不動産売却において、金銭のやり取りを行う「決済」は非常に重要な手続きです。
しかし、不動産売却が初めての方の中には、決済の流れがよくわからない方も多いのではないでしょうか。
万が一、決済日に必要書類や準備物に不備があった場合、手続きがスムーズに進めることができずトラブルに発展する可能性もあります。
この記事では、決済から引き渡しをスムーズに進めるために、一般的な決済の流れと必要な書類などを順に解説していきます。
記事の後半では不動産売却の決済でよくある疑問などにも回答しているので、ぜひ最後まで確認してみてください。
不動産売却とは?まず知るべきことを全て解説。はじめてでも失敗しない完全ガイド
不動産売却の注意点を流れに沿って解説!売却時のトラブルを防ごう
不動産売却における「決済」とは
不動産の売却における「決済」とは、売買契約を完了させる最後の工程です。
不動産売買契約の内容に基づき、売却金額の残金の支払いと不動産の引き渡しが同日に行われます。
この工程が終わると不動産売買の手続きはすべては終了し、翌年の確定申告を待つのみなります。
不動産売却の決済の流れ
不動産売却時の決済は、売買契約を締結してからおよそ1カ月以内に行われるのが一般的です。
また、決済から引き渡しは同日に行われ、1時間半から2時間程度で終了します。
なお、決済手続き完了後には法務局に書類を提出に行く必要があるため、余裕をもって午前中から決済を始めることがほとんどです。
以下では、決済から引き渡しまでのおおまかな流れを順に解説していきます。
不動産売却全体の流れについては以下の記事で確認してください。
【図解】不動産売却の流れを7ステップで解説!必要な手続きをわかりやすく解説
①本人確認
決済当日は、売主、買主、司法書士、立会人(不動産会社の担当者、金融機関の担当者など)が揃います。
まずは、その場に揃っている人に対して、運転免許やパスポートなどの写真つき身分証明書をもとに、司法書士が本人確認を行います。
②登記に関わる書類の確認
本人確認が完了したら、実印・印鑑証明書・不動産の登記識別情報などの登記に必要な書類に不備がないかを確認します。
この際、司法書士に登記手続きを委任するための委任状を書きます。
【図解】不動産売却の流れを7ステップで解説!必要な手続きをわかりやすく解説
③残代金・清算金の支払い
買主から売主に対して、残代金の支払いが行われます。
買い主が住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、同じタイミングで住宅ローンの融資が行われます。
また、残代金のほか、都市計画税や固定資産税などの分担金も買主から売主に渡されます。
④ローンの返済と抵当権の抹消(売却代金で住宅ローンを完済する場合のみ)
売主が不動産の売却代金で住宅ローンを返済する場合、買主から残代金を受け取ったタイミングで住宅ローンを支払います。
住宅ローンを完済すると、不動産の抵当権抹消手続きを行えるようになります。
「抵当権」とは、融資を受けて不動産を購入する際に対象の不動産に設定される権利で、簡単にいうと「住宅ローンを借りるために不動産を担保にする」ということです。
抵当権が抹消されていない不動産は売却ができないので、必ず売却の前に抵当権抹消手続きを行います。
不動産の売却代金で住宅ローンを完済するときは、その場で当権抹消の手続きをします。
⑤領収書の発行
残代金・各種税金等の精算後、売主名義で買主へ領収書を発行します。
領収書の発行の手続きは、売主側の不動産会社が代行するのが一般的です。
⑥引き渡し作業
決済が完了したあとは、書類や鍵の引き渡しに移ります。
引き渡しの必要な書類には、重要事項説明書やパンフレット、各種資料、設備の取扱説明書、保証書などが含まれます。
鍵は、合鍵も含めてすべての鍵を買主に引き渡しましょう。
⑦司法書士・不動産会社への報酬支払い
不動産の媒介契約によって売買が成立した場合、売主と買主は、不動産会社や司法書士に報酬を支払います。
不動産会社に支払う仲介手数料の支払い義務は売買契約が成立した時点で発生し、売買契約締結時と決済時に半額ずつ支払うのが一般的です。
不動産の売却金額 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以上300万円未満 | 5% + 消費税 |
300万円以上400万円未満 | 4% + 2万円 + 消費税 |
400万円以上 | 3% + 6万円 + 消費税 |
司法書士に支払う報酬は、登記手続きの委任に対する報酬と登録免許税を指します。
登録免許税は、不動産売却の場合「不動産の価額×20/1000」で計算することができます。
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決済日に売り主が準備するもの
決済当日には、売主が準備して持っていかなければいかないものがいくつかあります。
必要な書類を忘れると決済日が延期になってしまう可能性もあるので、不備がないように事前にしっかり確認しておきましょう。
売主が決済当日に持っていく必要書類は以下の通りです。
【決済日に売り主が準備するもの】
- 不動産の権利証(登記済証・登記識別情報)
- 印鑑登録証明書
- 顔写真つきの身分証明書
- 固定資産評価証明書
- 買主からの入金を確認できるもの(通帳・キャッシュカードなど)
- 抵当権抹消書類(抵当権が残っている場合のみ)
- 重要事項説明書
- 住宅設備に関する保証書・取扱説明書など
- 実印
- 引き渡す物件の鍵
なお、売却する物件の形態によって必要書類が異なる場合もあるため、どの書類かは不動産業者に必ず確認するようにしましょう。
不動産売却の決済はどこで行う?
