「親から相続した家を売りたいけれど、古すぎて売れるのか不安…」
「いっそのこと更地にした方が売れやすいのかな?」
古家付き土地の売却を検討している方で、このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、古家付き土地として売却するメリット・デメリット、解体して更地にした方が売れるケースなどを解説しています。
この記事を読んで、古家付き土地で売却してよいかどうか、ご自身の状況と照らし合わせながらぜひ検討してみてください。
不動産一括査定サイトすまいステップを使えば、古家付き土地がいくらで売却できるか分かります。
売れない家・いらない家の処分方法を知りたい方は、あわせてこちらもご覧ください。



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古家付き土地とは?
「古家付き土地」とは、経済的な価値がない家屋が建っている土地の通称です。
広告の分類には「土地」と「中古住宅」がありますが、「土地(現状古家あり)」として販売されているものが該当します。
古家付き土地に明確な基準はありませんが、築20年以上の住宅は「古家」とされることが多いです。
通常、築年数が20年を超えた戸建ては資産価値がゼロになる(木造住宅の法定耐用年数は22年)と言われています。
古家付き土地を売却する4つの方法
古家付き土地を売却するには、大きく分けて以下の4つの方法があります。どの方法がご自身の状況に合っているか、まずは全体像を把握しましょう。
① 古家付きのまま売却する
最もオーソドックスな方法です。建物は解体せず、現状のまま不動産会社を通して一般の買主を探してもらいます。売主にとっては解体費用がかからないという大きなメリットがあります。買主は「中古戸建」として購入を検討したり、自分の好きなタイミングで解体・新築することを考えたりします。
② 更地にしてから売却する
売主の負担で建物を解体し、何もないまっさらな土地(更地)の状態にしてから、不動産会社を通して買主を探す方法です。建物がないため土地の魅力が伝わりやすく、買主が見つかりやすい傾向にあります。ただし、数十万〜数百万円の解体費用が先にかかります。
③ リフォームしてから売却する
建物がまだ使える状態の場合、売主の負担で内外装をリフォームし、きれいな状態にしてから買主を探す方法です。物件の価値が上がり、他の物件と差別化できるため、より高い価格で売れる可能性があります。しかし、リフォーム費用が売却価格に上乗せして回収できるとは限らないリスクも伴います。
④ 不動産会社に直接買取してもらう
一般の買主を探すのではなく、不動産会社に直接その物件を買い取ってもらう方法です。市場価格よりは安くなる傾向がありますが、買主を探す期間が必要ないため、非常にスピーディーに現金化できます。また、売却後の面倒な手続きや責任を免除してもらえることが多いのも特徴です。
古家付き土地をそのまま売却するメリット
古家付き土地で売却するメリットをより具体的に解説していきます。
メリット①解体費用がかからない
古家付き土地は、家屋の解体費用を買主負担で販売するため、売却にかかるコストを軽減できます。
古家付き土地を更地にする際には、取り壊しから整地までの費用がかかります。
坪単価で相場を見ることができますが、残置物が多かったり、もとの建物の構造などで、場合によっては高額になります。
売却にかかる費用が減るのはメリットといえるでしょう。
メリット②固定資産税を節税できる
不動産を所有していると毎年税金を納めなければなりません。
しかし土地の上に家が建っている状態であれば、土地にかかる固定資産税や都市計画税に減税を受けることができます。(住宅用地の軽減措置特例)
税の種類 | 200㎡以下の部分 | 200㎡を超える部分 |
---|---|---|
固定資産税 | 価格×1/6 | 価格×1/3 |
都市計画税 | 価格×1/3 | 価格×2/3 |
家屋を取り壊すと、この減税措置を受けられなくなるため、固定資産税が増額します。
家屋を残したままであれば売却期間が長引いても、固定資産税は減税されたままであるため、じっくりと売却活動を行うことができます。
メリット③契約不適合責任に問われない
「契約不適合責任」とは、買主が不動産を購入したあとに建物の主要な部分に瑕疵(欠陥)が発見された時に売主が負う責任のことです。
契約不適合責任に問われると、売主は不動産の引き渡し後であっても解約や賠償金などを請求される可能性があります。
しかし、古家付き土地の場合は、古家についての契約不適合責任に問われる心配がありません。
建物は築20年以上経つと価値がないものとみなされ、古家付き土地は「土地のみの価格」で売却することになるからです。
契約不適合責任を免責にするには、売買契約時の条件として明記する必要があります。
メリット④買主は住宅ローンを利用できる
更地(土地のみ)だと住宅ローンなどの融資が受けにくく、審査も厳しくなりやすいというデメリットがあります。
