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実家の処分はどうすればいい?スッキリ片付けるための準備と費用の節約方法を解説!

  • 更新日:2023年11月28日
実家の処分はどうすればいい?スッキリ片付けるための準備と費用の節約方法を解説!

親から相続した実家を処分しようと思った時、何から手をつけていいか、迷う方もいらっしゃるでしょう。

家を処分する方法として一番に考えられるのは「売却」ですが、相続したままの状態では、すぐに売却できません

この記事では、実家を処分するまでの流れと、しなければならない準備について、詳しく解説しています。

また、実家の処分に関して、どんな費用がどれくらいかかるかについても、解説しています。

古い家を売る6つの方法をわかりやすく紹介!費用・税金や節税対策も解説

実家を処分する流れ

実家を売却して処分できるようにするまでには、以下のような手順を踏みます。

この章では、実家の処分に向けての大まかな流れを解説します。

遺言書の有無を確認する

親(被相続人)が亡くなり、相続が開始したら、まずは遺言書の有無を確認します。

遺言書には、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類があります。

保管場所家裁の検認
自筆証書遺言(※)自宅必要
秘密証書遺言自宅必要
公正証書遺言公証役場不要

(※)法務局での保管制度を利用している場合は、法務局で閲覧でき、検認も不要です。

自宅で保管されている自筆証書遺言・秘密証書遺言は、自分で開封してはいけません
遺言書として有効にするためには、家庭裁判所で「検認」してもらう必要があります。

公正証書遺言が遺されているかどうかは、公証役場で照会できます。

遺産分割をする

遺言書が存在する場合には、遺言書の通りに故人の財産(現金・不動産・証券類など)を分割し、相続します。

遺言書が存在しない場合や、遺言書通りの遺産分割をしない場合(法定相続人が遺留分を主張するケースなど)は「遺産分割協議」をして、遺産の分割方法と割合を決めます

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遺産分割協議は、必ず法定相続人全員が集まって話し合いをします。

遺産の分割方法には、以下の3種類があります。

分割方法概要
実物分割故人の遺産を、相続人でそれぞれ分け合う
代償分割分割割合に則するように、大きな財産を相続した人が他の相続人に金銭を支払う
換価分割遺産を現金に換えてから相続人で分け合う

実家(不動産)以外に大きな遺産がなく、相続人で売却益を分け合いたい場合には、「換価分割」がおすすめです。

【家相続】費用から手続きの流れ、よくある質問まで徹底解説

実家を名義変更する

実家の相続が決まったら、家の名義変更をする必要があります。この手続きを、「相続登記」といいます。

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登記簿上の所有者は、自動的には変わりません!

不動産は、名義が異なる人が売却することはできないため、実家を売却するなら必ず相続登記が必要です。

相続登記は、最寄りの法務局で申請できます
登記の申請手続きを、司法書士に依頼して代行してもらうこともできます。

【初心者向け】不動産の名義変更とは?費用・必要書類について解説!

遺品整理・家財処分をする

家を売却するためには、基本的には家の中を空っぽにする必要があります。
名義変更の手続きと並行して、遺品の整理や家財道具の片付けを進めましょう。

家の中に遺された物を、要る物・要らない物に選別し、不要品は処分します。

家屋の解体を依頼する場合も、家の中に家電や家具が残っていると費用がかさむため、なるべく自分で片づけておくのがおすすめです。

特にきょうだいがいて、それぞれ遠方に住んでいる場合、誰が率先して片付けを行うのか何を処分せずに取っておくのか、話し合って決めておきましょう。

また、トラブルを未然に防ぐために、片付けを行う人以外が、後から口を出さないことも約束してくとよいでしょう。

実家の査定を依頼する

実家を売却するために、不動産会社の査定を受けます。

査定は、名義変更の準備中や、家の中を片付け終える前でも依頼できます

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早めに査定を受けておくのが、早期に実家を処分し終えるコツです!
査定の結果から、媒介契約を結ぶ不動産会社を決めて、実家の売却を進めていきます。
売却の流れは、以下の通りです。

