまったりします。
マンションを売るには以下の手順があります。
実際に売却する際は、全体の流れをつかむのと同時に、いつ、何が必要になってくるかをしっかりと確認しましょう。
また、マンションを売り出してから買主が見つかり成約に至るまでの平均期間は約4カ月です。余裕をもって売却期間は半年を想定しておく必要があります。
オーバーローンで損をしてしまった
売却は出来たが思ったよりローンの残債が多くなり、差額を埋めるために借金が発生した(40代・男性) |
引用:日本トレンドリサーチとタクシエ(TAQSIE)による調査
分譲マンション売却でよくある失敗の2つめは「オーバーローンによる赤字」です。
ローン残高が売却価格を上回る場合、オーバーローンとなり、不動産を売却してもローンの負債が手元に残ります。
不動産を売却するには、大前提としてローンを完済しておく必要があるため、売却価格で返済できない場合は、自分の預貯金を切り崩し支払う、もしくは、今あるローンとは別に借入を行う必要があります。
不動産業者選びに失敗した
最終的に業者に誘導されるように価格を下げてしまった。もっと強気で当たるべきだった。(60代・男性) |
引用:日本トレンドリサーチとタクシエ(TAQSIE)による調査
よくある失敗3つめは「不動産会社の選定ミス」です。マンションなどの不動産を売却する際、不動産選びは非常に需要になります。
不動産会社といっても、会社によって、業務の得意不得意があります。売却に強い不動産会社であれば、相場よりも低い価格で売却や、交渉の際、売主に価格を下げさせるようなことは考えにくいです。
分譲マンションの売却を成功させるコツ
ここでは分譲マンションの売却を成功に導く方法を紹介します。
不動産売却の知識をインプット
マンションの売却は不動産会社が先陣をきって行ってはくれますが、自身でも不動産売却に関する最低限の知識を身につけておきましょう。
というのも、知識ゼロのままマンションを売却しようとすると、不動産会社の思うようにされてしまう可能性があります。
また、実際にマンションを売却する際、スムーズに行うためにも、マンション売却の流れや売却時にかかるお金などは把握しておきましょう。マンション売却の流れについては4章で、売却時にかかるお金は以下で詳しく説明しています。
マンションの売却時にかかるお金
マンションを売却するにはお金がかかります。以下が売却時にかかるお金です。
仲介手数料と合わせると、マンション売却にかかるお金は売却価格の5~7%程度と言われています。
▼仲介手数料以外にかかる主な費用・税金
費用 | 金額の目安 |
---|---|
仲介手数料 |
|
譲渡所得税 |
|
印紙税 | 1~3万円程度 (マンションの売却価格によって異なる) |
抵当権抹消費用 |
|
住宅ローンの一括返済手数料 | 5,000円~3万円程度 |
証明書類の発行費用 | それぞれ200~600円程度(申請方法により異なる) |
引越し費用 | 10~30万円 |
ハウスクリーニング費用 | 6,000~5万円 |
売却に強い不動産会社を選ぶ
不動産会社といっても、種類は様々です。賃貸物件を紹介する不動産会社もあれば、売却に特化した不動産会社や、客付けを行うのが上手な不動産会社があります。
マンションの売却を考えるのであれば、売却に特化した不動産を選ぶとよいでしょう。
売却に特化した不動産会社であるかどうかの見極めは、ホームページや店頭に掲載されているチラシなどで判断が可能です。
媒介契約を見定める
マンションを売却する際には不動産会社と売却に関する契約を結ぶのが一般的です。
この契約を媒介契約と呼びます。媒介契約には3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
3種類の媒介契約をしっかりと比較して自分の条件にあった契約を結ぶこともライバルに差をつけるためには必要なポイントです。
具体的な媒介契約の内容とメリット・デメリットを簡単にまとめておきますので参考にしてください。
一般媒介契約とは
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約可能で、自分で買い手を探すこともできます。契約期間に定めがなく比較的自由度の高い契約といえるでしょう。
ただし不動産流通機構への登録や売買活動の状況報告などが義務付けられていないため、売却活動の進捗状況が分かりにくい点はデメリットといえます。
