マンションを売却する方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」があります。
売却の方法として一般的なのは「仲介」です。
仲介は、マンションを購入したい買主を、売主に紹介(仲介)することで、売買取引が成立します。
一方で、「買取」は不動産会社がマンションを購入します。
不動産会社が買主となるため、仲介手数料がかからない売却方法です。
しかし、マンションの売却には、不動産会社への仲介手数料以外にも、かかるお金があります。
本記事では、マンションを買取で売却する場合にかかる費用や手数料を詳しく解説します。



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マンション買取では仲介手数料は基本無料
マンション買取では仲介手数料が基本的にはかかりません。
その理由は、買取と仲介の仕組みの違いにあります。
マンション買取は仲介手数料が無料
マンション買取では「仲介手数料」がかかりません。
そもそも仲介手数料とは、「仲介」で売るときに、不動産会社が売り主の代わりに買主を探し成約したときに生じる、不動産会社への成功報酬のことを指します。
そのため、買主ではなく不動産会社に直接売却をする「買取」では、買主を探す「仲介人」の役割を果たさないため、仲介手数料は生じません。
買取の場合の不動産会社への報酬は、買取価格を算出するときにあらかじめ差し引かれた価格で提示されます。
マンション買取相場=市場価格の80%
- 10% は再販するためのリフォーム費用として引かれる
- 10% は不動産会社への利益として差し引かれている
マンション買取でも仲介手数料がかかる場合
マンション買取をする場合でも、「不動産会社に買取業者探しを依頼した場合は仲介手数料がかかります」ので注意が必要です。
不動産買取業者に「直接」買取を依頼せず、不動産会社や紹介会社を通して買取をした場合、買取業者を「仲介」した不動産会社に仲介手数料を払います。
マンションの買取でできるだけ費用を抑えて売りたい人は、不動産買取を専門に行なっている買取業者か、不動産仲介会社の中で、自社で直接買取も行ってくれる会社に依頼することで、仲介手数料不要でマンションの買取を進めることができます。
マンション買取にかかる手数料・費用
マンションを買取で売却する場合、主にかかるお金は以下の通りです。
手数料・費用 | 金額の目安 |
---|---|
印紙税 | 200円~数万円 |
抵当権抹消登記費用 | 2,000円 |
司法書士への報酬 (抵当権抹消登記を依頼した場合) | 1万~2万円 |
譲渡所得税 | 売却益×約20%または約40% (控除が受けられれば支払いがないことも多い) |
住宅ローンの一括返済手数料 | 5,000円~2万円 |
この章では、各種費用・手数料について、解説していきます。
印紙税
印紙税とは、金銭の取引をする契約書や、領収書を作成する時に課される税金です。書面に収入印紙を貼り付けることで納付します。
マンションの買取では、不動産会社と売買契約を結び、売買契約書を作成する時に印紙税がかかります。
印紙税の金額は、以下の表の通りです。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え100万円以下のもの | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」(2022年9月22日閲覧)
なお、平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成される契約書類については、印紙税に軽減税率が適用されます。
抵当権抹消登記費用
住宅ローンを組んでマンションを購入していた場合は、売却前にマンションに設定されている「抵当権」を抹消する手続きをしなければなりません。
抵当権の抹消は、法務局に「抵当権抹消登記」を申請して行います。
抵当権抹消登記には、手数料として2,000円かかります。
マンションの場合は、土地の所有権と建物部分の所有権の計2件で、2,000円を支払います。
また、抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合には、司法書士への報酬として別途1万~2万円がかかります。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、マンションを売却した利益(儲け)にかかる税金です。
譲渡所得税は、以下の式によって求められます。
=(マンションの売却益-特別控除額)×税率
={マンションの売却価格-(購入にかかった費用+売却にかかった費用)-特別控除額}×税率
売却するマンションが、自宅用マンションだった場合は、最大3,000万円まで控除を受けられます。
そのため、売却益が3,000万円を上回らなければ、譲渡所得税は支払わなくてよいです。
(売却益があった場合は確定申告は必要です。)
売却するのが自宅用マンションでない場合は、売却益に税率をかけ合わせて、譲渡所得税を求めます。
(自宅用マンションの売却益が3,000万円を上回る場合は、控除額を差し引いた金額に税率をかけ合わせます。)
税率は、マンションを所有していた期間に応じて異なります。
所有期間 | 所得税(※) | 住民税 |
---|---|---|
5年を超える | 15.315% | 5% |
5年以下 | 30.63% | 9% |
(※復興特別所得税2.1%分を含めた税率)
所有期間は、売却した年の1月1日を基準に年月を計算します。
2020年5月1日に購入したマンションを、2023年12月1日に売却した
