【専門家監修】不動産売却メディア「すまいステップ」

離婚で任意売却をするデメリットは?住宅ローン有りの家を売る方法

  • 更新日:2024年2月26日
監修者松岡慶子
監修松岡慶子
神戸大学出身。音楽関係のライターとして、音楽専門誌等に執筆経験がある。 2016年10月28日に大阪市中央区に「はる司法書士事務所」を開設。監修本として「事業者必携 これならわかる 最新 不動産業界の法務対策」「事業者必携 不動産契約基本フォーマット 実践書式80」「図解で早わかり 民法改正対応! 最新 土地・建物の法律と手続き」(いずれも三修社)などがある。
【保有資格】司法書士
【URL】はる司法書士事務所
離婚で任意売却をするデメリットは?住宅ローン有りの家を売る方法

離婚をする場合、財産分与のためにマイホームを売却するケースは珍しくありません。

しかし、売却を行う場合は住宅ローンの残高を完済する必要があります
中には、「住宅ローンを返済する資金がない」と困っている人もいるのではないでしょうか?

そんな時に取れる方法の一つに任意売却があります。
任意売却とは、金融機関の合意があれば、住宅ローンが残っている状態で物件を売買できる方法です。

しかし、離婚時にマイホームを任意売却する際には注意点もあります
この記事では離婚時に任意売却をするメリット・デメリットや、どんな場合に任意売却をするべきかを解説します。

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どんな場合に任意売却すべきか?

信用情報に傷がついてしまう任意売却はなるべくなら避けたい方法です。

しかし、競売にかけられるよりは売却金額が高く、周囲にも隠したまま売却ができるというメリットもあります。
それではどんな場合に任意売却をすべきなのでしょうか?

以下2つのパターンに当てはまるときは任意売却を検討してください。

任意売却するべきケース

  • 残債が払えない場合
  • 連帯保証人をやめたい場合

残債が払えない場合

離婚原因に経済的理由を含む場合、住宅ローンの返済をしていくことが難しいケースもあるでしょう。

例えば、夫婦の共有名義で住宅ローンを借りているような状態です。
2人であれば一人7万5000円の負担でも、離婚してどちらか一人が負担することになった場合、15万円という金額がのしかかります。

つまり、夫婦で生活していたときには経済的に支払いが可能であっても、個々に生活するようになると急にローンの支払いが負担になる恐れがあります。

トラブルを回避するためにも、返済がスムーズにできない可能性が高い場合には、任意売却を選択肢に入れてはいかがでしょうか。

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連帯保証人をやめたい場合

夫婦で家を買う際によくあるパターンが、片方が債務者、もう片方が連帯保証人になる場合です。
もし、債務者が住宅ローンを払えなくなった場合、もう一人が全ての住宅ローンを背負うことになるという事態も考えられます。

こうしたトラブルを防ぐために、連帯保証人をやめたい人もいるのではないでしょうか?

連帯保証人をやめるにはローンを返済する必要があります。
マイホームの査定額がローンの残高を下回り、使える資金もない場合は、任意売却を視野に入れてください。

離婚時に任意売却するメリット

離婚時に自宅を売却する際、まだローンが残っている家庭も多いかと思います。
その際、なるべくなら自己資金を使って残ったローンを返済することが望ましいです。

しかし、離婚時に住宅ローンを返済する資金がどうしてもない時、任意売却を行うのも一つの手です。
ローンを滞納して自宅を競売にかけられるよりはメリットが大きいからです。