専任媒介契約とは
専任媒介契約は1社のみとの契約ですが、自分で買い手を探すことが可能です。
最長で3カ月の契約と定められており、一般媒介契約よりは縛りがある契約内容となっています。
不動産流通機構への登録や売買活動の状況報告が義務付けられているため、売買活動の進捗状況がわかりやすい点はメリットです。
専属専任媒介契約とは
専属専任媒介契約は1社のみとの契約で、自分で買い手を見つけた場合でも不動産会社に仲介手数料を支払う必要がある契約内容です。
もっとも縛りがある契約内容ではありますが、1社のみに専属で売却を依頼するため積極的に売買活動を行ってもらえる可能性が高いという点ではメリットが大きいといえるでしょう。
さらに不動産流通機構への登録、進捗の報告も義務となっているため早く確実に売却したい人には向いている契約内容といえます。
分譲マンションを少しでも高く売るポイント
ここでは、分譲マンションを少しでも高く売るポイントを紹介します。
複数の不動産会社に査定依頼する
マンションの査定価格は不動産会社によって異なります。
そのため、一社だけでなく複数の会社に査定依頼を出し、査定価格を見定めたうえで媒介契約を結ぶ不動産会社を決定する必要があります。
とはいえ、複数の不動産会社に査定を依頼するのは面倒です。すまいステップは一度に複数の会社に査定を依頼することが可能です。完全無料のサービスなので気になる人はお気軽にお問合せください。
ハウスクリーニングの実施
少しでも高く売るためには、ハウスクリーニングを実施しましょう。室内の清潔さは、売却価格に大きな影響を与えます。
もちろん、日々の生活においての掃除も重要ですが、少しでも高く売るためには、専門の業者によるハウスクリーニングを実施し、日ごろのお手入れでは落としきれない汚れを落とし、室内を新品同様にすることで物件の価値を上げることができます。
価格交渉は妥協しない
内見を行い、購入希望者からマンションを買いたいという申し出があれば、最終的な価格交渉が行われます。実際に取引する価格はここで確定します。
価格交渉自体は、仲介役である不動産会社が行いますが、最終的にいくらで売るか判断するのは売主本人です。
その際、妥協は禁物です。ここで売買契約を成立させないと、もうこの先買手が見つからないと考え妥協するオーナーも多いです。
ですが、売却を急いでないのであれば、値下げを安易に受け入れることはやめましょう。
売り出しからここまでくるのに対し、大して時間がかからなかった場合、人気物件と考えていいため、他にも所有するマンションを買いたいという購入希望者は現れる可能性が高いです。売却を成功させるには長い目を持つことが大事です。
分譲マンションを売却する際の注意点
分譲マンションを売却する際は以下の点に注意してください。
リフォームはできるだけ行わない
マンションを売却する際、リフォームを検討する人も多いですが、かえって逆効果になることもあります。
理由は、買主によっては、購入後、自分好みにマンションをリフォームしたいと考える人もいるからです。
そのため、リフォームはできるだけ行わないでおきましょう。
物件の瑕疵は必ず報告する
購入者と後にトラブルに発展することを防ぐためにも、物件の瑕疵は不動産会社に必ず報告しましょう。
瑕疵とは、通常備わっているべき品質や性能を欠いていることで、物件の欠陥を指します。
たとえば、売主が瑕疵を把握しているにもかかわらず、報告しなかった場合は、購入者から賠償を求められることがあります。また、該当する部分の修理、交換は、売主の負担になります。
最低売却価格を決めておく
なかなか売れない、もしくは購入希望者から価格交渉があった際、値下げは避けられません。
そういった状況に備えて、事前に「最低売却価格」を決めておくといいでいいでしょう。
最低売却価格とは、「本当は4,0000万円で売りたいけれど、ローンが完済できる3,500万円なら売ってもいい」といったラインのことです。
また、最低売却価格を決めておくことで、逆算して売却価格を決めることもできます。
マンションを売却する際には、売り出しの時期が重要となります。
マンションの需要が高い時期や、修繕が行われた直後、周辺に競合となる物件の売り出しがないタイミングなどる売り出し時期を見逃さないということがマンション売却を成功させるために大切になります。