マンションの買い替えは、売却と購入のタイミングや資金計画が重要 ですが、初めての方にとっては分からないことも多いですよね。
本記事では、初めてマンションを買い替える方に向けて、最適なタイミングや手順、利用できる減税措置について詳しく解説 します。
マンション買い替えに関する不安を解消し、スムーズに進めるためのポイントを解説しますのでぜひ参考にしてください。



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マンション買い替えのタイミング
すまいステップが実施したアンケート調査によると、マンションを売却した理由として最も多いのは「家が手狭になったため」、次いで「周辺の住環境を改善したいため」「家の老朽化が気になるため」と続きます。
※すまいステップ実施「1年以内に不動産を売却した方向けアンケート(n=800)」|回答時期:2019.11.15~2020.12.15を基に作成
では、なぜ「手狭」に感じたり、「住環境」を変えたいと思ったりするのでしょうか。その背景には、以下のようなライフステージの変化が大きく関わっています。
買い替えのきっかけはライフステージの変化
以下は、すまいステップが2022年に利用ユーザーを対象に実施した「『住み替え』アンケートの調査結果」です。
上記のグラフを参考に、以下の3つを見ていきましょう。
- 結婚・出産のタイミング
- 家族の転勤・転職
- 子どもの独立・進学
結婚・出産
結婚や、出産で子どもが生まれるタイミングを買い替えのタイミングとする人は多くいます。
家族が増えて手狭になることを見越して、将来必要になる子ども部屋を想定して購入することもできます。
東京都:40代・女性
結婚前に2 DKのマンションを所有していて、結婚後は夫と2人で住んでいました。子どもが生まれたばかりの頃は良かったのですが、ハイハイするようになるとリビングのない家は狭く、キッチンもオープンキッチンでなかったので、子育てするにあたりもう少し見晴らしが良い家の方が安心で、将来のことも考えて住み替えをしようと思いました。
家族の転勤・転職
持ち家があっても、予期せず家族が転勤になってしまうこともあります。
また、転職によって職場までの距離が遠くなる可能性も。通勤・通学の時間を減らすため、職場の近くに住み替えるケースが多いです。
北海道:20代・男性
マンションに住んでおり、以前の職場からは通勤的に問題なかったので、住み続けようと思ってました。しかし、転勤になり通勤が厳しく遠くなってしまったので、引っ越しを考えました。
近隣との関係や周囲の住環境はよかったので、あまり引っ越したくはなかったのですが、通勤で苦労するのは時間と労力の無駄だと思ったので、引っ越すことを決意しました。
子どもが独立・進学
子どもが独立や進学をして家の中にいる人数が減ると、それまで使っていた部屋が必要なくなる方もいます。
そのため、子どもが独立して夫婦2人になったタイミングでマンションを買い替える人も多くいます。
大阪府:50代・男性
最初に住んでいた所は新興住宅地だったのですが、各種学校が遠く、小学校は2㎞程度と子どもでは通うのが厳しい環境でした。いずれ近くに学校ができるかもしれないと思って住んでいたのですが、そうはなりませんでしたので、住み替えを検討することにしました。当時、子どもは幼稚園年少でしたので、幼稚園から小中学校まで便利な所を探すことにしました。複数の市を選んで探したため、少し時間が掛かりましたが、最終的に候補地を絞ることができました。
経済的に見た「得する」買い替えタイミング
① 築年数で考える
結論から言うと、資産価値と需要のバランスが良い「築10年以内」が、最初の売り時と言えます。
参考:REINS TOPIC「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2025年01~03月】 」
一般的に、中古マンションの価格は築年数と共に下落しますが、グラフからも分かるように、その下落率は一定ではありません。新築から5年ほどは新築のレッテルが剥がれて価格が下がりやすく、その後は比較的緩やかに下落していく傾向があります。
築10年を超えると、キッチンや浴室などの設備に古さが目立ち始め、デザインも一世代前になるため、買主の選択肢から外れやすくなる可能性があります。