不動産の売買に関する決済が、どこで行われるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
決済が行われる場所は、現金か住宅ローンを組むのかという決済方法によって異なります。
ここでは、決済が行われる場所について順に解説していきます。
買主が住宅ローンを組む場合
買主が住宅ローンを組む場合、買主が借り入れをする銀行などの金融機関で決済が行われます。
その理由は、決済と同時にローンの手続きや決済などがスムーズに行えることが挙げられます。
売主が住宅ローンを組む場合
売主が住宅ローンを組んでいる場合も、一般的には買主が借り入れをする銀行などの金融機関で決済が行われることがほとんどです。
現金で決済する場合
現金で決済する場合、受け取った金額をすぐに振り込むことができる銀行などの金融機関や仲介している不動産業者の事務所内で行われることがほとんどです。
しかし、基本的にはホテルのロビーなど、手続きができる場所であればどこでも良いということになっています。
不動産売却の決済で注意すべきこと
不動産の売買に関する決済は人生で何度も行うことではないため、注意点を確認しておくと良いでしょう。
【不動産売却の決済で注意すべきこと】
- 決済方法を事前に確認しておく
- 振り込み手数料の負担を確認しておく
- 鍵の状態を万全にしておく
ここでは、決済時に注意すべきポイントを順に解説していきます。
決済方法を事前に確認しておく
住宅やマンションなどの不動産における決済は、銀行振り込みか現金のどちらかで行われるのが一般的です。
しかし、銀行などの金融機関が多忙の場合や、売主と買主が利用する銀行が異なる場合、着金確認に時間を要するケースもあり、売主側で確認するように指示されるケースもあります。
そのため、手続きをスムーズに進めることやトラブルを回避するために、現金での支払いを選択する人も多いのが現状です。
振り込み手数料の負担を確認しておく
銀行振り込みを選択した場合、当然ながら金額に応じた振り込み手数料が発生してしまいます。
基本的には、振り込みを希望した方が負担するのが妥当だと考えられていますが、トラブル回避のために事前に確認しておくことをおすすめします。
鍵の状態を万全にしておく
マンションの場合、自室の鍵だけでなく機械式駐車場の鍵など、設備ごとに数種類の鍵が存在することがあります。
このような場合、最初に備え付けられていた鍵の種類と本数を揃えておくようにしましょう。
一般的に、防犯目的などで引き渡し後に買主が錠を交換することが多いですが、紛失したものがあれば、買主が費用を負担して万全な状態で引き渡すのがよいでしょう。
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今後、住宅やマンションの売却を検討しており、決済に関する相談を希望する場合はぜひすまいステップで一括査定を受けてみてください。
まとめ
住宅やマンションの決済は、できるだけトラブルを回避してスムーズに進めたいと考える人が多いのではないでしょうか。
一度トラブルが発生すると、手続きが滞り、売買契約自体が白紙になりかねません。
また、住宅やマンションの売買をスムーズに行うには、流れや項目を事前に自分でリサーチしておくことも大事です。
しかし、信頼できる不動産業者が仲介してくれているのであれば、打ち合わせも入念に行えるだけでなく、気になったことをすぐに相談することができます。
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住宅やマンションの売却は、できるだけ高く売却したいと考える人や、できるだけ早く手放したいと考える人など、人によってさまざまです。
また、早く売却したいがために買主の要望全てに応じていると、決済時の振り込み手数料を負担してしまうなど、マイナスポイントになってしまう可能性もあります。
すまいステップでは、全国各地の不動産業界に強い大手だけでなく、地域密着型で歴史の長い不動産業者など、さまざまな特徴を持つ業者が集結しています。
そのため、自分に合った不動産業者を見つけやすく、不動産売買の相談がしやすくなると言えるでしょう。



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