売却の流れ

実家を売る手順を解説!相続手続きや処分費用まで紹介

相続した不動産の売却に強い不動産会社なら、名義変更手続きや税金についてもアドバイスを受けられます。

すまいステップの一括査定では、最大4社まで同時に査定を依頼できるので、不動産会社を比較して決めやすいです。

家に居ながら、実家近くの地元密着型の不動産会社にも査定依頼ができるので、是非ご利用してみてください。

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実家を処分するための5つの準備

この章では、実家を売却する前の具体的な準備について解説します。

特にきょうだいがいる場合は、話し合って決めるべきことについて、あらかじめ確認しておきましょう。

不要品を処分する

家に遺された物について、要る物に関しては相続人が引き取り、不要な物は以下の方法で処分しましょう。

  • 買取に出す
  • リサイクルする
  • ごみ回収に出す
  • 業者に依頼する

粗大ごみは、自治体によっては一度に出せる数に決まりがあります。ホームページなどで確認しておきましょう。

遺品の量が多かったり、時間の都合で、相続人自身で片付けや処分をするのが難しい場合は、業者に依頼することもできます
業者の種類概要
遺品整理業者遺族に代わって遺品を整理し、不要な物は買取や処分をする。場合によっては供養もしてくれる。
不用品回収業者不要品の買取や処分をする。遺品整理は事前に遺族が行う必要がある。
処分する物の量やオプションサービスによって、かかる費用は異なってくるため、依頼する場合は複数業者で査定を取ることをおすすめします。

家の売却時、不用品はどうするべき?処分する6つの方法や期限を解説

仏壇・神棚・お墓をどうするか決める

実家にある仏壇や神棚は、寺社に供養や祈祷をしてもらってから、移動や処分を行いましょう

また、お墓についても引越しをするのか、実家近くの寺院に残しておくのかを決めなければなりません。

▼仏壇の引越し・処分

仏壇を相続人の家に移動する場合、事前にお寺の住職に供養(魂抜きなど)をしてもらいます。そして、引越し先の家で、改めて供養をしてもらいます。

仏壇を処分する場合には、移動する時と同じように供養をしてもらいます。
その後、お寺や仏壇店、不用品回収業者に引き取ってもらうか、粗大ごみとして処分します。

供養は、宗派ごとに異なります。
不要な場合もあるため、実家の菩提寺(檀那寺)に確認しましょう。

▼神棚の処分

神棚を処分する場合、神棚に祀っている「お札」を神社に返納します。
神棚自体の処分は、神社でお焚き上げをしてもらうか、神社で祈祷をしてもらった神棚は、自治体の規定に従ってごみとして処分できます。

▼お墓の引越し・処分

先祖のお墓を移す場合には、自治体に「改葬」を申請する手続きが必要です。まずは、菩提寺や墓地の管理団体に相談しましょう。

改葬の法要をしてもらう以外にも、墓石の解体費用などがかかります。

実家の処分方法を決める

実家そのものをどのように処分するかも、決めなければなりません。

▼「仲介」で売却する

不動産会社に、広く買主を募集してもらう売却方法です。買主を不動産会社が仲介するので、「仲介」といいます。

広く買いたい人を募るので、買取よりも、高く売れます

一方で、買主が現れるまで売却が完了しないため、売却期間の見通しが立ちづらいというデメリットがあります。

売却に時間をかけられる時間があり、できる限り高く売りたい場合には仲介がおすすめです。

▼「買取」で売却する

不動産会社に、直接家を買い取ってもらう売却方法です。

買取可能であれば、早く・確実に売却ができます。
ただし売却価格は、仲介で売却した場合の相場の6~8割程度になります。

2ヶ月以内に確実に売却したい場合は買取がおすすめです。

また、仲介では基本的に家の中の物を全て処分する必要がありますが、買取業者によっては、家財が残された状態でも売却ができます

不動産買取とは?仲介との違い・入金までの期間など、買取の疑問を徹底解説

▼知人や親族に譲渡する

知人や親族に譲渡する(個人間売買する)という方法もあります。

ただし無償での譲渡や、著しく低い価格での譲渡は、贈与と見なされます。譲渡された相手に贈与税が課されることに注意しましょう。

親族間売買とは?通常の不動産売買との違いや税金を解説します

実家の購入費用がわかる書類を探す

家を購入した時の費用がわかれば、節税に繋がります

家を売却した時に利益が出ると、利益に対して税金を納めなければなりません

この「利益」とは、以下の式で計算します。

利益=売却価格-(売却にかかった費用+家を購入した時の費用)
利益の金額が小さいほど、税金の金額も抑えられるので、家を購入した時の費用がわかれば節税に繋がるのです。
古い家の場合は大変かもしれませんが、実家の土地の売買契約書や、家屋の工事請負契約書などを探してみましょう。
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実家の購入価格がわからない場合は「売却価格の5%」を代用して、利益を計算します。