しかし、古家付きの土地は、一般的に住宅ローンの融資が通りやすく、住宅ローンの利用を検討している買主にとっては購入しやすいです。
買主側にメリットがあれば売却しやすくなるので、売主にとっても大きなメリットでしょう。
メリット⑤家を建てた時のイメージがしやすい
建物が建てられている状態であれば、買主は新しく家を建てた時のイメージがしやすくなります。
建物の中からの眺めや日当たり、敷地の外からどう見えるかなどの細かい条件も分かりやすいので、成約にも繋がりやすくなるでしょう。
古家付き土地をそのまま売却するデメリット
古家付きの土地で売却するメリットはたくさんあります。
しかし、以下のようなデメリットがあることも頭に入れておきましょう。
デメリット①買主が見つかりにくい
古家を解体して建て替えたり、そのまま居住したりするにしても大規模なリフォームが必要な場合には、購入してから買主が暮らし始めるまでに費用も時間もかかります。
また、古家が建っている状態では土地の広さも分かりにくいため、更地の状態よりも買主見つかりにくくなる可能性があります。
デメリット②価格が安くなることが多い
残っている古家の状態にもよりますが、解体費用を買主側負担で売却します。
そのため、「古家付き土地」の価格は相場よりも低く設定しなければ売却が難しいです。
デメリット③土地の状態を確認しにくい
更地にして地盤調査などを行ってから売却すれば、買主は安心して購入できます。
しかし、建物が建ったままだと土地の状態が確認しにくく、土壌や地盤の調査がしにくいことがデメリットとして挙げられます。
埋没物の確認もしにくいので、買主としては不安材料となるでしょう。
デメリット④希望する家を建てられないことがある
買主が新しく建物を建てる時、法律の改正によって希望する建物を建てられない場合があります。
溶接率や建ぺい率の関係で、古家よりも小さな建物しか建てられず、イメージと違ったなどというトラブルになる可能性があります。
結局どの方法で売却するのがいい?
古家付きのまま売る場合のメリット・デメリットは分かったけど、結局4つのうち、どの方法で売却するのがいいのでしょうか。それぞれオススメのケースを見ていきましょう。
古家付き土地で売却した方がいいケース
まとまった出費は避けたい場合
建物の解体は先に100万円以上の費用がかかることもあります。売却で得たお金からではなく、先に自己資金で支払う必要があります。手元の資金を使いたくない、余計な出費を避けたい方には最適な方法です。
手間や時間をかけたくない場合
解体業者の選定や工事の立ち会いといった手間を一切かけたくない方におすすめです。不動産会社に依頼すれば、あとは買主が見つかるのを待つだけなので、売却活動をシンプルに進めることができます。
建物がまだ十分に使える物件の場合
築年数が経っていても、状態が良ければ「中古戸建」として価値があります。買主はリフォームして住むこともでき、住宅ローンも使いやすいです。あえて解体するより、そのまま売る方が高く売れる可能性があります。
古民家など建物に味がある物件の場合
現代の住宅にはない太い梁や柱、趣のあるデザインは、リノベーションを楽しみたい買主にとって大きな魅力です。他の物件にはない「味」が決め手となり、予想外の高値で売れる可能性も秘めています。
更地にしてから売却したほうがいいケース
建物がボロボロで住めない物件の場合
雨漏りやシロアリ被害があるなど、明らかに住めない状態なら更地にするのが賢明です。建物がマイナスイメージとなり、買主が解体費用を心配して購入をためらうのを防ぎ、土地本来の価値で勝負できます。
立地が非常に良い物件の場合
駅近や人気エリアなどの好立地な土地は、「自由に家を建てたい」と考える買主が多くいます。古い建物はかえって邪魔になることも。「建築条件なしの売地」としてアピールすることで、高値売却が期待できます。
リフォームしてから売却したほうがいいケース
資金に余裕があり、最大利益を狙いたい場合
リフォームは、高く売るための先行投資です。費用倒れのリスクはありますが、成功すれば大きなリターンも期待できます。資金に余裕があり、リスクを取ってでも最大利益を狙いたい方に向いています。
建物の「骨格」がしっかりしている物件の場合
リフォームは、基礎や柱など建物の「骨格」がしっかりしていることが大前提です。見た目だけきれいにしても意味がありません。構造に自信がある物件なら、内装を新しくするだけで価値が大きく上がります。
きれいな中古住宅が人気のエリアの場合
新築が高騰しているエリアなど、「すぐに住めるきれいな中古」を探している人が多い地域では、リフォーム済み物件は非常に魅力的です。市場の需要が見込めるなら、リフォームする価値は高いでしょう。
不動産会社に直接買い取ってもらったほうがいいケース
とにかく早く現金が必要な場合
相続税の納付期限や住み替え資金の確保など、売却に明確なタイムリミットがある場合に最適な方法です。「いつ売れるか」という仲介の不安がなく、最短数日でスピーディーに現金化が可能です。