一方、築10年以内の物件はまだ新しく、買主も住宅ローンを長期間で組みやすいため、買い手がつきやすいのが大きなメリットです。資産価値が大きく落ち込む前に売却することで、より有利な条件で買い替えを進められる可能性が高まります。
② 住宅ローンで考える
もし住宅ローンを利用して現在のマンションを購入した場合、「住宅ローン控除(減税)」の期間終了も大きな目安となります。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、年末時点のローン残高の一定割合が、所得税や住民税から控除される制度です。減税効果が非常に高いため、この制度を利用している方も多いでしょう。
この控除期間は、居住を開始した年によって異なりますが、一般的に10年間または13年間です。
控除期間が終わると、毎年の大きな節税メリットがなくなります。そのため、「控除が終わるタイミングで売却し、新しい住まいに買い替えて、再び住宅ローン控除を利用する」というのも、賢い買い替え戦略の一つです。
その他減税に関しての比較は以下の通りです。
制度の名称 | 期間(最大) | 制度の概要 |
---|---|---|
住宅ローン減税 | 13年間 | 最もインパクトの大きい制度。年末のローン残高に応じて、所得税などが長期間にわたって控除されます。 |
固定資産税の軽減措置 | 7年間 | 新築の認定長期優良マンションなどの場合、固定資産税が一定期間、2分の1に減額されます。 |
フラット35S(金利優遇) | 10年間 | 省エネ性・耐震性に優れた住宅の場合、住宅ローン「フラット35S」の金利が当初、引き下げられます。 |
③ 修繕計画で考える
マンションの「大規模修繕工事」の前に売却するのも、経済的に見て合理的なタイミングです。
分譲マンションでは、およそ12年〜15年の周期で、外壁の補修や屋上の防水工事といった大規模修繕が行われます。これはマンションの資産価値を維持するために不可欠な工事です。
しかし、この工事には多額の費用がかかり、毎月積み立てている修繕積立金だけでは不足するケースも少なくありません。その場合、数十万円単位の「一時金」が各戸から徴収されることがあります。
大規模修繕の直前に売却することで、この一時金の負担を回避できる可能性があります。また、工事期間中は騒音や振動、足場による日照の悪化など、生活への影響も懸念されます。買主にとっても工事期間中は敬遠されがちになるため、その前に売却活動を終えるのが得策と言えるでしょう。
④ 不動産市況で考える
個別のマンションの事情だけでなく、社会全体の「不動産市況」や「金利動向」を把握することも極めて重要です。
【マンション価格の動向】
下のグラフは、不動産価格指数の変化を表したものになりますが、ここから、中古マンション価格が上昇傾向にあることがわかります。これは、建築費の高騰や需要の増加などが背景にあります。ご自身のマンションが所在するエリアの価格が上がっているなら、それは「高く売れる」チャンスであり、絶好の売り時と捉えることができます。
【住宅ローン金利の動向】
住宅ローン金利が低い時期は、買主が資金計画を立てやすく、不動産売買が活発になります。つまり、買主が見つかりやすい「売り手市場」になりやすいのです。将来的に金利が上昇する見通しであれば、低金利のうちに売却した方が有利になる可能性があります。
これらの市況は常に変動しているため、「自分のマンションは今いくらで売れるのか」を不動産会社の査定などを通じて正確に把握し、世の中の経済ニュースにもアンテナを張っておくことが、買い替え成功の鍵となります。
売却を検討していて、手軽にマンションの査定額を知りたい方は、不動産一括査定サイトを利用してみてください。
不動産一括査定サイトは、パソコンやスマートフォンでマンションの物件情報を入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。
『すまいステップ』なら、お家で24時間いつでも不動産会社に査定を依頼できます。
「今お持ちのマンションがどれくらいで売れるのか」を完全無料で知れるので、以下のフォームに物件情報を入力して査定を受けてみましょう。



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マンション買い替えの手順
マンションの買い替えは、「今の家の売却」と「新しい家の購入」という2つの大きなイベントを同時に進める複雑な作業です。理想は売却と購入が同じタイミングで完了することですが、現実的には非常に難易度が高いと言えます。