隣家と境界が確定しているか確認する

実家を売却する場合は、隣地との境界線が確定していなければなりません

具体的には確定測量図」があるかどうか、土地に境界標が残っているかを確認します。

確定測量図がない場合、売却前に土地家屋調査士に依頼して、確定測量をします。
確定測量には3ヶ月程かかるため、早めに確認しておきましょう。

確定測量ってなに?確定測量が必要なケースや費用感についても解説!

実家の売却について不安がある場合には、一括査定を通じて不動産会社に相談してみましょう。
すまいステップの一括査定では、営業実績豊富な担当者が、査定を担当してくれます。
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実家の処分にかかる費用

実家の処分にかかる費用は、大まかに実家の売却準備にかかる費用」「売却手続き上でかかる費用」「実家を所有している期間中にかかる費用に分けられます。

費用がかかる時期費用の種類
売却準備中
売却手続き上
所有期間中

売却の準備にかかる費用は、売却の方法によって金額が変わったり、かからなかったりします。

また、実家の所有期間中にかかる費用は、早期に売却ができれば節減できます

以下から各種費用について、詳しく見ていきましょう。

家屋の解体費用

実家を更地にしてから売却する場合、家屋の解体費用がかかります。

取壊しにかかる金額は、家屋の構造や、広さ・大きさに応じて異なってきます。

大まかな相場は、以下の表の通りです。

家の構造解体費用の坪単価
木造3~5万円/坪
鉄骨造5~7万円/坪
鉄筋コンクリート(RC)造6~8万円/坪

また、以下のような費用もかかります。

かかる費用概要
付帯工事費用塀や門、庭など家屋以外の解体・撤去費用。工事内容によって金額は大きく異なる。
廃材処理費用解体で出た廃材を処理する費用。相場は5,000円~2万円/㎡。
整地費用解体後、更地に整える費用。相場は、粗整地で300~600円/㎡。

自治体によっては空き家の解体に補助金を出しているため、更地にする場合は自治体HPなどを確認してみましょう。

家の解体費用はいくら?相場価格より安く抑える方法や解体の必要性を解説

不用品の処分費用

家の中の不用品を、業者に依頼してまとめて処分してもらう場合、相場の目安は以下のようになります。

間取り相場の目安
1LDK7万円~
2LDK12万円~
3LDK18万円~
4LDK以上22万円~

かかる費用は、回収する不用品の量と、作業にあたる人数・時間地域で異なってきます。

処分が大量になる場合などは、車両費以外に人件費もかさんでくるため、相場よりも高額になる可能性があります。

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サービス内容によって、プラン料金にオプション料金が追加でかかる業者も多いため、できれば複数社に、事前に見積もりを出してもらいましょう!
遺品整理業者に依頼する場合、遺品の要不要の確認の立ち会いや、供養などのサービスも、価格に影響します。
総務省の調査では「10万円から40万円の間の取引が多かった」と報告されています。

相続登記(名義変更)の費用

法務局での相続登記(名義変更)には、登録免許税と、手続きの必要書類の取得手数料がかかります

登録免許税は、実家の固定資産税評価額の0.4%相当の金額です。登記申請書に、印紙を貼り付けて支払います。

必要書類の取得手数料は自治体によって多少異なりますが、1通数百円程度です。

司法書士に登記申請を依頼する場合は、上記の実費を含めて、平均6万円~8万円が費用の相場です。(3人の法定相続人の内、1人が単独相続したケース)

参考:日本書士会連合会「司法書士の報酬」(2022年9月5日閲覧)

司法書士の報酬には決められた基準がなく、各自で定められています。そのため、依頼の相談時点で見積もりを出してもらうのがおすすめです。

確定測量費用

確定測量にかかる費用の相場は、35~80万円です。(100㎡程度の土地の場合)

価格に幅がありますが、以下のケース当てはまる場合は、費用が高額になりやすいです。

  • 土地が官有地に隣接している
  • 隣接している土地が多い
  • 測量しにくい形状・状態である
  • 土地に関する資料を集めるのが難しい
  • 隣地の所有者とトラブルがある