ここではそのメリットを解説します。

競売に比べて高く売れやすい

任意売却とよく比較されるのが競売です。
任意売却を選ばずにローンの滞納を続けていると、物件を強制的に競売にかけられます。

競売の場合、売却価格は市場価格の8割に留まるとされています。
もし、競売の売却価格がローン残高を下回った場合は、残ったローンを支払っていかなければなりません。

競売と違い普通の売却と同じものとして扱われるため、任意売却の場合は比較的高く売れやすいです。

周囲に知られず売却できる

競売の場合、近隣に調査をかけることもあるため、近隣に家を競売にかけられたことをすることを知られてしまいます

経済的に困窮していることが知られ、離婚後に周辺には住みづらくなります。

周囲に知られずに売却するためには、離婚によって住宅ローンの支払いが厳しくなる可能性が出てきた段階でい任意売却を利用するとよいです。

売却資金や時期の融通がきく

任意売却の場合、売却価格の中から諸経費を支払うことができます。
競売の場合は、不動産会社に支払うための仲介手数料などの諸経費を別で用意する必要があります。

任意売却であれば、諸経費に関して自己資金を使う必要がない点はメリットといえるでしょう。

また、任意売却の場合はローンの借入先と話し合うことで売却時期の調整をすることも可能です。
離婚の時期がある程度決まったら、それに合わせて売却予定時期を決めることができます。

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離婚時に任意売却するデメリット

競売に比べて、任意売却にはいくつかのメリットがあることが分かりましたね。

ところで、どうして任意売却はなるべく避けたほうがいい方法といわれるのでしょうか?
この章では、離婚時に任意売却を行うデメリットを紹介します。

個人の信用情報に傷がつく

金融機関が任意売却に合意する条件として、住宅ローンの滞納状態が認められることがあります。
つまり、任意売却をする過程において「住宅ローンを滞納した」という記録が残り、信用情報に傷がつきます

そのため、住宅ローンを滞納してから5年~10年の間は、新たにクレジットカードを作ることや金融機関から融資を受けることができません。

債権者との交渉が手間

通常の売却の場合は、不動産会社に仲介を依頼して売主を探すという流れを取ります。

任意売却の場合は、借入先の金融機関などと話し合いを行う手間が増えます

借入先の許可が出ない限り売却することができないため、交渉を行わなくてはならない点はデメリットといえるでしょう。

連帯保証人から同意を得なければならない

任意売却をする場合、連帯保証人から同意を得なければなりません。

よくあるのが、夫が養育費がわりに住宅ローンを払い、妻と子供がその家に住み続けるパターンです。
夫が住宅ローンを支払えなくなった場合、必ず妻に通知し同意を得る必要があります。

連帯保証人であったパートナーと連絡を取らずにこっそり売却することはできません。

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任意売却の前に知るべきこと

メリット・デメリットを考慮し任意売却を決意した場合、下記の4つのポイントに注意してください。

  • 任意売却をしても残債が残った場合、ローンを支払う必要がある
  • 登記上の名義と売却人の一致しなければ売却できない
  • 所有名義を変更しても連帯保証人は変わらない

任意売却をしても残債が残った場合、ローンを支払う必要がある

離婚によって物件を売却する場合、任意売却か競売かは関係なく、残ったローンは支払う必要があります

妻が連帯保証人になっていたり両者の名前でローンを組んでいた場合には、離婚しても両者に支払いの義務が残ります

離婚後にどうしても住宅ローンの支払いが難しいという場合は、債務整理を選択することもひとつです。

ラフソレイユ株式会社が住宅ローンで困っている人に向けて運営しているローン滞納.comで任意売却後に残ったローンについて詳しく解説しているので参考にするのがよいでしょう。

登記上の名義と売却人の一致しなければ売却できない

任意売却を利用する場合、登記上の名義と売却人が一致している必要があります。
さらに、登記上の住所・氏名と契約上の住所・氏名も一致することが条件です。

離婚前に手続きをしておけば、登記変更をする必要なくスムーズに手続きできますが、離婚後に売却する際には手続きが必要です。

また名義人でなければ、例え連帯保証人であっても勝手に不動産を売却できない点にも注意が必要です。
「離婚後に主債務者である元配偶者と連絡が取れなくなり、自宅を売却したくてもできない」というトラブルを避けるためにも、任意売却はなるべく離婚前に行いましょう。

所有名義を変更しても連帯保証人は変わらない

名義が変わっても、連帯保証人はそのまま

離婚時の財産分与において、共有だった家の所有名義をどちらか一人に変更することあるかと思います。
しかし、所有名義が変わるだけでは連帯保証人は変わりません

例えば、夫と妻の共有名義の家があるとします。購入の際は夫が主債務者妻がその連帯人となりました。
2人は離婚し妻が出ていくことになったので、妻の共有持ち分を夫に売却しました。
所有名義が完全に夫のものとなるため、残った住宅ローンは夫が支払います。