無理にタイミングを合わせようとすると、「納得できない価格で売ってしまった」「理想の家をじっくり探せなかった」といった後悔に繋がりかねません。
そこで重要になるのが、「売る」と「買う」のどちらを先に行うかの計画を立てることで、主な手順は「売り先行」と「買い先行」の2つです。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った方法を選びましょう。
- 売り先行
現在のマンションを売った後に新居を購入する流れ - 買い先行
新居を購入した後に現在のマンションを売る流れ
資金計画が立てやすい「売り先行」
「売り先行」とは、まず現在のマンションを売却し、売却代金が確定してから新しいマンションを購入する、最も安全で堅実な手順です。「売り先行」の流れは以下の通りです。
メリットとデメリットはそれぞれ以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
メリット
表の通り、売り先行の最大のメリットは資金計画の確実性です。
売却によって手元に入る金額が明確になるため、新しい家の購入予算を正確に立てられます。「予算オーバーしてしまった…」という買い替えにおける最大の失敗を避けられるのが強みです。
また、売却の期限がないため、「早く売らなければ」というプレッシャーから解放され、納得できる価格でじっくりと買主を探すことができます。
デメリット
一方で、最も注意したいのが仮住まいのリスクです。
売却後、新居の購入・入居がタイミング良く決まらない場合、一時的に賃貸物件などで「仮住まい」をする必要があります。
その場合、余分な家賃や2回分の引越し費用といった想定外のコストと手間がかかってしまいます。
こんな人におすすめ
「自己資金に余裕がなく、資金計画で絶対に失敗したくない」「今の家の売却に時間がかかりそうだ」という方は、売り先行を選ぶのが賢明です。
理想の物件を逃さない「買い先行」
「買い先行」とは、新しいマンションの購入を決めてから、現在のマンションの売却活動を始める手順です。
資金的な体力が必要ですが、住まい探しを妥協したくない場合に有効です。「買い先行」の流れは以下の通りです。
メリットとデメリットはそれぞれ以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
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メリット
買い先行の魅力は、なんといっても理想の住まい探しに集中できる点です。
売却のタイミングを気にする必要がないため、希望のエリアや条件に合う物件を心ゆくまで探せます。
また、新居へ直接引っ越しできるため、仮住まいの手間やコストがかからない点も大きな魅力です。
デメリット
ただし、資金的なリスクが大きいのが買い先行の特徴です。
今の家の売却が長引くと、新旧両方の住宅ローンを支払う「ダブルローン」状態になる可能性があります。
また、今の家が想定した価格で売れるとは限らないため、資金計画が狂ってしまうリスクも念頭に置く必要があります。
こんな人におすすめ
自己資金に十分な余裕がある方、今の家が人気エリアの駅近物件など、早期売却に自信がある方に向いています。
「買取」や「買取保証」という選択肢もある
「売り先行」「買い先行」のどちらにも「いつ売れるか分からない」という不確実性が伴います。このリスクを解消するために、「買取」や「買取保証」という手段も知っておきましょう。
買取
個人の買主ではなく、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう方法です。
メリットは、圧倒的なスピードと確実性です。数日から数週間で現金化でき、売却活動の手間も一切かかりません。
一方で、デメリットは売却価格が市場価格の7〜8割程度になることです。
「とにかく早く住み替えたい」「売却の手間をかけたくない」という場合に非常に有効です。
買取保証
「仲介」と「買取」の“いいとこ取り”とも言えるサービスです。
まず仲介で高く売ることを目指し、もし一定期間内に売れなかった場合は、事前に約束した価格で不動産会社が買い取ってくれます。
「高く売れる可能性」に挑戦しつつ、「必ず売れる」という安心感も手に入れられるため、買い替えにおける資金計画の破綻リスクを大きく減らすことができます。
住宅ローンが残っていても買い替えは可能?
