離婚時の不動産売却に発生する税金とは|その税金対策と注意点

離婚に伴う不動産の売却や譲与は、発生する税金の種類が異なってきます。早く離婚協議を終わらせるためにも、早く売却してしまいたいと気持ちが焦る部分もあるでしょう。しかし、のちのちのトラブルにならないよう、財産分与や必要な税金の手続きをしっかり行っておきましょう。
また、受けられる特別控除や名義変更などについて協議することによって、支払う税金の額が大きく異なります。必要なポイントを押さえて、無駄のない財産分与と税金対策ができるよう心がけましょう。

離婚時の不動産売却には譲渡所得税が発生

不動産の売却には、離婚時であろうとなかろうと譲渡利益があった場合には、譲渡所得税が発生します。譲渡所得税とは所得税と住民税から成り立っており、不動産の売却価格から諸費用を差し引いた額がプラスであれば、必ず納税しなければなりません。ただし、持ち家を売ったケースは、3,000万円の特別控除が適応されるので、ほとんどの場合は譲渡所得税はかかりません。

譲渡所得税の計算

特別控除の条件から外れてしまったり、譲渡所得が3,000万円を超えた場合は、譲渡所得税を支払います。

まずは譲渡所得を求める

譲渡所得税を計算するには、まずは譲渡所得を計算します。

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

取得費とは、不動産購入時に支払った購入価格や仲介手数料などを指します。また設備費や改良費などもこの取得費に含めることができます。譲渡費用は、売却の際に必要になった諸費用のことです。具体的には、仲介手数料や印紙税、更地にして売った場合には、その解体費などが当てはまります。特別控除が受けられない場合、この譲渡所得に対して譲渡所得税がかかります。

所有期間によって税率が異なる

譲渡所得税は、その不動産の所有期間によって税率が異なります。所有期間が5年以上の場合を長期譲渡、5年未満の場合を短期譲渡と呼びます。この場合の所有期間とは、購入した日から売却した日ではなく、売却した年の1月1日を基準にして数えますので注意が必要です。
例えば2010年5月1日に不動産を取得し、2015年7月1日に売却した場合したとします。実際の所有期間は5年2ヶ月ですが、手放した基準日が2015年1月1日ですので、4年7ヶ月となり短期譲渡と判断されます。
譲渡所得税は、所得税と住民税に分けられますが、所得税には2.1%の復興特別所得税が加算されます。復興特別所得税も含めたトータルの税率は以下の通りです。

?短期譲渡長期譲渡
所得税30.63%15.315%
住民税9%5%
合計39.63%20.315%

このように、短期で譲渡するよりも、5年以上経った長期譲渡の場合の方が税率が低くなります。またこれらの税金は、他の所得と分けて計算する分離課税方式ですので、不動産売却の行った場合必ず確定申告が必要です。忘れずに申告しましょう。

譲渡所得税の計算の例

それでは、例として譲渡所得税を実際の数字を使って計算してみましょう。売却価格が2,000万円、取得費が1,500万円、譲渡費用が200万円とし、特別控除が受けられない場合を考えます。

2,000万円(売却価格)ー1,500万円(取得費)−200万円(譲渡費用)=300万円

特別控除が受けられる場合は、この300万円から差し引かれます。特別控除が受けられない場合はそのまま300万円が課税譲渡所得となります。
短期譲渡所得の場合

300万円(課税譲渡所得)×39.63%(所得税+住民税)=1,188,900円

長期譲渡の場合

300万円(課税譲渡所得)×20.315%(所得税+住民税)=609,450円

{
・譲渡所得税が発生
・課税譲渡所得の計算
・所得税と住民税の計算
}

売却利益で財産分与する場合の税金

不動産を売却した際に、売却価格が購入金額を上回った場合、財産分与の対象になります。財産分与で課税対象となるものは、不動産の他に、株式、ゴルフ会員権、絵画、骨董品などがあります。原則的に財産をもらう側には税金はかからないとされています。
また夫婦間で不動産を譲渡した場合、分与した人に譲渡所得税が課税されます。この場合、基本的には贈与税はかかりません。不動産取得税に関しても、財産の清算のために行っているため基本的には課税対象になりません。ただ財産分与のバランスが悪い場合や、脱税と判断された場合は贈与税や不動産取得税が発生する場合があります。
売却利益で財産を分与する場合は、まずは不動産業者に査定を依頼して査定額を調べてみましょう。不動産会社探しはすまいステップがおすすめです。全国の優良不動産業者が登録しているので、あなたの地域にあった不動産業者を見つけやすくなっています。わからないことがあれば相談もできるので、信頼できる不動産業者を探してみてください。

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不動産売却の財産分与で発生する他の税金

離婚による不動産売却の財産分与に関わってくる税金は、譲渡所得税の他に、登録免許税、固定資産税、不動産取得税、消費税があります。

登録免許税

登録免許税とは、登記の時に支払う必要がある税金のことです。離婚時による財産分与登記の登録免許税の金額は、不動産の固定資産評価証明書の価格×2%となっています。例えば固定資産評価額が2,000万円だった場合、登録免許税は40万円となります。また登記を司法書士にお願いする場合は、その手数料も必要になります。
名義の変更だけで高額な税金がかかるため、名義変更をせずそのままにしておくことを考える人もいますが、名義変更を怠るとのちのちのトラブルになりかねません。離婚手続き中には、必ず名義をどうするかの協議を行いましょう。

