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空き家の相続放棄で後悔をしない!基本の手順や検討するべきこと

相続によって空き家を取得することがあり、処分に困ってしまう場合も多いです。不要な空き家は扱いに困るため、最初から相続しないという方法もあります。

相続放棄を選ぶなら、どのような状態になるのかを知っておく必要があります。相続放棄についての理解を深め、空き家の相続や放棄で後悔をしないようにしましょう。

空き家の相続放棄の基礎知識

空き家の相続放棄をするなら、相続放棄についての基礎知識を身につけておくことが大切です。

  • 相続放棄は空き家以外の遺産も対象
  • 相続財産管理人を決めないと管理義務は継続
  • 空き家の相続放棄の期限
  • 一度相続をすると所有権の放棄は困難

基礎知識を身につけて、相続放棄についての理解を深めていきましょう。

相続放棄は空き家以外の遺産も対象

相続放棄によって放棄されるのは、空き家だけではありません。空き家の相続を放棄すると、空き家以外の遺産も放棄の対象となります。ただし、相続放棄をしても受け取れる遺産もあるため、この違いは覚えておきましょう。

相続放棄すると受け取れない遺産は次の通りです。

  • 相続人が受取人となっている保険金
  • 一括払いによる過払いが起きた税金・年金・保険料の還付金

相続放棄しても受け取れる遺産には次のようなものがあります。

  • 死亡保険金
  • 国民健康保険・健康保険組合等からの葬祭費・埋葬料
  • 遺族年金
  • 死亡一時金

それぞれの違いを知り、相続放棄によってなにが受け取れなくなるのかは、理解しておきましょう。

相続財産管理人を決めないと管理義務は継続

相続放棄をした場合でも、他に相続する人がいない場合や、相続できる人が全員相続放棄をした場合では、不動産の管理義務は継続して残ります。管理義務を怠り、建物の倒壊などで周辺住民に危害を加えてしまうと、損害賠償を請求される可能性があります。

自身が相続を放棄し、他の親族が相続をする場合は、相続した人が不動産を管理する義務を負うため問題はありません。もし全員が相続放棄をした場合は、相続財産管理人を立てて、不動産を管理してもらう必要があります。

相続財産管理人は、相続には含まれない親族や司法書士、弁護士などが該当します。司法書士や弁護士に管理を依頼する場合は、高額な費用がかかることもあるため、注意しなければなりません。

空き家の相続放棄の期限

空き家の相続放棄をするには、期限が決められています。相続放棄は相続の開始から3ヶ月以内に行う必要があります。相続の開始日とは、相続の事実を知った日が対象となり、次のケースが該当します。

  • 同居している場合は被相続人が死亡した日
  • 被相続人が死亡したことを通知された日
  • 相続順位の高い相続人が相続放棄することを知った日

相続の事実がわかった日から3ヶ月が期限であり、必ずしも被相続人が死亡した日が相続開始日にはならない点は理解しておきましょう。

一度相続をすると所有権の放棄は困難

2022年現在では、一度相続をした不動産の所有権を、後から放棄することは困難です。相続した不動産の所有権は、売却や譲渡などによって手放さなければなりません。なお、2023年の4月27日から、相続土地国庫帰属法の施行によって相続後の所有権放棄が可能となります。

ただし、所有権を放棄するには特定の条件を満たさなければならず、一度手にした所有権は、簡単には手放せないことは理解しておきましょう。

空き家の相続放棄をする手順

空き家の相続放棄をする手順は、次の通りです。

  1. 相続放棄に必要な書類・費用を用意
  2. 相続放棄を家庭裁判所に申し立て
  3. 受理されると相続放棄の完了

3つのステップを踏み、相続放棄をスムーズに完了させましょう。

相続放棄に必要な書類・費用を用意

相続放棄をするには、必要書類や費用を用意します。手続きに必要な書類は、次の通りです。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票または戸籍の附票
  • 相続放棄をする人の戸籍謄本
  • 相続放棄申述書
  • 800円の収入印紙
  • 郵便切手

