「管理費ってなに?」
「修繕積立金との違いは?」
これから分譲マンションを購入しようとしている方で、このような疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
また、「管理費」という言葉は知っているけど、具体的にどこに使われているのか、なぜ払わなければならないのか、などが分からない方も多くいるでしょう。
この記事では、そんな方に向けて「管理費とは何か」「修繕積立金との違い」などについて詳しく解説します。
マンション購入を検討している方はぜひ参考にご覧ください。
分譲マンションの管理費とは
まずは、管理費について確認しておきましょう。
マンションの共有部分や設備の管理や清掃維持費などにかかる費用のこと
マンションでは基本的に管理人が常駐しており、日々マンションの清掃や管理をしてもらっています。
その人件費として管理費がかかるとイメージするとよいでしょう。
管理費に含まれる費用
具体的に、管理費にかかる費用を確認しましょう。
管理費に含まれる主な費用
- エントランス
- エレベーター
- ゴミ置き場
- ラウンジ
- ジム
- 有人サポート
- コンシェルジュ
主にこれらの設備やサービスに対して管理費が発生します。
設備やサービスが充実しているマンションは管理費も高くなる傾向にあることを理解しましょう。
分譲マンション管理費と修繕積立金との違い
管理費と修繕積立金との違いを確認しておきましょう。
マンションの大規模修繕に備えて集めておく費用のこと
管理費は安いほど良いのか?
管理費は安ければ良いとは限りません。
大切なのは、自分が求めているサービスと管理費が見合っているかどうかです。
しかし、「マンション内のジムを利用したい」「24時間有人サポートを受けたい」と思う方は、管理費が高くなっても納得できるかと思います。
大切なのは、自分が求めているサービスや設備が整っているかどうかです。
マンション購入前に、そのマンションではどんなサービスや設備があるのかを確認しておきましょう。
分譲マンション管理費の平均相場
分譲マンション管理費の平均相場をご紹介します。
完成年次別と総戸数別でそれぞれ確認しましょう。
完成年次別の場合
完成年次別 | 平均管理費(円) |
~1969年 | 10,341 |
~1974年 | 10,768 |
~1979年 | 11,857 |
~1984年 | 15,481 |
~1989年 | 14,346 |
~1994年 | 14,997 |
~1999年 | 16,862 |
~2004年 | 17,318 |
~2009年 | 18,327 |
~2014年 | 18,138 |
2014年~ | 19,897 |
完成年次別を見ると、築年数が新しいほど管理費も高いといえます。
築年数の浅いマンションは、設備や共有部分が充実している傾向があるため、必然と管理費も高くなるといえるでしょう。
次に総戸数別での管理費用を確認しましょう。
総戸数別の場合
総戸数規模別 | 平均管理費(円) |
20戸以上 | 19,237 |
21~30戸 | 16,997 |
31~50戸 | 15,049 |
51~75戸 | 15,346 |
76~100戸 | 16,455 |
101~150戸 | 15,069 |
151~200戸 | 15,951 |
201~300戸 | 16,365 |
301~500戸 | 17,703 |
501戸~ | 15,224 |
戸数別で見ると、戸数が少ないほど管理費も高い傾向にあるのがわかります。
これは、戸数が少ないため、一人ひとりの管理費の負担割合が高くなるからです。
ただし、総戸数が多くても、タワーマンションのように共有部分が充実している場合は管理費も高くなるケースがあります。
参考:マンションの管理費の相場・修繕費との違い・値上げの理由(外部サイト)
分譲マンションの管理費が払えないとどうなる?
マンションの管理費が払えなく、滞納するとどうなるのでしょうか。
滞納することのリスクを確認しておきましょう。
管理会社から催促が来る
滞納して1ヶ月以上経過すると、管理会社から支払いの催促が来ます。
1ヶ月であれば大きな滞納ではないため、管理会社もそこまでおおげさな催告はしてきません。
ただし、毎月滞納していると管理会社から信用されなくなる可能性もあるため、できる限り期限内に支払いましょう。
滞納し続けると訴訟や差し押さえされる
滞納が6ヶ月程度になると、管理会社が訴訟を起こす可能性が高くなります。
訴訟の結果、マンションが差し押さえられて最終的に競売にかけられる場合もあります。
マンションを所有している限り支払わなければならないため、事前に管理費について調べておきましょう。
分譲マンション管理費を抑えた不動産選びのコツ
管理費を抑えるためには、正しいマンション選びが大切です。
管理費の高いマンションの特徴を理解しておきましょう。
管理費の高いマンションの特徴
- 共用施設が充実している
- 管理人が常駐している
- 階層が高い
- マンション全体の総戸数が少ない
共用施設が充実している
共用施設が充実しているマンションは管理費が高い傾向にあります。
- 24時間ゴミステーション
- 宅配ボックス
- ゲストルーム
- 駐輪場
- コンシェルジュのサービス
これらの共用部分があると管理費も高くなります。
管理費を抑えたい場合は、共用施設が充実していないマンションを選びましょう。
管理人が常駐している
管理人が常駐しているマンションは人件費が発生するため、管理費が高くなります。
安全面でみれば管理人はいた方がよいですが、管理費を抑えたいのであれば管理人が常駐していないマンションを選びましょう。
階層が高い
タワーマンションなどの階層の高いマンションは管理費が高い傾向にあります。
通常の管理費に加えて、エレベーター用の管理費も徴収されるからです。
非常用ではないエレベーターに関しては設置義務がなく、4階や5階建ての低階層マンションであれば設置されていない場合もあります。
管理費を抑えたい場合は、非常用エレベーターが設置されていないマンションを選びましょう。
マンション全体の総戸数が少ない
マンション全体の戸数が少ないマンションは管理費が高くなります。
管理費はマンション所有者全員で負担するため、戸数が少なければ一人あたりの負担割合も大きくなります。
国土交通省の発表によると1ヶ月の管理費の平均は、20戸以下は5,771円、500戸以上で4,846円です。(参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」)
年間で1万円以上の差があるため、管理費を少しでも抑えたい場合は総戸数の多いマンションを選びましょう。
まとめ
分譲マンションの管理費について解説しました。
管理費は、マンションの共有部分や設備の管理、清掃維持費などにかかる費用のことです。
マンションで快適に過ごすために必要であり、マンションによって費用も異なります。
相場に関しては年々増加しており、現在の平均相場は約2万円まで上昇しています。
少しでも管理費を抑えたい場合は、共用部分が充実していなかったり、管理人が常駐していなかったりするマンションを選ぶようにしましょう。
ただし、あまりにも管理費が少ないマンションは施設が不十分だったり設備が古かったりなどして、快適に暮らせない可能性もあるため、状況に合わせたマンション選びが大切です。