「今の家の住宅ローンがまだ残っているけど、買い替えなんてできるのだろうか?」
これは、マンションの買い替えを検討する方が抱える、最も大きな不安の一つです。
結論から言うと、住宅ローンが残っていてもマンションを買い替えすることは可能です。多くの方が、ローン返済中に買い替えを実現しています。
ただし、そのためには現在残っているローンをどう精算するのか、その仕組みを正しく理解しておく必要があります。ここでは、そのための3つの基本ルールと方法について解説します。
大原則は「売却代金でローンを一括返済」すること
住宅ローンが残っているマンションを売却するためには、そのローンを完済し、銀行が設定している「抵当権(ていとうけん)」という権利を抹消する必要があります。
抵当権とは、万が一ローンの返済が滞った場合に、銀行がその不動産を差し押さえることができる権利のことです。
この抵当権が付いたままでは、誰も安心して物件を買うことができないため、売却時には必ず抹消しなければなりません。
そして、抵当権を抹消するための条件が、「住宅ローンを一括で全額返済すること」なのです。
具体的には、買主から売却代金を受け取る決済日に、そのお金で金融機関にローン残債を支払い、抵当権を抹消する手続きを同時に行います。
「売却価格 > ローン残高」(アンダーローン)となれば、ローンを完済した上で手元にお金が残るため、その資金を新しい家の購入費用や諸費用に充てることができ、最もスムーズな買い替えが実現します。
売却代金で完済できない場合は「住み替えローン」
問題は、「売却価格 < ローン残高」、いわゆる「オーバーローン」の状態になってしまうケースです。この場合、売却代金だけではローンを完済できず、不足分を自己資金(貯金など)で補う必要があります。
もし自己資金で補うことが難しい場合に利用を検討できるのが「住み替えローン(買い替えローン)」です。
これは、「新しい家の購入費用」に「今のローンを完済するための不足分」を上乗せして、一本のローンとして借り入れできる金融商品です。
- メリット:自己資金が少なくても、ローン残債を気にせず買い替えを進めることができます。
- 注意点・デメリット:借入額が「新しい家の価値+ローン残債」と高額になるため、通常の住宅ローンより審査が厳しく、金利も高めに設定される傾向があります。また、利用するには今の家の売却と新しい家の購入の決済を同じ日に行う必要があり、タイトなスケジュール管理が求められます。
買い先行の場合は「つなぎ融資」で一時的に借りる
「買い先行」で住み替えを進める場合、新しい家の購入代金を支払う時点では、まだ今の家は売れていません。つまり、売却代金を受け取る前に、大きな資金が必要になります。
この一時的な資金不足を橋渡し(ブリッジ)してくれるのが「つなぎ融資」です。
これは、今の家が売れるまでの短期間だけ、新しい家の購入資金を借りるためのローンです。そして、無事に家が売れたら、その売却代金でつなぎ融資を一括返済します。
- メリット:気に入った物件を先に購入できるため、住まい探しを妥協する必要がありません。仮住まいの手間や費用もかかりません。
- 注意点・デメリット:あくまで「つなぎ」であるため、一般的な住宅ローンより金利がかなり高く設定されています。もし予定通りに今の家が売却できなかった場合のリスクが大きく、取扱金融機関も限られます。
これらのローンは便利な反面、返済負担が増えるなどのリスクも伴います。利用を検討する際は、不動産会社や金融機関の担当者と十分に相談し、ご自身の収入やライフプランに合った、無理のない返済計画を立てることが何よりも重要です。
【資金計画】諸費用と税金をシミュレーション
マンションの買い替えを成功させる上で、最も重要なのが「資金計画」です。
「今の家がいくらで売れて、新しい家がいくらだから、差額はこれくらい」と物件価格だけで計算していると、思わぬ出費で計画が狂ってしまうことがあります。買い替えでは、物件価格以外に「諸費用」や「税金」がかかることを忘れてはいけません。
ここでは、買い替えにかかるお金の全体像を把握していきましょう。
結局いくらかかる?売却・購入の諸費用一覧
マンションの買い替えでは、「売るとき」と「買うとき」の両方で諸費用が発生します。一般的に、売却時には売却価格の4%~5%、購入時には物件価格の6%~9%が目安と言われています。
具体的にどのような費用がかかるのか、一覧表で確認してみましょう。
【売却時にかかる諸費用】
費用項目 | 費用の目安 | 内容・補足 |
---|---|---|
仲介手数料 | 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税(上限) | 不動産会社に支払う成功報酬です。 |
印紙税 | 1万円~3万円 | 売買契約書に貼付する印紙代。契約金額によって変動します(軽減措置適用後)。 |
住宅ローン繰り上げ返済手数料 | 数千円~2万円程度 | ローンを一括返済する際に金融機関に支払う手数料です。 |