売却後のトラブルを避けたい場合
個人に売ると、後に建物の欠陥が見つかった際に責任を問われることがあります(契約不適合責任)。相手がプロの不動産会社なら、この責任を「免責」にできるのが一般的です。売った後の心配事をなくしたい方に最適です。
売却の手間を最小限にしたい場合
遠方にお住まいなどで、内覧のたびに現地へ行くのが難しい方には買取が便利です。不動産会社の査定は一度きりで、内覧対応も不要です。郵送などのやり取りだけで、最小限の手間で売却できます。
古家付き土地売却時の解体費用
古家を解体して更地にしてから売却するには解体費用がかかります。
以下は解体にかかる費用の相場ですが、解体する建物の構造や大きさなどにより変わります。
▼解体費用の相場
木造住宅 3.1万~6万円/坪
鉄骨造 3.4万~7万円/坪
鉄筋コンクリート造 3.5万~8万円/坪
古家付き土地の売却にかかる費用・税金
古家付き土地の売却には、以下のような費用がかかります。
- 仲介手数料
- 測量費
- 登記費
- 抵当権抹消費
- 解体費用(更地にする場合)
仲介手数料とは、買主との仲介を行ってくれた不動産会社に支払う成功報酬です。
仲介手数料は法律で決められた以下の上限額があります。
売却価格 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格×5%+消費税 |
200万円以上400万円以下 | 売却価格×4%+2万円+消費税 |
400万円以上 | 売却価格×3%+6万円+消費税 |
また、測量費用は依頼する会社によって異なる場合があり、登記費用には登録免許税や司法書士への報酬などがあります。
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
古家付き土地を売却する時の注意点
古家付き土地の売却は、一般的な不動産の売却よりも難しく、時間がかかってしまう場合が多いです。
以下の4つに注意し、少しでも早くトラブルがないよう売却に備えましょう。
免責事項を確認する
不動産の売買では、不動産の引き渡し後に瑕疵(欠陥)が見つかると、売主は「契約不適合責任」に問われることになります。
わざと伝えなかったわけではなく、売却時に売主自身も気づかなかった瑕疵についても責任を負わなければなりません。
古家付き土地の場合は、建物に価値がなく土地のみの価格で売却するので、建物についての瑕疵は承知の上での取引となります。
そのため、1つずつ免責条件として買主に提示する必要があります。
古家の場合は多くの瑕疵が存在しているはずなので、免責事項をしっかり確認しましょう。
権利や境界線を確認する
土地の売却時、売主には境界明示義務があります。
確定測量図が手元にないと境界明示できないので、売却時に焦らないように早めに確認しておきましょう。
なお、古くから所有している土地は境界が確定していない場合もあるので、まずは測量を行う必要があります。
土地の権利関係の書類も早めに準備しておきましょう。
ゴミを処分する
古家付き土地を売却する時は、ゴミや不用品がある場合は処分しましょう。
家の中にあるゴミは一般廃棄物なので、解体時に出るゴミ(産業廃棄物)とは扱いが異なります。
購入後にすぐに解体作業に入れない可能性もあるので、必ずすべて処分しておきましょう。
買取や更地にすることも検討しておく
古家付き土地で売り出しても、なかなか売却できないということもあるでしょう。
そんな時に、買取もしてくれる不動産会社を選んでおくと安心です。
また、売却できなかった場合に備えて、更地にしてから売却することも視野に入れ、解体費用を用意しておくとよいでしょう。
まとめ
土地の売却にあたって、更地にすべきどうか判断に迷ったときは、まずは「古家付き土地」として売却活動を始めてみませんか。
売れないかもしれないと思っていた家でも、思わぬところに魅力を感じてくれる購入希望者がいるかもしれません。
状況を見て、後から更地にしての売却に切り替えることもできます。
むやみに家を取り壊して、そのまま翌年の1月1日を迎えてしまうと、土地にかかる固定資産税は最大6倍に増額します。
その後も売れずに、毎年高い固定資産税を支払い続けなければいけない状況は、ぜひとも避けたいものです。
土地の売却について困っていることがある場合は、不動産のプロに相談してみることをおすすめします。
その際には一括査定を利用して、複数社に見積もり依頼を出し、査定結果の比較を通じて信頼できる不動産会社を探しましょう。
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- 監修大熊 厚史
- 司法書士事務所で10年以上補助者として働いた後に、2016年8月に行政書士ダンディ法務事務所を開業。
弁護士・司法書士も同事務所内にいるので、どのような複雑な案件にも適切に対処。特に遺言・相続には自信あり。
【保有資格】行政書士、マンション管理士、宅建士、管理業務主任者、測量士補
【URL】行政書士ダンディ法務事務所