仲介手数料

不動産会社の仲介で実家を売却した場合、「仲介手数料」という名目で報酬を支払います。

仲介手数料は、不動産会社ごとに定められているものですが、上限金額は法律で決まっています

法定の仲介手数料の上限金額は、売却価格に応じて変わります。以下は、仲介手数料の速算式の早見表です。

売却価格仲介手数料の上限
200万円以下(売却価格×5%)+消費税
200万円を超え400万円以下(売却価格×4%+2万円)+消費税
400万円を超える(売却価格×3%+6万円)+消費税

たとえば、売却価格が2,000万円だった場合の仲介手数料の金額は、以下のようになります。

(売却価格×3%+6万円)+消費税10%
=(2,000万円×3%+6万円)+消費税10%
=66万円+6.6万円
=72.6万円

譲渡所得税

実家の売却で利益があった場合、利益に対して譲渡所得税(所得税と住民税)を支払います
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって決まります。
この所有期間は、親(被相続人)の所有期間を引き継ぎます
所有期間所得税率住民税率合計税率
5年以下30.63%9%39.63%
5年超え15.315%5%20.315%
(所得税率に復興特別所得税2.1%分を含む)
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たとえば、100万円の利益があった場合、所得税が15万3,150円住民税が5万円かかります。
実家売却の税金や節税対策について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

印紙税

印紙税は、契約書や領収書を作成する時に課税される税金です。

実家を売却した時は、利益が出ても、出なくても支払います。売買契約書に、印紙を貼り付けて納付します。

印紙税の金額は、以下の通りです。

売却価格(契約書の金額)本則税率軽減税率
10万円を超え50万円以下400円200円
50万円を超え100万円以下1,000円500円
100万円を超え500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円1万円
5,000万円を超え1億円以下6万円3万円
1億円を超え5億円以下10万円6万円

(令和6年3月31日までは、軽減税率欄の額が適用されます)

参考:国税庁『不動産売買契約書の印紙税の軽減措置』

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者(名義人)に課税されます。
(自治体によっては、更に都市計画税もかかります。)

固定資産税の税率は1.4%都市計画税の税率は0.3%で、固定資産税評価額を課税標準額にして算出します。

土地については、住宅が建っていると、住宅用地に対する税金の軽減措置の対象となり、課税標準額が最大1/6に軽減されています。

しかし、家屋を取り壊して更地にすると、特例の適用がなくなるため、支払い税額は以前と比べて最大6倍の金額になります。

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年を跨ぐ前に売却すると、課税の対象者にならないよ!

空き家・敷地の維持管理費

売却活動中の実家の維持・管理は、売主自身が行います。

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できれば月1回程度、窓を開けての換気や掃除、草刈り、ゴミ拾いをしましょう。

もしも実家が遠方で、頻繁に訪れることが難しい場合は、維持・管理を業者へ委託するサービスがあります。

費用の相場は、月に5,000円~1万円です。

お墓の改葬費用

実家の売却に伴い、家のお墓も移動する場合は、以下のような費用がかかります。

かかる費用費用の相場
墓石の撤去・区画の整備費10~50万円
行政手続きに必要な書類の取得費用遺骨1柱につき0~1,000円
遺骨の取り出し費用遺骨1柱につき3万円前後
遺骨の移動費用(ゆうパック)1,000円程度
閉眼供養のお布施1~5万円
開眼供養のお布施1~5万円
離檀料(檀家の場合)1回の法要のお布施の2~3倍程度
(5~20万円)

お墓の区画の大きさや、納められている遺骨の数によって、費用は変わってきます。

加えて、移転先で新たに埋葬する費用もかかります。

実家の処分を決めたら段取り良く進めて費用を節減しよう

実家を売却して処分すると決めたら、段取り良く準備を進めて、余分な出費を増やさないようにしましょう

相続した状態から実家を売却できるようにするには、遺産分割後に名義変更をきちんと済ませ、家の中を空っぽにできるように片付けを進める必要があります。

スピーディーに売却を進めるには、早い段階で不動産会社の査定を受けておくことが重要です。

実家が遠方だったり、きょうだいが多いと、相続に関する書類手続きや遺品の整理に、思いがけず時間を取られてしまうこともあります。

準備が後ろ倒しになった結果、固定資産税や空き家管理の出費がかさんでしまうのを避けるためにも、今すべきこと・できることを把握して、少しずつでも進めていきましょう

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