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日に不動産などの固定資産を所有している人にかかる税金です。1月1日現在の所有者に納税義務があるため、財産分与で不動産を分配した場合、どちらが固定資産税を支払うのかを協議する必要があります。固定資産税は、固定資産評価額×1.4%がかかるため、高額になりえます。
また、不動産が夫婦共有名義の場合で、夫が支払う合意をしていたとしても、実際に夫が支払わなければ妻に納税通知書が送付されることになります。離婚の原因が夫にあった場合などは、慰謝料の代わりに住宅ローンを払い続け、返済が終わってから妻に名義変更するというパターンもあるようです。固定資産税もまた離婚手続き中に必ず協議しておきたい項目の一つです。

不動産取得税

不動産取得税とは、文字通り不動産を取得したときにかかる税金です。離婚前に不動産を譲渡した場合贈与と判断され、受け取った側に不動産取得税が課税されます。ただし、離婚に伴う不動産の譲渡は財産分与として扱われるので、基本的には不動産取得税は発生しません

消費税

不動産を売却したとき消費税が課税されるのは、建物部分のみです。また不動産売却時に、消費税の課税対象になるのは事業者のみで、個人が売却した場合は対象になりません。ただし、投資用のマンションなど、住居用以外の不動産を売却した場合は、消費税の課税対象となります。また以下のものは、個人であっても消費税の課税対象となります。

  • 不動産業者へ支払う仲介手数料
  • 司法書士へ支払う手数料
  • 融資手続きの際の手数料
  • 不動産会社など事業者と売買を行った場合

{
・登録免許税
・固定資産税
・不動産取得税
}

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離婚時の財産分与で税金を抑えるコツ

離婚時の財産分与は多額の税金が発生する場合があります。それらの税金は、特別控除や離婚後の譲渡、金銭で支払うことや、配偶者控除を利用するなどで抑えることができます。そのような税金対策のコツを詳しく紹介します。

3,000万円の特別控除を受ける

マイホームを売却した際に、一定の条件を満たすと3,000万円の特別控除を受けることができます。しかし、この特別控除は夫婦間や親子間での譲渡では適応されません。そのため、離婚後に譲渡することによって、3,000万円の特別控除を受けるという方法があります。この特別控除を受けると、3,000万円までは譲渡所得税が発生しません。
ただし、この特例には条件があり、その条件を満たしていないと特例を受けられないので、事前に調べておきましょう。特例を受けるための条件は以下の通りです。

  • 自分が住んでいる不動産を売った場合、あるいは住まなくなった日から3年を経過する年の12月31にちまでに売った場合
  • 売った年の前年や前々年にこの特例や、マイホームの譲渡損失の繰越控除を受けていないこと
  • 売った年の前年や前々年にマイホーム買い替えやマイホーム交換の特例を受けていないこと
  • 収用等の特別控除など、他の特別控除を受けていないこと
  • 売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係でないこと

譲渡の際に金銭で支払う

財産分与の際、金銭以外のものは譲与所得税が課せられますが、金銭で支払う場合は基本的に税金がかかりません。財産分与での節税したい場合はできるだけ金銭でのやり取りを心がけましょう。

軽減税率の特例を受ける

マイホームを売却する場合に、その不動産の所有期間が10年を超えていれば、軽減税率の特例を受けることができます。これは長期譲渡に対してかかってくる税金が軽減される特例です。軽減率は以下の通りです。

?長期譲渡(5年越)軽減税率適応時(10年以上)
所得税15%10%
住民税5%4%

※上記の表には、復興特別所得税は含まれていません。
この軽減税率の特例は、3,000万円の特別控除と重ねて受けることができます。また条件は3,000万円の特別控除と同じく、婦間や親子間での譲渡では適応されないので、離婚後に譲渡する必要があります。

配偶者控除

20年以上婚姻関係があり、夫婦間で不動産を譲渡する場合、最高で2,110万円(基礎控除110万円、配偶者控除最高2,000万円の合計)の控除を受けることができます。この控除は「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」と呼ばれています。この控除を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
  • 配偶者から贈与された不動産が、自分が住むための住居用不動産であること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けたものが実際に住んでいること

{
・特別控除を受ける
・離婚後に譲渡する
・金銭で支払う
}

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離婚時期で税金が変わる?住宅ローン控除を受けている時の注意点

住宅ローン控除を受けている場合は、離婚をするタイミングによって税金が大きく変わります。住宅ローン控除とは、ローンを組んで住宅を購入した場合に、10年間所得税が減額になる制度のことです。この住宅ローン控除は、住宅ローンの名義人が自宅に住むことが前提となっています。
例えば夫の名義で住宅ローンを組み、離婚後もそのまま夫がその住宅に住み続ける場合は問題ありません。しかし、住宅ローンの名義人が夫で、不動産を妻に譲渡した場合、住宅ローン控除の条件から外れてしまうので控除を受けることができません
たとえ離婚によって住宅ローン控除をあきらめたとしても、住宅ローン控除の基準日である12月31日の手前で離婚を予定しているときなどは、12月31日を過ぎた1月まで離婚を待ったほうが所得税が安くなります。たとえ1年分だとしても、この控除は大きいので離婚を延ばすことができるようならぜひ行いましょう。

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