しかし、この場合でも妻は連帯保証人から外れたわけではありません
つまり、かつての夫が何らかの要因で住宅ローンを支払えなくなったとき妻が残りを返済する義務があります。

連帯保証人を変更するには、ローンを完済することが必要です。
後々トラブルにならないよう、夫婦のどちらかが連帯保証人の場合は話し合っておくことにしましょう。

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まとめ

信用情報に傷がつく任意売却は、できれば避けたい方法です。
どうしても避けたい場合、自宅をより高く売却してくれる不動産会社を探すのも一つの手です。

査定額の差

上のグラフは、株式会社Speeeが行った不動産の査定額についてのアンケート結果です。
複数の不動産会社から査定を受けた人の約7割が、査定額に100万円以上の差が出たと答えています。
そのため、不動産査定は複数社から受けることがポイントです。

複数社に査定を依頼するならすまいステップ

すまいステップは「宅地建物取引士の資格保有」「不動産売買仲介の営業歴5年以上」「累計100件以上の不動産売買仲介の実績あり」「市場相場よりも高値での不動産売却の実績あり」などの高いハードルを超える不動産会社のみを紹介しています。

不動産や法律の専門知識のある担当者に相談ができます。

査定依頼は完全無料なので、不動産売却を考えている方は一度利用を検討してみて下さい。

【離婚】住宅ローンどうなるの?誰に支払い義務がある?

離婚の財産分与の家について気になる方は「離婚で家を財産分与するには?財産分与の種類や流れを解説」も参考になります。

離婚時の任意売却についてのよくある質問

【Q1】離婚時に任意売却をするときのタイミングは?

基本的には、任意売却は離婚前にすることをおすすめします。これは、売却の手続きを夫婦共同で行う必要があるケースが多いからです。

その理由は3つです。

  1. 離婚後に協議が進みにくくなる
  2. 離婚後に支払いが滞るトラブルを回避する
  3. 財産分与が分かりやすくなる

離婚後に協議が進みにくくなる

離婚してから、任意売却の手続きをすれば良いと考えて先に離婚届を提出してしまうと、協議が進まなくなる可能性があります。

離婚してしまうとできるだけ相手と連絡を取りたくなくなるものです。そうなると売却したくてもなかなか協議が進まずに、住宅ローンの支払いだけが続いてしまうことになります。

離婚後に支払いが滞るトラブルを回避する

どちらかが物件に居住し続けて相手が住宅ローンを負担する場合には、ローンの返済が滞るというトラブルが起こることもあります。

連帯保証人になっている場合は、自分に支払い請求がくるようになり、さらに、支払いができない場合は住宅を競売にかけられてしまうリスクがあります。

このようなトラブルを避けるためにも、離婚前に住居は任意売却して、新しい生活をスタートしておくことも大切です。

財産分与がやりやすくなる

離婚のときには、共有財産を折半することが通常です。預貯金であれば分けることができますが、物件は分けることができません。

ほかに資産があまりない場合も、物件を現金化して折半しておくほうが後々のトラブルを回避することができるでしょう。

【Q2】任意売却の流れは?

任意売却の流れは、大まかに以下の通りです。

  1. 所有物件を不動産会社に査定してもらう
  2. 借入先の金融機関に査定書を提出して任意売却の許可をもらう
  3. 売却活動を開始する
  4. 買い主と契約を交わして、引き渡しを行う

基本的には、通常売却と変わりません。借入先の許可を取る必要があるという点にだけ注意が必要です。依頼する不動産会社は任意売却に強いところを選ぶこともポイントです。

すまいステップは、独自の運営方針をもっており、厳しい審査に通過した優良企業のみが登録することができる査定サイトです。任意売却を行う場合は、金融機関との交渉などもあるため、信頼できる不動産会社を見つけることは重要はポイントになります。

優れた能力をもつスタッフが多い不動産会社を見つけて、損をしない売却方法を考えましょう。

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