「抵当権がついている不動産でも売却出来るの?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
結論として、抵当権付きの不動産でも売却は可能です。 ただし、抵当権を抹消するためには、住宅ローンの完済や売却代金を活用した手続きが必要になります。
本記事では、抵当権付き不動産を売却する方法や、抵当権抹消の方法 を詳しく解説します。
抵当権のある不動産を売却しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください!
- この記事でわかること
- 抵当権が付いていても売却できる
- 抵当権付き不動産の売却方法
- 抵当権の抹消手続き方法
住宅ローン中の家を売る方法を知りたい方は、あわせてこちらもご覧ください。

一括査定であなたの家の適正価格が分かる
今の価格が届く!
無料診断スタート

一括査定であなたの家の適正価格が分かる
今の価格が届く!
無料診断スタート
抵当権(ていとうけん)とは?
抵当権(ていとうけん)とは、「お金を借りるときに、不動産を担保にする仕組み」のことです。
例えば、住宅ローンを組んで家を買うと、銀行は「もし返済できなくなったら、この家を売ってお金を回収しますよ」という権利(=抵当権)を持ちます。 これにより、銀行は安心してお金を貸せるのです。
抵当権の仕組み
- あなたが銀行から住宅ローンを借りて家を購入する
- 銀行は「返済ができなくなったときのために、この家を担保にします」と抵当権を設定する
- あなたがローンを完済すると、抵当権は消えて家は完全に自分のものになる
抵当権が設定されていても不動産は売却できる!
抵当権が設定されていても売却できます。
抵当権は、不動産購入にあたり、金融機関から住宅ローンを借り入れた際の担保として不動産に対して設定される権利です。
抵当権は住宅ローンを完済するまで抹消できず、住宅ローンを数ヶ月間滞納すると金融機関により不動産を差し押さえられて競売にかけられる場合もあります。
ただし、「売却時は抵当権を抹消しなければならない」というルールはないため、購入希望者さえ現れれば売却できます。
しかし、現実的に考えて、抵当権が設定されている不動産を購入しようとする人はいないため、必然と抵当権を抹消してから売却するのが一般的となっています。
抵当権付き不動産を売却する3つの方法
住宅ローンが残っている不動産を売却するには、お客様の状況に応じて、大きく分けて3つの方法が存在します。
「では、自分はどの方法を選べばいいの?」と思いますよね。
ご自身に合った最適な方法を見つけるために、まず初めに、そして最も重要になるステップがあります。
それが、次の章で詳しく解説する「売却価格」と「ローン残高」の比較です。
この2つの金額のバランスがどうなっているかによって、あなたが選ぶべき道筋が明確になります。さっそく見ていきましょう。
まずは「売却価格」と「ローン残高」を比べよう
あなたの不動産が、ローン残高を上回る価格で売却できるかどうかが、売却方法の分かれ道になります。
【アンダーローン】
売却価格 > 住宅ローン残高
不動産の売却価格が、残っている住宅ローンの金額を上回る状態です。
この場合、売却して得たお金でローンを全額返済しても、手元にお金が残る可能性が高く、最もスムーズに売却が進められるケースです。
【オーバーローン】
売却価格 < 住宅ローン残高
不動産の売却価格が、残っている住宅ローンの金額を下回る状態です。
この場合、売却して得たお金だけではローンを完済できず、不足分をどう補うかを考える必要があります。
「ローン残高」と「売却価格」は、それぞれ以下の方法で確認しましょう。
【住宅ローン残高の確認方法】
- 毎年金融機関から送られてくる「住宅ローン返済予定表」や「残高証明書」を確認する。
- 利用している金融機関のインターネットバンキングの会員ページで確認する。
- 金融機関の窓口や電話で直接問い合わせる。
【売却価格の確認方法】
- 不動産会社に「査定」を依頼する。
売却価格は、自分で相場を調べても正確な金額を把握するのは困難です。必ずプロである不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定は無料で行うのが一般的です。1社だけでなく、複数の会社に依頼して査定額を比較することで、より実態に近い売却価格を把握できます。
ご自身の状況が「アンダーローン」か「オーバーローン」か、おおよそ把握できたところで、次の章からご自身の状況に合った売却方法を詳しく見ていきましょう。

