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土地転がしとは?方法と儲けるコツを解説

  • 更新日:2022年10月17日
土地転がしとは?方法と儲けるコツを解説

土地転がしとは、1980年代後半のバブル景気が原因で流行った土地を短期間に繰り返し転売して価格を上げる方法です。

当時は1週間で購入価格の倍以上で売却するケースもあり、不動産投資が過熱しました。しかし、地価の異常なつり上がりと一部の資産家による利益の独占が問題視され、1990年以降、法律の改正が度々行われ、土地転がしに対して様々な規制が設けられるようになりました。

この記事では、土地転がしに関心をもっている方に向けて、土地転がしとは何か、個人が土地転がしするための条件、儲ける方法について解説しています。

土地転がしとは?違法なの?

この章では土地転がしの意味や違法性、規制について解説しています。

土地転がしは土地投機の一種

土地転がしとは、土地を安いときに購入し、高くなってから売却する土地投機の一種です。相続した土地の売却とは違い、転売による利益を目的としているため、値上がりが見込める土地を探して購入することも活動に含まれます。

土地転がしの歴史

土地転がしには「土地を買い占めて売買を繰り返し暴利を得る」といったネガティブなイメージもあります。背景として、バブル景気に土地転がしで稼いだ資産家による脱税や汚職が社会問題となっていたからです。当時は不動産投資が積極的に行われ、一週間で地価が倍になる等、土地の価格が異常なまでに跳ね上がっていました。資産家はこぞって土地を買い占め、個人間で売買を繰り返して地価を更に釣り上げ、莫大な利益を得ていました。得た利益を脱税したり、汚職に利用する資産家が現れ始めたことから、温床となった土地転がしに悪い印象がもたれるようになりました。

土地転がし自体は違法でない

土地転がし自体は違法ではありません。バブル景気のネガティブなイメージがあるものの、売買契約は法的な合意に基づいて成立しているため、納税さえすれば法にふれることはありません。

ただし、実施には宅地建物取引業者の免許が必要となります。無免許での実施は違法となりますので、必ず免許を取得して行うようにしてください。詳しくは次章で解説しています。

個人が土地転がしをするには

バブル時代の社会問題をうけて、宅地建物取引業者としての免許をもたない個人が、無免許で繰り返し土地を売買することは違法とされています。
この章では、個人が土地転がしするために必要なことを解説しています。

無免許なら売買回数を制限

宅地建物取引業法では「個人が宅地建物取引を反復継続することは違法」としています。反復継続とは「取引を短期間に繰り返すこと」を指します。つまり、無免許で売買を繰り返す場合は違法とみなされるため、売買回数を制限して取引しましょう。

※反復継続に明確な基準は設けられていません。しかし、売買回数が多くなるほど「収益目的の取引=事業」とみなされやすくなり、無免許の場合は違法となります。

宅地建物取引法第12条

(無免許事業等の禁止)
第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない

宅地建物取引法第2条第2号

反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低い。(注)反復継続性は、現在の状況のみならず、過去の行為並びに将来の行為の予定及びその蓋然性も含めて判断するものとする。また、1回の販売行為として行われるものであっても、区画割りして行う宅地の販売等複数の者に対して行われるものは反復継続的な取引に該当する。
(参考:宅地建物取引法

売買を繰り返すなら宅地建物取引業者の免許を取得

土地を繰り返し売買するなら、宅地建物取引業としての免許を取得する必要があります。
免許を取得してしまえば、法人による事業として土地取引を行うことができるので違法とされる心配がなくなります。

宅地建物取引業の取得条件は「従業員5名につき1名以上の専任の宅地建物取引士をもつこと」です。自分が国家試験を受けて資格を取得するか、資格者を雇うかして満たすことができます。

土地転がしで儲けるコツとは?