相続関係にあることを証明するために、被相続人の戸籍謄本や住民票、戸籍の附票などが必要です。また、自身が相続関係にあることを証明する書類として、自分の戸籍謄本も取得しましょう。

相続放棄をするには、相続放棄申述書を作成する必要があり、裁判所のホームページからダウンロードできます。申請をするには収入印紙が必要であるため、金融機関やコンビニなどで購入しましょう。

相続放棄の申請は書類を揃えて裁判所に郵送して行うため、送付に必要な分の切手代がかかります。各種書類の取得費用と切手代が手続きには必要であり、相続放棄の申請自体は数千円以内で行えます。

相続放棄を家庭裁判所に申し立て

必要書類を集めた後は、相続放棄を家庭裁判所に申し立てます。相続放棄は相続人本人が申し立てましょう。申し立て先は、被相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所です。

受理されると相続放棄の完了

申し立てをして不備がなければ、裁判所から照会書が届きます。照会書に必要事項を記載して家庭裁判所に返送すると、後日相続放棄申述受理通知書が届きます。受理通知書の取得をもって、相続放棄の手続きは完了です。

空き家の相続放棄は専門家に依頼が可能

空き家の相続放棄は自身で行うだけではなく、専門家に依頼することも可能です。専門家に依頼することで、スムーズに相続放棄の手続きを完了させられます。

また、方法次第では費用を安く抑えることもできるため、手続きが難しいと感じるなら、専門家に依頼しましょう。

依頼先は弁護士か司法書士

空き家の相続放棄の依頼先は、弁護士か司法書士です。相続人同士で相続に関するもめごとがある場合は、弁護士に依頼するとよいでしょう。

弁護士なら相続人間の係争にも対応してもらえるため、トラブルを解決しながら相続放棄を行いやすいです。ただし、弁護士に依頼すると費用は高くなりやすく、この点はデメリットでしょう。

相続におけるトラブルがない場合は、司法書士に依頼して手続きを代行してもらうことがおすすめです。司法書士に依頼する場合は、書類の提出や裁判所からの連絡を自身でやり取りしなければならない点がデメリットですが、書類の作成を代行してもらえる点はメリットといえます。

依頼の費用を節約する方法

弁護士や司法書士に相続放棄を依頼すると、高額な費用がかかることもあります。専門家への報酬の支払いを節約するには、法テラスの活用がおすすめです。

法テラスは国によって設置された団体であり、弁護士や司法書士に無料で相談できる場合があります。また、報酬費用の立て替えをしてもらえることもあり、すぐに現金で支払えない人でも利用可能です。

法テラスを利用することで、依頼にかかる費用を大幅に引き下げられるため、資金的な余裕が少ない人は利用してみるとよいでしょう。

相続放棄前に空き家の資産化を検討

相続する遺産の中に空き家が含まれるからといって、必ずしも相続放棄を考える必要はありません。空き家は活用次第では資産化も可能です。

上手に活用するとまとまった現金が得られたり、中長期的に収益化できたりすることもあるため、資産として活用することも検討しましょう。

古い空き家でも売却の可能性はあり

古い空き家であっても、売却できる可能性はあります。家が古くても状態がそれほど悪くなかったり、立地条件がよかったりすると、売却できる可能性は高いです。空き家を売却するなら、どれくらいの価値があるのか、不動産会社による査定を受けて調べておきましょう。

査定額は不動産会社によって異なるため、より正確な価値を知るためにも、複数社から査定を受けることがおすすめです。正確な価値を把握しておくと、古家付きの土地として売るのか、リフォームしてから売るのかなど、選択肢を考えやすくなります。

一括査定サイトのすまいステップなら、一度の登録で複数の不動産会社から効率的に査定を受けられます。登録している業者は優良業者ばかりであるため、信頼できる不動産会社を見つけたい人にもおすすめです。