⇒2023年1月1日時点で所有期間を計算する
所有期間は2年8ヶ月
また、売却するマンションが自宅で、更に所有期間が10年を超える場合には、上記の表の税率よりも安い税率を適用できる特例があります。
課税長期譲渡所得金額 | 所得税(※) | 住民税 |
---|---|---|
6,000万円までの部分 | 10.21% | 4% |
6,000万円を超える部分 | 15.315% | 5% |
(※復興特別所得税2.1%分を含めた税率)
受けられる税制上の特例は、売却するマンションの所有状況によって異なってきます。
マンションの売却にかかる税金について、更に詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
住宅ローンの一括返済手数料
マンションを売却する時に、住宅ローンを繰り上げで一括返済すると、一括返済手数料がかかります。
住宅ローンの一括返済手数料の相場は5,000円~2万円です。
金融機関や返済の手続き方法よって、金額が異なります。
たとえば、三井住友銀行で借入れをしている場合、全額繰り上げの一括返済手数料は以下の表のようになります。
手続き方法 | 一括返済手数料 |
---|---|
インターネットバンキング | 5,500円 |
窓口の専用パソコン | 11,000円 |
窓口の書面手続き | 22,000円 |
マンションは、住宅ローンの残債が残ったままでは売却できません。
必ず売却時に、売却代金で一括返済をします。
決済に関しては、不動産会社がサポートしてくれますが、ローン返済の流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考にしてください。
マンション売却時に住宅ローンの残債がある場合の売却方法をわかりやすく解説!
その他場合によってかかる費用
ここまで解説してきた費用以外に、売却に伴って住み替えをする場合は引っ越し費用がかかります。
マンションの家財を、一時的に別の場所へ保管する必要がある場合は、トランクルームなどの利用料がかかるでしょう。
すまいステップの一括査定では、仲介の不動産会社と、買取を行っている不動産会社に、同時に査定依頼をすることができます。
仲介と買取、それぞれの査定金額を比較して納得した上で、売却方法を決められます。



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マンション買取で手数料を安くする方法
マンション買取でできるだけ手数料や費用を抑え、手取り額を多くするために工夫は他にもあります。
この章では、マンション買取で費用をなるべく安く抑えためにできる不動産会社選びや手続きのコツについて解説します。
知っておくことで得する情報を紹介するのでぜひ参考にしてください。
- サービス内容・引き渡し条件を比較する
- 登記手続きを自分で行う
- 5年以上所有してから売る
サービス内容・引き渡し条件を比較する
不動産会社選びの際は、不動産会社が提供しているサービス内容を確認し、自分にあったサービスを選ぶことで手数料を削減することにができます。
例えば、買取して欲しいマンションに残留物が多く残ってしまっている方は、不用品を処分してくれるサービスを提供してくれる会社を選ぶのがお勧めです。
以下の条件を不動産買取業者の担当者と確認しておきましょう。
確認しておくべき条件
- 不用品(残置物)を処分してもらえるか
- 不用品の処分費用は査定額から既に差し引かれているか・追加でかかるか
- 引き渡し時期を希望に合わせてもらえるか
登記手続きを自分で行う
抵当権の抹消登記は司法書士などの専門家に依頼することが一般的ですが、必ずしも司法書士へ依頼しないと手続きが行えないというわけではなく、自分で行うこともできます。
5年以上所有してから売る
譲渡所得の税率は所有期間によって異なる特殊な税金で、詳細は次の通りです。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 譲渡所得率 |
短期譲渡所得(5年以下) | 30.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得(5年超) | 15.315% | 5% | 20.315% |
長期譲渡所得(10年超) | 10.21%~15.315% | 4%~5% | ①課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21% ②課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315% |
マンションを5年以内に売ると、所得税が30%もかかりますが、5年以上所有することで15%に半減します。
売却期限が決まっておらず、売却時期に余裕のある方は5年以上所有してから売ると売却費用を大幅に抑えることができます。
マンション買取を選ぶと仲介よりも手数料や費用を節約できる
マンションを売却するにあたって、「買取」を選ぶと、「仲介」の時に不動産会社に支払う仲介手数料は無くなります。
マンションの売却にかかる手数料や費用の多くは、仲介手数料が占めるので、買取では支出を抑えてマンションを売ることができます。
ただし、仲介手数料を無くした分だけ高く売るというのは、難しいです。買取での売却価格は、一般的に仲介の相場価格の6割~8割程度になります。
マンションを引き渡したい時期が決まっていたり、早めに現金を手にしたい事情がある場合には、買取での売却がおすすめです。
また、マンションを現状のまま売却できるというメリットも、買取にはあります。
メリットと注意点を踏まえた上で、売却方法を判断しましょう。