マンションで楽器を演奏するときは、近所迷惑にならないように防音対策のとられたマンションではないといけません。何も対策していないマンションで楽器を弾いてしまうと、近所迷惑となってしまい、トラブルを起こすことになってしまいます。
そうなってしまわないためには、防音対策のとられたマンション選びが大切です。音楽のある暮らしを楽しめるマンション選びをするために、楽器演奏できるマンションの特徴をはじめ、すぐに楽器OKのマンションへ引っ越しができないという場合の対処法などを紹介していきます。
マンションで楽器演奏はしていいの?
マンションで楽器演奏はしてもいいのでしょうか?
結論から申し上げますと、「楽器可」の賃貸物件以外は、室内での楽器演奏は原則認められていません。
理由としては、近隣住民への騒音被害が主な理由です。
たとえ電子ピアノや電子ドラムなど、ヘッドホンをつけて楽しめる楽器でも、ペダルの音が近隣住民の迷惑になってしまうことがあるため、マンションによっては禁止しているところがあります。
マンションでの楽器演奏のトラブル事例
楽器演奏が不可のマンションで楽器演奏をしてしまうと、トラブルに発展することがあります。
最悪の場合は契約違反としてマンションを契約解除されてしまう可能性も。
また、マンションでは同じ建物の中でたくさんの方が生活しています。
就寝中の方や音に敏感な方もいらっしゃるでしょう。
強制退去とはいかなくても、ご近所トラブルに発展する事例は多くあります。
楽器演奏によるトラブル・演奏者としての心構え
楽器演奏して練習に励むのは悪いことではありませんが、演奏者としてはしっかりと心得ておかないといけないことがあります。トラブルに発展することもあるため、しっかり心得ておきましょう。
マンションで楽器演奏をするときの心得は以下の通りです。
- 楽器の音以外も騒音となることもある
- 綺麗な音色でも、近隣住民にはただの騒音にすぎない
楽器の音以外にも騒音となることもある
いくら演奏する音を消しても、楽器によっては音が出てしまいます。例えば鍵盤やドラムを叩く音と振動は、防音対策のとられていないマンションだと他の部屋に伝わってしまう可能性もあります。その場合は、楽器の下に振動を軽減するように防音シートやカーペットなどを敷くようにしましょう。
綺麗な音色でも、近隣住民にはただの騒音にしか過ぎない
いくら綺麗な音色で楽器を奏でたとしても、音楽に興味のない人からしたら、ただの騒音です。音というのは嫌でも耳に入ってきてしまうものですので、それが騒音トラブルに発展し、最悪の場合は裁判ということも考えられます。
マンションなどの集合住宅は、自分だけがそこに住んでいるわけではありません。常に周囲を思いやるという気持ちと、守るべきことがしっかり守っていくようにしましょう。
・防音シートやカーペット
・演奏者以外には騒音
・思いやる気持ちが大切
マンションでも楽器を楽しもう!5つの防音対策
楽器演奏できるマンションは、楽器奏者からしたらとても魅力的です。しかし、そのために引っ越しするのは難しいという場合はどうしたら良いのかについて紹介していきます。諦めなくても、楽器演奏のために対策をすることは可能です。自分でできることを行ない、音楽を楽しめる環境を整えましょう。
リフォームして防音対策をする
わざわざ引っ越しまでしなくても、リフォームで防音工事をすることで、防音対策が可能です。後からでも壁や床は二重構造にリフォームできますし、防音ドア、遮音シート付き換気扇などを用いて音が漏れないようにすることもできます。
但し、費用面はどうしても必要で、おおよそではありますが、大体6帖で工事費用は200万円~250万円ほどかかってくるでしょう。それ以上に広い部屋ならば、もっとかかります。
部屋の中に防音スぺースを作る
通常のマンションの部屋の中に、防音スペースとなる部屋を作ることもできます。部屋全体を防音対策するとなると費用もかなりかかるため、全部屋とかでなくても良いのなら、防音スペースを検討してみてはいかがでしょうか。
防音対策された独立型タイプ
遮音性能が高く、防音ドアでできた部屋で、楽器の大きさによっても部屋の広さを選ぶことができます。声楽やフルートなどの場合ですと小型部屋で良いので、そうするとおおよそ60万円からとなっています。他には、アップライトピアノの場合は2.0~2.5畳、グランドピアノの場合は3.0~3.5畳は必要でしょう。2.0畳なら80万円台、3.0畳なら100万円台です。
また、部屋の壁などを傷つけないため、引っ越しのときにも移設や撤去もしやすいというのがメリットでしょう。
防音室をDIYで手作りする
防音室は、自作することもできます。そのために必要なのが市販の防音シート、防音カーペット、防音カーテンです。これらを使って防音対策をとることができるとされています。しかし、防音対策をとったとしてもあくまでも自作です。完璧な防音とはなりませんので、期待し過ぎないようにしましょう。
また壁などに固定するなど、賃貸マンションで行う場合は大家の許可を貰ってから行いましょう。
隣室に近い壁側に家具を置く
意外と簡単にできる防音対策が、壁側に家具を置くことです。隣との壁が薄いようなマンションですと、隣の生活音が聞こえてきてしまいます。逆も然りで、隣の音が聞こえるということはこちらの音も相手に聞こえているということです。
そういったときに、壁側に家具を置くことで隣への音の影響を軽減させることができます。防音の効果は期待できるほどではありませんが、全くしないよりはマシになるため、試してみる価値はあるでしょう。
ミュート機能のあるもので音を遮断
ミュート機能のある楽器での練習なら、家でも気兼ねなく楽器演奏することができるでしょう。優れた消音性能、しかし音程は安定しているというものです。楽器に差し込むような形で使い、例えばトランペットの場合は、音が出る箇所に差し込みます。
では音はどう聴くのかというと、イヤホンで繋がっていますので、外部には漏れないけれど自身の耳でしっかり聴けます。金管楽器などは、このようなミュート機能を付けると便利です。
ピアノの場合はソフトペダルを踏み、弱音にすると良いでしょう。ヘッドフォンで接続できる電子楽器に変えてみても良いですし、近年ではミュート機能のある商品は増えてきていますので、利用するのをおすすめします。
カラオケルームを活用する
引っ越しも難しい、加えて防音対策をとるのも難しいという場合は、カラオケルームを利用してみることもひとつの方法です。カラオケルームの建物は防音対策がとられています。そのため、カラオケの会社によっては楽器演奏可能な場所もあるため、まずは事前に演奏可能か確認した上で、持ち運びできる楽器の場合は活用してみましょう。
・自分で防音対策をする
・ミュート機能商品を利用
・カラオケなら防音完備
楽器演奏可能マンションへ移り住むのなら
楽器演奏ができるマンションを探すのは、決して容易ということではありません。音大の近くなどでは見つけやすい場合もありますが、実際はなかなか少ないでしょう。そして、そう簡単に引っ越しもできないという事情があることもあります。防音対策をとるのにもそれなりに金額はかかるため、簡単には決断はできません。
しかし、楽器演奏者にとっては楽器演奏できる場所を確保することがとても重要なことです。もし、引っ越しするという場合は、本当に楽器演奏ができるのかどうか、決まり事はあるかどうか、必ず物件の概要のチェックをして、不動産会社にもしっかり確認し、準備万端な状態に整えましょう。