抵当権抹消費用 | 1.5万円~3.5万円程度 | ローン完済時に物件の抵当権を抹消する登記費用と司法書士報酬です。 |
引越し費用 | 5万円~20万円程度 | 荷物の量や移動距離、時期によって大きく変動します。 |
【購入時にかかる諸費用】
費用項目 | 費用の目安 | 内容・補足 |
---|---|---|
仲介手数料(中古物件の場合) | 購入価格 × 3% + 6万円 + 消費税(上限) | 中古物件を不動産会社を通して購入する場合に支払います。 |
手付金 | 物件価格の5~10% | 契約時に支払うお金。最終的に購入代金に充当されます。 |
印紙税 | 数千円~数万円 | 売買契約書や住宅ローン契約書に貼付する印紙代です。 |
登記費用(登録免許税+司法書士報酬) | 10万円~40万円程度 | 所有権の登記や住宅ローン設定の登記にかかる税金と専門家への報酬です。 |
住宅ローン関連費用(事務手数料・保証料) | 10万円~(借入額の2.2%など金融機関による) | ローンを組む金融機関や保証会社に支払う費用です。 |
不動産取得税 | 固定資産税評価額 × 3%(軽減措置あり) | 不動産を取得した際に一度だけかかる税金。購入後しばらくして納税します。 |
火災・地震保険料 | 数万円~数十万円 | 火災や自然災害に備える保険料。補償内容や期間によって変動します。 |
固定資産税等清算金 | 日割り計算 | 引渡し日以降の固定資産税・都市計画税を売主に支払います。 |
管理費等清算金(中古マンションの場合) | 日割り計算 | 引渡し日以降の管理費・修繕積立金を売主に支払います。 |
修繕積立基金(新築マンションの場合) | 20万円~40万円程度 | 将来の大規模修繕に備え、購入時に一括で支払う費用です。 |
売却時にかかる税金
マンション買い替え時に忘れてはならないのが税金です。売却時にかかる税金は以下の通りです。
譲渡所得税
譲渡所得税はマンションの売却によって利益が出たときにかかる税金です。
税額の概算は、売却益に対して約20.3%(所有期間5年超)または約39.6%(所有期間5年以下)になります。
例えば1,000万円の売却益が出た場合、所有期間が5年超なら約203万円、所有期間が5年以下なら約396万円もの税金が発生する可能性があります。
登録免許税
登録免許税は、登記の手続きの際に発生する税金です。
今住んでいるマンションを購入する際に利用した住宅ローンの抵当権登記が残っている場合は、抵当権の登記を抹消するための登録免許税が必要です。
マンションの所有権変更の登記にかかる登録免許税は、買主側の負担します。抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1つにつき1,000円です。
印紙税
マンションを売却する際には、売買契約書に貼り付けるための印紙代(印紙税)がかかります。
印紙税の金額は、売買代金に応じて決まります。
購入時にかかる税金
以下では購入時にかかる税金について説明します。
登録免許税
所有権移転の際の登録免許税は、買主側が負担します。
よって、売却時には所有権移転の登録免許税はかかりませんが、購入時には登録免許税がかかることになります。
また、購入に際して住宅ローンを利用するときは、抵当権設定のための登録免許税もかかります。
不動産所得税
不動産取得税は、土地や建物を購入した際に発生する税金です。マンション購入の半年後から1年後くらいに納付書が届きます。固定資産税とは違い取得時に一度だけ支払えば済みます。
不動産取得税の計算式は以下の通りです。
不動産取得税は、固定資産税評価額で計算します。固定資産税評価額は実際に不動産を購入した価格ではないことに注意が必要です。評価額は不動産の購入価格のおおよそ6〜7割になります。
例えば、土地と建物の金額の合計が4,000万円の場合は、96~112万円が不動産取得税になるということです。
また、これは軽減措置が適用されていない場合の話で、軽減措置を適用させることで、税金の負担は大幅に軽くなります。軽減措置を適用した場合は固定資産税評価額の3%が納税額となります。
印紙税
売却時と同様に、不動産売買契約書に貼り付けるための印紙代(印紙税)がかかります。
購入金額に応じて印紙税が決まります。
固定資産税
固定資産税は、不動産を所有している限り毎年払わなければならない地方税です。
毎年、4月上旬に、納税通知書が送られてきます。
その他費用
以下は税金以外にかかる費用です。
マンションの購入費用
新居となるマンションを購入する際の費用です。
通常ローンを組んで購入します。ローンには頭金が必要になります。頭金の目安は一般的に物件購入価格の2割程度です。
また、購入時の諸費用として新築は購入価格の3~5%、中古は5~8%程度かかります。
仲介手数料
マンションを買い替える際は「購入」「売却」それぞれに仲介手数料が発生します。
購入時と売却時、不動産会社と別々にした場合も、同じ不動産会社で行った場合も、「購入」と「売却」それぞれに仲介手数料がかかります。