一括査定であなたの家の適正価格が分かる
今の価格が届く!
無料診断スタート

一括査定であなたの家の適正価格が分かる
今の価格が届く!
無料診断スタート
【アンダーローンの場合】売却利益で住宅ローンを完済して売却する
不動産売却で得た利益を住宅ローンに充てて完済する方法です。
仮に、手持ち資金のみで住宅ローンを完済できない場合は、不動産売却で得た資金を返済に充てる必要があります。
・住宅ローン残債:2,000万円
・不動産売却価格:2,000万円 の場合
⇒不動産売却によって得られた2,000万円を返済に充てて完済
・住宅ローン残債:2,000万円
・不動産売却価格:1,500万円
・手持ち資金:500万円 の場合
⇒不動産売却によって得られた1,500万円+手持ち資金500万円を返済に充てて完済
【オーバーローンの場合】手持ち資金を住宅ローン返済に充てて売却する
手持ち資金に余裕がある場合は、住宅ローンの返済に充てることも検討しましょう。
抵当権が設定されている状態よりも、ローン完済して抵当権も抹消された状態の方が売却活動もスムーズになります。
例えば、住み替えを検討している際に抵当権が残っていると、住み替え先の住宅ローンの審査に通りづらくなるケースなどがあります。
また、完済してから住み替え先を探した方が心にも余裕ができるのでおすすめです。
ローン完済できない場合は任意売却する
上記2つの方法でもローン完済できず、抵当権を抹消できない場合は任意売却を検討しましょう。
住宅ローンを返済できなくなったり、自己破産したりする場合に行う売却方法です。
抵当権の抹消手続きの具体的な流れ
住宅ローンが残っている不動産を売却する際には、買主へ安全に所有権を移転するため、抵当権の抹消手続きが不可欠です。
【注意点】ローン完済だけでは抵当権は消えません
最も重要なポイントとして、住宅ローンを完済しただけでは、登記簿上の抵当権は自動的に消えません。必ず法務局での「抹消登記手続き」を完了させて初めて、不動産はクリーンな状態になります。
ここでは、その具体的な手続きの流れと費用について、ステップごとに詳しく解説します。
手続きは司法書士に依頼するのが一般的
まず、大前提として、不動産売却に伴う抵当権の抹消登記は、国家資格者である「司法書士」に依頼するのが一般的です。
不動産売買では、買主への「所有権移転登記」と、売主の「抵当権抹消登記」を、間違いなく同時に行う必要があります。この手続きは専門的な知識を要するため、安全な取引の立会人である司法書士に任せるのが最も確実です。
どの司法書士に依頼すればよいか分からなくても、通常は仲介を依頼した不動産会社が信頼できる司法書士を紹介してくれますので、ご安心ください。
抵当権抹消の5ステップ
司法書士に依頼した場合でも、どのような流れで手続きが進むのか知っておくと安心です。売買契約後から完了までの主な流れは、以下の5つのステップです。
金融機関へ完済を申し出る
買主と売買契約を結び、物件の引渡し日(決済日)が確定したら、まずはローンを借りている金融機関に連絡します。
【注意点】金融機関への事前相談は必須です
多くの住宅ローン契約では「金融機関の承諾なく所有権を移転してはならない」と定められています。そのため、「売却のためローンを完済します」と正直に相談することが、後のトラブルを防ぎ、スムーズな手続きにつながります。
この事前連絡を受けて、金融機関は決済日当日に必要な書類の準備を始めます。
司法書士へ依頼する
金融機関への連絡と前後して、不動産会社を通じて紹介された司法書士に登記手続きを正式に依頼します。
この際、司法書士から必要書類(本人確認書類、実印、印鑑証明書、登記済権利証または登記識別情報など)の案内がありますので、指示に従って準備を進めましょう。
決済日当日
決済日は、売買代金の受け渡しと物件の引渡し、そして登記手続きが同時に行われる、売却のクライマックスです。通常、買主が利用する金融機関の応接室などに関係者(売主、買主、不動産会社担当者、司法書士)全員が集まって行われます。
【決済日当日の主な流れ】
- 書類確認:司法書士が、所有権移転と抵当権抹消に必要な書類がすべて揃っているか最終チェックを行います。
- 残代金の授受:買主から売主の口座へ、売買代金の残額が振り込まれます。
- 住宅ローンの完済:売主は、着金を確認後、その場でご自身の住宅ローンを完済します。
- 抹消書類の受領:金融機関はローン完済を確認後、その場で「解除証書」や「委任状」といった抵当権抹消に必要な書類一式を司法書士に渡します。
- 鍵の引渡し:売主は買主に物件の鍵や関連書類一式を渡し、取引は完了です。
法務局へ登記申請
決済が無事に終わると、司法書士はその足で法務局へ向かいます。
そして、その日のうちに「買主への所有権移転登記」と「売主の抵当権抹消登記」を同時に申請します。これにより、抵当権がきちんと抹消されたクリーンな状態で、不動産が買主に渡ることが法的に保証されます。
登記完了
登記申請から1〜2週間ほどで、すべての登記手続きが完了します。
完了後、司法書士から法務局が発行する「登記完了証」などが送られてきます。より安心するために、新しい登記事項証明書を取得し、ご自身の目で「抵当権」の記載がきちんと消えていることを確認されると良いでしょう。これにて、すべての手続きが完了となります。
抹消手続きにかかる費用
抵当権抹消手続きにかかる費用は、売主の負担となります。主な内訳は以下の通りです。
登録免許税(国に納める税金)
- 不動産1つにつき1,000円です。
- (例1)土地1筆、建物1棟の一戸建ての場合:1,000円 × 2 = 2,000円
- (例2)マンション(敷地権の土地が1筆、建物1棟)の場合:1,000円 × 2 = 2,000円
司法書士への報酬
- 依頼する司法書士によって異なりますが、1万円〜2万円程度が相場です。この報酬には、事前の登記情報調査費用や交通費などが含まれていることが一般的です。
【注意点】売却全体にかかる税金は別途必要です
ここで解説した費用は、あくまで抵当権の抹消「手続き」に関するものです。不動産売却全体では、売却して利益が出た場合の譲渡所得税や、売買契約書に貼る印紙税などが別途かかりますので、その点はご留意ください。
抵当権の問題を解決して気持ちのよい不動産売却を
抵当権付きの不動産は、抵当権を抹消してから売却するのが一般的です。
抵当権が設定されている不動産の売却方法としては以下のとおりです。
- 売却利益で住宅ローンを完済する
- 手持ち資金のみで住宅ローンを完済する
- ローン完済できない場合は任意売却する
抵当権を抹消しないと購入希望者が見つかりづらいため、状況に合わせた方法で売却しましょう。
すまいステップの一括査定サービスなら簡単な条件を入力するだけで、4社の不動産会社へ査定依頼できます。
売却を検討している方は、ぜひお試しください。