空き家内の不要物の売却でも現金収入

空き家を売却する際には、引き渡しまでに不要物を処分しておかなければなりません。不要物を捨てるには費用がかかりますが、価値の残っていそうなものは売却し、現金収入を得ることがおすすめです。

たとえばフリーマーケットに出品したり、リサイクルショップに持ち込んだりすることで、不要物でも現金化できます。価値にならないものでも無料で引き取ってもらえるなら処分費用がかからないため、お得に不要物を手放せます。

専門業者による買取を利用

仲介による売却が難しい場合は、専門業者による買取の利用を検討しましょう。買取は不動産会社が買主となるため、業者と直接契約をして売買が成立します。個人の買主を探す仲介とは異なり、不動産会社と売主双方の合意で契約できるため、売却までのスピードが速いことは大きなメリットです。

また、不動産会社は買い取った物件をリフォームやリノベーションして、再販することを目的にしています。そのため、状態が悪い家でも、手を加えずに売却できるのは、買取ならではのメリットでしょう。

デメリットは、仲介よりも売却価格が下がる点です。仲介相場の70から90%程度の価格でしか売れないことも多いため、高値で手放したい人には買取は不向きといえます。

賃貸経営で家賃収入

空き家をリフォームやリノベーションして、賃貸経営をすることでも資産を増やせます。賃貸経営をすると家賃収入が得られ、入居者が確保できるなら、長期的に継続して不労所得を得られる点がメリットです。

ただし、賃貸経営は初期費用が高くなりやすく、経営開始までのハードルは高いです。加えて空室時は家賃収入がなく、維持費がかかって損失が出ることもあるため、ハイリスクハイリターンの活用方法であることは理解しておきましょう。

【Q&A】空き家の相続放棄

空き家の相続放棄をするなら、細かい疑問点まで解消しておくことが大切です。

  • 相続放棄された空き家はどうなるのか
  • 空き家の無償譲渡は可能か
  • 相続放棄をした家に住むことは可能か

Q&Aを参考にして、空き家の相続放棄についての理解を、さらに深めていきましょう。

相続放棄された空き家はどうなるのか

空き家を相続放棄した場合は、他の相続人が管理を引き継ぐことになります。相続人全員が相続放棄をすると、弁護士や司法書士に依頼して、相続財産管理人になってもらい、専門家が管理を行います。

最終的には財産の清算を行い、国が管理するため、空き家は手元には戻ってきません。相続放棄をすると、空き家の所有権を手放すことになる点は覚えておきましょう。

空き家の無償譲渡は可能か

空き家を相続して売却が難しい場合は、引き取り手がいるなら無償譲渡は可能です。ただし、無償譲渡する場合でも、贈与される側が個人なら贈与税が、法人なら法人税がかかることがあります。

また、無償譲渡で不動産広告を出しても、利用価値のない空き家だと引き取り手が見つからないケースもあります。引き取り手が見つからない場合は自身で管理するか、解体して更地にするなどして対処しなければなりません。

相続放棄をした家に住むことは可能か

相続放棄をした家に住むことは、基本的にはできません。ただし、自身が相続放棄をしても、他の親族が相続し、その家に住まわせてもらうことは可能です。

また、空き家を相続した後、不動産会社とリースバック契約を結んだ場合は、空き家に住めます。リースバック契約では空き家を売却し、賃貸契約を結ぶことで売った家に住み続けるものです。業者によっては買戻しが可能なこともあり、将来的に家の所有権を取り戻して、賃貸契約なしで住める場合もあります。

空き家の相続放棄は価値を見極めてから実行

空き家を相続放棄するかどうかは、不動産の価値やその他相続財産の価値を見極めてから行うことが大切です。空き家だからといって、必ずしも価値がないとは限りません。

売却によって現金化できたり、他の方法で活用して資産化できたりすることもあります。相続放棄はその他の遺産の相続まで放棄することになるため、よく考えた上で慎重に行いましょう。

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