仲介手数料の相場は「売却価格×3%+6万円+消費税」です。
マンションの買い替えで適用可能な減税措置
マンションの買い替えでは、売却により利益が発生すると譲渡所得税を納める必要があります。ただし、条件によっては以下の特例が適用が可能になり、譲渡所得税を節税できます。
3,000万円の特別控除の特例
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例とは、”マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例”のことです。
例えば、5,000万円で購入したマンションを5,500万円で売却できた場合、発生した売却益500万円はこの控除で非課税にすることができます。
(参考:国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例)
特定の居住用財産の買換えの特例
特定の居住用財産の買換えの特例とは、”特定のマイホーム(居住用財産)を、令和5年12月31日までに売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べること”ができる特例です。
例えば、1,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売却し、7,000万円のマイホームに買い換えた場合は、通常4,000万円の譲渡益が発生します。
その7,000万円で購入したマイホームを将来8,000万円で売却した場合、譲渡益1,000万円と過去の譲渡益4,000万円を合わせた5,000万円が、譲渡益として課税されます。
「買換え特例」は将来への繰り延べであり、非課税にする特例ではないため注意が必要です。
(参考:国税庁 No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例 )
居住用財産売却による軽減税率の特例
居住用の住宅を売却する際、所有期間が10年を超えている場合、譲渡取得税を通常よりも低い税率で計算することができます。
所有期間が10年超の住宅は長期所有に分類されるので、売却益には20.315%の税率を適用します。ただし、軽減税率の場合は譲渡所得に応じて以下の税率が適用されます。
- 譲渡所得のうち6,000万円以下の部分:14.21%
- 譲渡所得のうち6,000万円以上の部分:20.315%
譲渡所得が6,000万円以下であれば税率は6.105%下がり、一般税率に比べて税負担はかなり軽減されます。
この特例は、3,000万円の特別控除の特例と合わせて利用することができます。
(参考:国税庁 No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例)
居住用財産の買替えの場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
マンションの買い替えの際に、今住んでいるマンションの売却で損失が発生することも考えられます。
そのような場合には「居住用財産の買い替えの場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という制度を利用できます。
適用条件は、所有期間が5年以上の住居から別の住居への買い替えを行った場合です。確定申告をすることで、発生した譲渡損失をその年のほかの所得から控除する(損益通算)ができます。
損益通算をしても控除しきれなかった場合、翌年から3年以内であれば、繰り越し控除が可能です。
(参考:国税庁 No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
費用総額シミュレーターで売却にかかる費用を算出してみよう
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
マンション買い替えを成功させるポイント
マンションの買い替えを成功させるポイントは以下の通りです。
購入と売却のタイミングを合わせる
マンションの買い替えは「売り先行」と「買い先行」の2つがありますが、なるべく「購入」と「売却」のタイミングをあわせることがマンションの買い替えを成功させるポイントになります。
余裕をもった売却計画を立てる
購入と売却のタイミングを合わせるには、余裕のある売却計画を立てることが大事です。
売却と購入では、売却の方がスケジュールの調整が難しいです。早くて3か月ほどで売却が可能ですが、1年以上、買手が見つからない可能性もあります。
購入は、自分が購入したいというタイミングで購入が可能なため、スケジュール調整がしやすいです。
そのため、売却では少なくとも4.5ヶ月程度、余裕を持って6ヶ月程度を見込んでおく必要があります。
場合によってはつなぎ融資を利用する
つなぎ融資を利用するのも、売却スケジュールを調整するのに有効な手段です。