この章では土地転がしで稼ぐ方法を解説しています。

最低5年間所有して売却する

個人が転売で得た利益には、所得税と住民税が課税されます。譲渡所得は売却した土地の所有期間によって、長期譲渡所得と短期譲渡所得にわけられます。

土地転がしの場合、ほとんどが短期譲渡所得となり税率が高くなるため、利益が非常に圧迫されます。具体的には、所有期間が5年以下の土地を売却した場合、転売益に対して所得税30%と住民税9%の合計39%が課税されます。つまり、利益の約40%は税金で差し引かれてしまうのです。

ちなみに、所有期間5年超の土地を売却した場合は長期譲渡所得となるため、税率が所得税15%と住民税5%の合計20%となり、その違いは歴然です。

▼個人による不動産売却にかかる税率

所有期間所得税率住民税率合計
5年以下30%9%39%
5年超え15%5%20%

参考:国税庁|長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分

5年後に将来性がある土地を購入する

もし、起業をしないで不動産の転売で利益を得たいなら購入する土地を選ぶ上で、5年後に利益が上がる将来性の高い土地を狙う必要があります。所有期間が5年を過ぎると譲渡所得税は半分の15%に下がるのでより利益が見込めます。

将来性がある土地とは次のような土地を指します。

  • 住みやすい土地である
  • 交通網が整備されている
  • 形状の良い土地である
  • 接続道路が多い
  • 都市計画で再開発が予定されている

このような土地は価値が下がりにくく、上昇が期待されます。個人でこれらの情報を把握するのは困難なため、自分自身の人脈も作りながら、転売目的の土地仕入れのネットワークを持つ不動産業者に個人で不動産転売を行う投資家として認識されると、転売や投資向きの物件情報を回してもらえる可能性もあります。

レインズに会員登録して利用する

会社ができたら売買されている土地の情報を手に入れる必要があります。不動産業者になれば国内の不動産取引情報が管理されているレインズに会員登録して情報にアクセスできます。

レインズ(REINS:Real Estate Information Network System)とは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。レインズを見れば、不動産を売りたい人、買いたい人の情報がすぐに分かります。

成約情報も分かるので周辺相場も確かめられます。一般に不動産を売買する場合には不動産会社がレインズの情報をみて依頼者に情報を伝えますが、土地転がしをする場合には、実際の生データが確認できるのです。
→レインズを利用するメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

土地価格が上昇する時期を見極める

土地転がしでは安く土地を購入することも大切ですが、より高く売却することも大切です。いくら安く土地を購入できても、売却時期を逃してしまうと利益にはなりません。

例えば、土地の周辺に商業施設や電車の駅ができる場合には、価格は上昇する可能性が高くなります。また、1年の中では3月が最も土地価格が高くなる傾向があります。

地域の不動産会社から情報を得る

地域の不動産会社とやりとりし、人脈を広げて有用な土地の情報が得られる状態を築きましょう。土地の情報は自分から自分で見つけることもできますが、ネット上に公開された土地はすぐ売れてしまうため、ライバルよりも先に仕入れるのが難しいためです。

ライバルが知り得ない有益な土地の情報は、不動産会社との関係が親密で広いほど早く取得できます。そのため、自分が住んでいる地域に密着して土地を探すほうが、利益を上げやすくなります。

建物付きの土地も売買の対象にする

土地転がしというと価値ある土地を探すことと思いがちですが、建物付きの一般の不動産にも注目すると掘り出し物が見つかる場合もあります。売却までの5年間はリフォームやリノベーションをして賃貸にするなど付加価値を付けて一時的に運用することも可能です。

その間の収入も得られるので、転売するまでの経費を賄うこともできます。賃貸契約時に期限を付けて貸し出せば退去についてもトラブルを軽減できます。将来性の見込める土地なら建物の有無に関わらず情報を集めるのが得策です。

土地転がしは時代にあった稼ぎ方なのか

2022年時点では、人口減少や中古住宅の過剰供給が加速しています。数年前より割安な土地を見つけても、将来の値上がりはあまり期待できません。土地転がしで儲けられる人は、目利きや情報収集に優れたごく一部の人だけでしょう。

堅実に資産を増やしたいなら、土地転がしは第二の目的にして賃貸経営などを始めたほうが可能性はあります。アパートやマンションのように複数戸ある賃貸では、空室によるリスクは下げられて相続では現金より節税できます。

賃貸経営をしていて、運良く周囲の開発があって地価が上がる場合には、売却を検討してみてください。建物の経年劣化やライバル物件の登場などで、利益は経営当初より落ちます。賃貸経営の継続と売却で、長期的にどちらが利益になるかで決断しましょう。

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