つなぎ融資を使えば、気に入った物件を逃さず購入できますが、つなぎ融資もローンの一つですので、金利や事務手数料は発生します。
売値価格を高く設定しすぎない
そもそも、今住んでいるマンションが売れなければ、買い替えができません。マンションの売却をスムーズに行うためには、売値の価格を高く設定しすぎないことが大切です
少しでも高く売りたい気持ちは分かりますが、売値価格が相場よりも高いと、買手はなかなか見つかりません。適正価格を把握したうえで、売りに出すようにしましょう。
マンションの適正価格を知るためには複数の不動産会社に査定依頼を出すことをおすすめします。すまいステップでは一度に複数社から査定を依頼することができます。
なかなか売れない場合は買取を利用する
マンションを仲介に出して半年程たっても買主が見つからない場合、買取の利用も考えましょう。買取とは、不動産会社が買主となり直接契約する方法です。
仲介では買主が見つからない物件でも、買取であれば、可能なことがあります。また、売却期間は短く2週間~1ヶ月程度で売却が可能です。
買取を利用する際は、不動産会社が自らが査定に訪れ、買取希望の査定価格を提示します。提示する査定額で話がまとまれば、直ぐに売買契約をすることが可能です。
適切な不動産会社を選ぶ
不動産会社といっても、さまざまなタイプの不動産会社が存在し、業務内容によっては得意不得意があります。
よって、不動産を売却する際は「売却に強い不動産」に依頼する必要があります。また、購入を希望する際は「購入に強い不動産」に依頼します。
売却に強い不動産かどうかは「売却が得意であることをアピールしている不動産屋」かどうかで判断します。店頭やホームぺージを見れば「〇〇専門不動産」と表記しているはずです。また、物件情報についても定期的に更新されているかを確認しておくことも大切です。
また、評判もよく大手の不動産屋であっても担当と合わない場合、おすすめできません。
マンションの住み替えは長い目で見る必要があり、個人的なやり取りも多いので担当者と折が合わない場合、業務内容に問題はなくても、人間性の面でもめる可能性がなくはありません。
さらに、マンションの売却を依頼する際は一社に絞るのではなく、複数の不動産会社に査定依頼をするようにしましょう。
とはいえ、一度に複数の会社に査定依頼をするのは大変です。そこで便利なのがすまいステップの一括査定サービスです。一度に複数の会社に査定依頼ができます。無料のサービスなのでお気軽にご相談ください。
マンション買い替えでよくある失敗例
ここではマンションの買い替えでよくある失敗について紹介します。
マンションは売れたが、新居が見つからない
売り出し中のマンションは売れたが、新居がなかなか見つからない場合、新居が決まらないまま、マンションの引渡になります。
そうなると、今住んでいるマンションを出る必要があり、新居が見つかるまでの間、仮住まいを準備しなければなりません。
売却したマンションを出た後は、一時的に仮住まいに住むことになります。そして新居が決まれば、新居に引っ越しをします。
そうなると、合計2回も引っ越しをすることになります。手間はもちろんのこと、引っ越し費用が余計にかかることになります。
新居は決まったが、マンションがなかなか売れない
新居は決まったけれど、売り出し中のマンションがなかなか売れない場合、新居のローンと売却中のマンションのローンが二重になり、大きな負債を抱えることになります。
買い先行で買い替えを行った場合、このような失敗は珍しくありません。資金が足りない場合は住み替えローンやつなぎ融資を利用できますが、結局は負債を抱えることに変わりありません。
不動産会社選びに失敗し売却価格が相場よりも低くなった
マンションの査定価格は不動産会社によって異なります。
そのため、一社に絞るのではなく、複数の会社にマンションの査定を依頼したうえで不動産会社を選ぶようにしましょう。
また、不動産会社といっても、売却に強い不動産会社があれば、そうでない不動産会社もあります。
少しでも高くマンションを売りたい場合は、売却に強い不動産会社を選ぶようにしましょう。
購入キャンセルにより住み替えスケジュールが狂った
マンション売買には、売手や買手の都合に応じてキャンセルが発生することがあります。
マンションの売却で得る予定だった資金を、新居の購入費に充てる予定だった場合、買手にキャンセルされると、住み替えスケジュールが大きく狂ってしまいます。
売買契約を結んだ後のキャンセルを防ぐために、手付金を増やすなどして、簡単にキャンセルされないような対策を打っておきましょう。
3,000万円の特別控除の特例を使わなかった方の体験談
結果的に、住宅ローン控除を利用した方が税制面での優遇金額が大きいことが分かったため、売却時における3000万円控除の権利を使用することはありませんでした。
上記の控除を利用してしまうと住宅ローン控除の恩恵を受けられなくなると聞き、控除を利用しませんでした。
直近の節税よりも長期で考えた時に住宅ローン控除の方がうま味があると思いました。